私の生き方は早くも否定されそうです
かなりお話がぶっ飛びます。
結構なご都合主義です。
全ては貴族の力です。
ありがた迷惑
人の親切心が迷惑なこと。
例えば、ある場所に行くという目的があり、そのために普段引き受けない種類の仕事などを引き受けたのに他人が親切心で仕事を手伝うとか引き受けるとか言われること。
断って済めばいいけど有無を言わさずやられる時がある。
今が本当にそうだ。
迷惑なことの上ない。
迷惑だ ああ迷惑だ 迷惑だ。
……どうしてこうなった。
どうしてこうなった!?
私は天才児として祭り上げられたくはなかったのに!!
自然の要塞は突破できた。
というか自然の要塞なんてなかったといってもいい。
実験のため普通に泉に向かって歩いたら普通についた。
拍子抜けもいいところである。
まぁここまでは問題はない。むしろうれしい誤算でウキウキしていた。
問題はユアン先生という先客がいたということだ。
私の行動は読めていたらしい。
私が魔力フィールドの事を聞いた時から直ぐに行動に移したのだとか。
つまりは、私の行動が読まれていたということ。
……結構悔しい。
だからって……どうしてこうなった!?
―――――――――――――――――――――――――
時は少し遡って前日の夜
私はユアン先生に捕まって泉までの道を監視していたグループと一室で向かい合わせに座っていた。
「はい、とりあえず自己紹介からしましょうか。……はいはいポカンとしていないで。先に高等部の方からね」
と、呼ばれたときには迷いがない顔で『チーム代表』を体現している女の子がすっくと立った。
「私は……えっと?」
「ああ、必要最低限でいいぞ」
「つまり、そちらの方は王族の方でよろしいでしょうか?」
「「!?」」
……思ったことを口に出さないようにしよう。頭の中で一旦吟味してから声をだそう。
「エリック君、なぜそうだと思った?」
「えーっと……そう、たまたまです。彼女が話し始めで詰まって、その理由を知っているかのようにユアン先生が助けたので立場がとても重要な人だと思ったので王族かな……と」
…………だから、思ったことを直ぐに口にしないようにする必要があるでしょうが!!
こんな一挙手一投足から情報を得て鎌をかける八歳なんて見たことも聞いたこともないよ!
ああ、周りの人全員が私を見て絶句している。
この様子じゃ私を除いた全員が彼女の特別を知っているっぽいね。
……駄目だ、泥沼にはまっていく気しかしない。
「まぁ、そのことは置いておいて。さっさと自己紹介しましょう」
ユアンさん。それは私の仮定を肯定したことになりますよ。もう口を閉ざしますけど。
「じゃあ、初めましてでいいかな。私はキャロライン・アルテミス。まずどうやって私達の監視網を逃れたのか聞きたいわね」
すごい……。さっきは精神的にすっごく揺れていたのにもう立て直してる。
王族という立場のプレッシャーに耐えて生きていくってこういうことを言うのかもしれない。
かく言う私も貴族という立場なんだけど。
「はいはい質問は後だ。次行こう」
「俺はクラン・ウィスカだ。よろしく」
この人が初等部の男の子を運んでいった人。
「クラリィ・エルネス。よろしくお願いするよ」
知的な雰囲気をまとっているミステリアスっぽい女の子。いや……女性かな。
「アリシア・グローリアです。よろしくおねがいしますね」
少し天然が入ってそうでポワポワしている人。
経験則だけどめったに怒らない分怒ると怖い人と読んだ。
この人は、ここが私にとっても初対面かな。
で、私の番か。
「私はエリック・シルフィールドです。監視網を突破した方法は聞いても答えません」
答えたらまた騒がれる。
「いいもん」
いいの?
