入学式という名の晩餐会
ワープ機能で着いた魔法学園。
「大きい…」
素直な感想だった。車は静かに去って行った。
そのまま、前に進むと道案内の張り紙があった。
その通りに行くと晩餐会が行われていた。
『レオン様』
名前からしか書かれていないネームプレートがある席に座った。
「ん、君も入学生?」
話かけてきたのは、黒髪で和服を着ており本を読んでいる少年だった。
「ああ、はい。そうです。」
とりあえず、無難に答えた。見た目は日本人っぽいな。日本人の魔法使いは珍しい。日本は魔法使いではなく、陰陽師という文化を持つ。なので、魔法使いは少ないのだ。
「俺の名前は蔵敷 神仕。よろしく。」
「よろしくお願いします。」
彼は本から目を離さず握手をした。
「敬語は辞めてくれないか、同じ年なんだし。気楽に話せない。」
彼は本をパタンと閉じると僕の方を見た。
「ああ、わかった…」
「まぁ、慣れてくれよ。別に貴族だから偉いというわけでもない。」
彼は、タバコのようなものを吸いながら言った。
「タバコ吸うの?」
「ん、ああ。これはチョコスモークって言って新種の植物のタバコだ。タバコのような毒もない。名前の通りチョコの味がする。」
知らないことばかりだ。
「君の名前は?俺聞いてなかったな。」
タバコの煙を吹きながら話す。なるほど、確かにチョコの匂いがする。
「僕の名前は、レオン=カタライド=タユマ。よろしく。」
「ああ、よろしく。やっぱりタユマ族か。美しい銀髪の髪に赤い髪が一筋すっと入ってる。人間と人間の純潔種か。白い肌も特徴だな。」
「タユマ族…」
「親から聞いてなかったのか!?まぁ、親も知らなくて当然といったら当然だが…」
「ん、何?」
「服を着ろ。貴族選定のために全裸だったら服を着ろ。男だったから良かったものの…」
彼はそう言うとリュックからガサゴソとカジュアルな服を取り出し僕に渡した。本来、タユマは服を着てはいけない。服を着ると魔力が妨害され、能力が図れないらしい。一応、自分の子孫の種になるからきちんと選びたいらしい。
「良かったな、露出狂に間違われなくて。貴族選定がある時だけ脱げばいいから。」
彼には感謝の連続である。