表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

106/139

第6部 第6話 葬列の鐘――軍神の強襲と「黒金の塔」

王都ルミナス。民衆の歓声と魔族の瘴気が入り混じる中、シオンとエレオノーラの婚礼パレードは、大通りの中央へと差し掛かっていた。

きらびやかな騎馬車の上。シオンは満足げな笑みを浮かべ、民衆に手を振る。その横で、エレオノーラ王女は血の気の失せた引きつった顔で、人形のように手を動かしていた。

「(……エレオノーラ。……お前が愛したルーニーは死んだ。……これからは、俺がこの国の唯一の王だ)」

シオンがそう勝ち誇った瞬間、ルミナスの空が一筋の黄金の魔光に貫かれた。

「(……なっ、空から……!?)」

直感的な殺気。シオンは即座に腰の聖剣を抜き、空を見上げる。

そこには、漆黒のマントを羽織り、顔の半分を「禍々しい痣」で覆った男が、流星のごとくシオンへ向かって一直線に降下していた。

「……死ね、不義のやから

(……この声、この黄金の瞳……!!)

「(グッ……あああああっ!!)」

爆鳴と共に、二人の剣が交差する。

ハルト(ルーニー)の一撃は、魔人核と軍神の力が融合した、常人には不可知の重さだった。シオンは受けきれず、聖剣を握ったまま台座から転げ落ち、泥に塗れた石畳へと叩きつけられた。

「……貴様……まさか、ルーニー・ハクザン……!!」

土埃の中で、シオンは震える指で男を指差した。

だが、その名を叫ぶことはできなかった。

まだ王国は完全に掌握されていない。このルミナスで「狂王」の生存が知れ渡れば、シオンの支配は一日で崩壊し、王国はバラバラになる。……彼にとって、「ルーニー」という名は、希望の光であり、恐怖の呪いでもあった。

「……おのれぇ……!! おのれ、貴様ァァァァッ!!」

シオンは、名前を呼べない屈辱と恐怖に歪んだ顔で、絶叫する。

その瞬間。

ハルトが羽織る漆黒のマントが、風に煽られて大きく翻った。

そこに刻まれていたのは、かつてのどの紋章でもない。……黒と金で描かれた、天を衝く『黒金の塔』の意匠だった。

「(……黒金の、塔……?)」

シオンがその紋章の意味に気づくより早く、エヴァが仕掛けた爆縮石がルミナスの各所で連鎖的に炸裂した。

「「「ぎゃあああああっ!! 爆発だ! 敵襲だ!!」」」

阿鼻叫喚の地獄絵図。

ハルトは、混乱に陥った民衆と魔族の警備部隊を冷徹に見下ろし、シオンへの殺意を「黒金の塔」のメッセージと共に残し、一瞬にして姿を消した。

(……裏切りの翡翠城で死んだと思ったか、シオン。……『黒金の塔』は、まだ崩れちゃいねぇ。……初期の直参たちよ。……俺は、ここルミナスにいるぞ)

王都ルミナスに、復讐の狼煙が上がった。

「軍神転生」を遂げた痣の男と、二人の狂犬。王国の闇を切り裂く、本当の戦いがここから始まる。

どうかブックマークと評価のほどお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