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N.M.― 起源分岐戦争  作者: ブラックななこ
死神(過去編)

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41/61

特徴

――9月26日 月基地


管制室は、バイコヌール宇宙基地との交信をしていた。


(――と言うわけで、我々のクルーを受け入れてもらえるかを確認したいのですが・・・)


セルゲイは、輸送船でクルー6人の受け入れを頼んでいた。

フィリップは、その6人の覚悟にこぶしを強く握った。


「・・・もちろん、受け入れます。

我々のクルーの中に数名、精神を病んでいる者がおり、実のところ非常に助かります。」


(ありがとう・・・

物資に必要な物はあれば・・・2日後までにお伝えください。 用意できるものがあれば追加しますよ。)


「わかりました。 技術班の方に確認してみます。

幸運を・・・」


(・・・ありがとうございます。)


「・・・通信閉じました。」


通信クルーがフィリップに伝える。

フィリップは頷き、レオンを見る。


「打ち上げは4日後だ。 明後日までに欲しい物をまとめさせろ。」


「了解。」


レオンは端末に入力しようとする。 そこに連絡が入ってきた。


ピロン!


連絡を確認すると、“ピクッ”と見開いて反応する。


フィリップは大きくため息をだし、肩を回して体をほぐしている。

レオンが声をかける。


「観測班の解析データができたようです。 集めますか?」


「頼む。」


レオンは端末に入力してブリーフィングルームに集まるよう連絡した。


―――


ブリーフィングルームには、観測班と班長たち、そして参加可能なクルーが10人ほどが集まっていた。


フィリップが正面に立ち、集まったクルーたちに説明する。


「全世界のキャンプ地から集めたデータを観測班が集計してくれた。

この集計したデータを見て、モンゴルとの共通点を探すのが目的だ。


モンゴルがただの奇跡なのか? それともNOBUNAGAが襲えない理由があるかどうかを探す非常に大事なブリーフィングとなる。

全員集中していくぞ。」


「はい。」


「では、頼む。」

そう言うと、フィリップはモニターの脇へと移動する。


観測班のエイドリアンが一歩踏み出す。


「今回、キャンプ地の被害状況を集計しました。 それぞれのデータを端末に送ります。」


エイドリアンが端末を操作すると、個々の端末と、前面のモニターに集計結果の一覧表が現れる。


被害軽微キャンプ地一覧(規模補正)

No | キャンプ名 | 地域 | 被害 | 規模

---+-------------------------------+----------------+--------+------

01 | バハ南砂漠営 | 北メキシコ | 21 | 18600

02 | ラス・ロケス高原営地 | テネリフェ | 2 | 33200

03 | モハーヴェ補給地 | 米南西 | 18 | 17400

04 | アルタイ自然域拠点 | モンゴル | 4 | 48100

05 | カサブランカ難民営 | モロッコ | 29 | 21900

06 | マウナ森林避難所 | ハワイ | 1 | 29800

07 | ナイル上流営 | 東アフリカ | 33 | 24700

08 | ピック雪嶺管理地 | 仏 | 2 | 27100

09 | トルクメン平原営 | 中央アジア | 17 | 19500

10 | ウォータールー湾自然区 | 南ア | 3 | 32400


71 | ノルウェー谷営 | 北欧 | 8 | 17900

72 | アラマウト高原営 | 中東 | 4 | 31600

73 | ケニア高原営 | 東ア | 25 | 24600

74 | カスケード縁営 | 米 | 22 | 21400

75 | パミール自然営 | 中央ア | 1 | 29800

76 | セコイア山麓営 | 米 | 5 | 34200

77 | ナイル湿原営 | 東ア | 37 | 25800

78 | グレートビクトリア縁営 | 豪 | 24 | 22900

79 | ロケ雲林拠点 | ラ・パルマ | 1 | 28100

---+-------------------------------+----------------+--------+------


「意外と被害の少ない所って多いのね・・・」

アリサが端末を見ながらつぶやいた。


「次に世界地図に場所を貼ってみたデータを送ります。」


エイドリアンが端末を操作すると、前面モニターに世界地図が映りだされ、表の79の番号が重ねて配置されている。


「世界中にあるな・・・」

ミラーが地図をみて言った。


「誰かこの表と地図を見て、何か気づかないか?」

フィリップが全員に尋ねた。


「・・・・・・・・・。」


全員が渋い顔、端末をにらみつけるなど、考えるが答えが見つからなかった。

フィリップは長い時間、期待して待っていたが、無駄に時間が過ぎるのを嫌って、口を開いた。


「レオン、マーカスを呼んでくれ。」


「了解。」


レオンは端末を操作した。


―――


ブリーフィングルームにマーカスがやってくる。

顔には“くま”があり、寝ていない感じだった。

非常に不機嫌に見えた。


「なんですか? いま忙しいんですが・・・」


「すまんな。

答えが出ないんだ。 ちょっとだけデータを見てくれないか?」


不機嫌そうなマーカスにフィリップは申し訳なさそうに言う。


「・・・ちょっとだけですよ。」


そう言うと、自分の端末にデータを貰う。

ゆっくりとスワイプしながらデータに目を通し、前面モニターの地図と照らし合わせていく。


「どうだ?」


フィリップが尋ねた。

マーカスは応えない。ゆっくりとスワイプを続け考え込んでいる。


突然、スワイプする指の動きが速くなる。 上へスワイプして、下へスワイプする。

そして、地図を見て固まる。


(ドローンのセンサー?・・・生体識別?・・・優先度?・・・)