「諦めないから」
いや、諦めてください。お願いです。
「はい、ということで今回のチームの罰は留年です」
「「え?」」
いきなり何を言い出したこの先生は……。
というか高等部にも顔を出しているのか、この先生は。
「ちょっとまってくださいよ先生!俺達のチームだけ罰がでかすぎじゃないか」
「そうです。いつもなら十五日間の森での地獄チームサバイバルとそのための授業遅れを挽回するための補充授業のはずです」
「……私たちはそれだけのことをしてしまったのですか?」
クラリィさんだけじっと先生の次の言葉を待っている。
すごく冷静だ。頭脳面ではこの人が一手に引き受けているのだろう。
「そういうわけじゃないよ。君たちはこの学校を卒業していてもおかしくない魔法力と、それを扱えるだけの知識や技術を持っている。だからさ」
いや、それだけじゃ罰が重くなる意味が全くわかりませんが。
「つまり、八歳にして自然の要塞という魔術的障害を突破することができるほどの素質を持っているエリックくんに魔法を教えてあげて欲しいということだ」
「それは留年でもなんでもないのでは?」
「そうでもないよ。エリックくんが高等部に入学するからね」
……。
…………。
………………はぁ!?
「ちょっと何を言ってるんですか!?」
「大丈夫だ。エリックくんなら高等部の座学にもついていけるはずだ」
「何を根拠に!」
「三歳の時に基本語学を二十日で覚えたじゃないか」
「あっ……」
そうだった。それが理由か。
確かに初等部の授業はかったるいと思っていたし、前世は高校生で幕を閉じたけど……。
「あれから五年も経ったんだ。更に成長していると考えて高等部くらいなら問題ないと思っているよ。魔術的にも座学的にもね」
ユアンさん。ダニエル父さんに精神を侵食されていませんかね……。
無茶しすぎです。
―――――――――――――――――――――――――
ということがあり私は今、高等部のクラスにいる。
もちろんその罰を受けているチームのクラスだ。
チームは全員二年生らしい。
それで卒業していてもおかしくない魔法力ってすごいことなんだよなぁ。
留年の意味は私に勉学を振るったとしても、三年に進学することが出来ない可能性がある。という意味合いが強く、私が三年生になれるまで進学できないという意味だそうだ。
単位制どこいった!
けど……コレが一番の問題。
「ねぇ~本当にどうやって私達の監視網を突破したのよ。教えてくれてもいいじゃない」
「おいおい、そんなに問い詰めてやるなって。昨日だってさんざん質問攻めにしただろうに」
「だって悔しいじゃない。クラリィだってそう思うでしょ?」
「まぁそうだね。私はキャロが言ったように突破方法にも興味はあるけど、これだけキャロという魅力的な女性に質問攻めにされて、まだ口を開かないその精神力の方に興味が出てきたね。まるで八歳じゃないみたいだ」
すいません、もう勘弁して下さい。結構ぼろぼろなんです……。
「みなさん、もうそのくらいでやめてあげたほうが……まだエリックくんはこの学校にきて間もないのですから」
「あら、自分だけいい子ぶっちゃって。そうやってこの子の中に入り込んでいく気ね?そうはさせないんだから」
「えっ!?私は……そういうつもりで言ったわけじゃ……」
「だからってお前の所有物でもないんだぞ。ここは男同士だな……」
「何抜け駆けしようとしているのよ!エリック君は私のものなんだから!」
なんで私を取り合っているんだろう。
そして私は誰かの所有物になる気は全くありません!
「おーい、授業を始めるぞ。さっさと散れ。そして席付け~」
私に……心休まる時間はなくなりました。
つまり、妄想する時間が消えました。
ユアンさん。このお守みたいな人たちも高等部の入学に関しても私にとってはありがた迷惑です。
この学園で繋がりができたのは嬉しいことですが。
というかこんな馬鹿げた事をしないでください。
この異常とも言える特別措置を、学園上層部の人たちにどうやって話をつけたんだろうか……。
私はあの場所にいかないという選択肢はないと思うから、ここに編入学した時から目立ってしまうのは決まっていたのかもしれない……。
この話は難産でした。
活動報告にも書きましたがどうもピンとくる文章がスラスラと出てこなかったので時間がかかりました。
この小説にストックなんてありません。全てが行き当たりばったりのお話です。
何を書きたいかはその日その時、私の気まぐれて決まります。
そしてごめんなさい。
高等部学生の外見は妄想力の乏しい私には無理です。
語学的に書くのが難しかったからですが。
「艶やかな髪、真紅のような瞳」とかおりまぜながら書くのはまだまだ私にはできない芸当です。
髪型や髪の長さなどはこのあとのお話にとって重要なファクターでありますのでそれは後々書くかもです。
つまりは外見等はほぼ読者の妄想で補完して頂く形になります。
ではまた次の話で。
四日以内にアップします。