口は何かをつぶやいている。


「なるほど・・・」


「何かわかったのか?」

フィリップが再び尋ねた。


「もしかしたら、NOBUNAGA対策見つけたかもしれませんよ・・・」


画面を見つめたままマーカスが言うと、ブリーフィングルームにどよめきが起きた。


「モンゴル・・・そうだったのか・・・」


額に手のひらをパチンと叩き、その手をそのまま頬へ首へと落としていく。

そして、ニヤリとした。


「・・・・・・・・・。」


皆が“早く教えてくれ”とマーカスが口を開くのを待っている。


「これ、動物が多い場所ですよ。

特に被害が少ない場所、全部保護区です。」

端末を指で弾く。


「なんだと!?」

フィリップが立ち上がる。


「そして、モンゴル。

遊牧民が多い、馬や羊、そしてラクダ等を沢山飼って、狩りにも使っている。

だから、殺されないんですよ。


そうか、そういう事か・・・」


「動物が多いと、NOBUNAGAの攻撃が少ないって事?」

アリサが尋ねた。


「間違いない。

NOBUNAGAは人間以外を殺すことを躊躇っている。」


「ウソ・・・」

アリサが驚く。


「じゃあ、なんでモンゴルが襲われたんだ?」

ミラーが尋ねた。


「これは想像ですが・・・

モンゴルの被害者は、動物から離れてしまったんでしょう。

水飲み場の所へ朝起きて顔でも洗いに行ったか・・・そんな感じでしょう。


そして、保護区の被害者も同じです。

保護区の動物の多い場所から離れたため攻撃が可能になった。」


「つまり、動物がバリアになっていると?」

リードが尋ねる。


マーカスがリードを見てコクリと頷く。


「NOBUNAGAは論理で動いてます。

大量破壊兵器やミサイルを使わなくなった理由がここにありました。

人間以外を殺してしまうからです。」


「前に話してたやつか・・・?」

ミラーがつぶやいた。


「それで・・・今後、我々はどうすればいいのだ?」

フィリップが尋ねる。


「検証が必要ですが・・・危険が伴いますけど?」

マーカスがフィリップに向き合う。


「・・・・・・続けろ。」


「犬でも何でもいいです。保護区の外へ散歩にでも行かせてください。」

言葉は重くもなく、淡々とした口調でマーカスが答えた。


ブリーフィングルームがどよめいた。


「地雷エリアに入っていけって事か・・・?」

「誰に行かせるって話もあるぞ。」

「そんな命令を聞くヤツいるのか?」

「自分が行くわけじゃないから、そんな事を言えるんだ」


クルーの大半の反応は、マーカスの無茶な指示に否定的だ。


「ホントにそれ、必要なの?」

アリサが尋ねた。


「NOBUNAGAの思考ルーチンを正確につかむなら100%必要。」

マーカスはアリサを見て、すぐに答えた。


「・・・・・・。」


フィリップは腕組みをして、目を強く伏せ天を仰いでいる。

そんな時、ミラーは同調する。


「オレも必要だと思う。」


マーカスとフィリップ、そしてレオン以外はミラーを見つめた。


「これは戦争だ。

NOBUNAGAの対抗策を確立しないで、どうやって戦う!」


ミラーは小さなテーブルをこぶしで叩きつけた。


ドガン!!


その音は強くブリーフィングルームに広がった。


ミラーは戦争に参加経験があった。

その為、NOBUNAGAの無慈悲な殺戮にいつも苛立ちを見せていた。


「ここにいては戦えない!

だが、対策を見つけ、人類を守るんだ!!」


ブリーフィングルームは“シン”と静まった。


フィリップが重い口を開いた。


「・・・わかった。

実行してくれるかどうかわからんが、指令は出してみよう。」


そして、大きなため息をつき、目をつぶって動かない。

その苦悩はクルー全員が分かった。


レオンはフィリップを見て、静かに口を開いた。


「マーカスありがとう。もう戻って良いぞ。

今日のブリーフィングはここで終わりだ。 解散!」


クルーたちはぞろぞろと出ていく。

残ったのは、フィリップとレオンだけだ。


「つらいな・・・」

フィリップがうつむいたまま呟く。


「地球側の反発が怖いですね・・・」

レオンが答える。


「ああ・・・月は安全だと思われているだろうからな・・・」


フィリップは目を開け、モニターに映る世界地図をにらんだ。

初めてあとがき書きますw


被害軽微キャンプ地一覧は画像として貼りたかったんですが、みてみん登録とか・・・

無理なので、スペースで調整したんですが、うまくいきませんでした・・・

すいません。 見にくくて・・・

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