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ゴミ活  作者: ミカ


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7/11

第7話 デブからは逃げ切ったのに……?

お祭りの余韻を残しながらの日常パート。

けれど、穏やかではいられないちょっとした波紋が……?

 翌日、デブは私を見るなり、バケモノでも見たような顔をした。

 なんて失礼な奴なんだ、お前の方がよっぽどバケモノみたいな顔しているのに。


 その後も仕事中ずーっと、デブは私に何か言いたそうにしていたが、無視を決め込む。

 とはいえその仕事も今は閑散期に入っているので、午前中でノルマ分の仕事は終わってしまい、後はやる事も無いのでデブとは反対隣の、すぐに仲良くなった新人のEさんとお喋りを始めた。

 すると、デブが割り込んできて……。


「ミカさん、昨日お祭りに居ましたよね?」


「はい? 居ましたけど。それがどうかしましたか?」


「いえ、別に……」


 いや本当に何なんだ!? と、困惑するEさんと一緒に「なんだこいつ?」を繰り返す。

 私が貶めるまでもなく勝手に変人のレッテルを自分に貼り、勝手に距離を置かれるから面白い奴だよ。


 仕事が一番遅いデブがノルマを終えると、私は早上がりをする事にした。

 デブのせいで臭くなった空気と、女性特有の事情で体調も悪いから有難い。

 今までは給料のために耐えていたけれど。

 と、帰る準備をしていると……。


「……ミカさん。この後、時間もらえますか?」


「は? なんで?」


 突然デブに引き留められた。


「話したい事があるので……」


「はぁ。私、具合悪いから帰るんですけど。てか、それならさっき言えば良かったじゃないですか。その事なんでしょ?」


「ご飯食べながらなら……」


 食い下がるなこいつ。

 それに、私の質問に答えていない……人の話を聞いていないと思われても仕方ないし。

 言いたいな~、お前のマスクを外した不細工な顔でクチャクチャ物を食べているのを見たら余計具合悪くなるって。

 話の内容としては絶対、祭の時に私が持っていたゴミが家にあった、から始まる今までのゴミと貯金額に対する不信感が結びついたとかそんな所だろうし、それ自体は是非とも聞きたかったが、それにしてはリスクが高い。

 せめて体調の悪い今じゃないな~。

 私はわざと少し目立つように、心底迷惑そうに、ちょっとだけ声を大きくして言った。


「具合が悪いので、早く、家で寝たいんです! 空気読んで下さい! じゃ」


 これでまたデブの非常識さが際立った。

 私はただ、本当に、しつこい迷惑行為に穏便に対処していてもらちが明かなくてついに怒った人だから、同情こそされ、変な人認定はされない筈。

 作戦といえば作戦だけど、ぜーんぶデブが撒いた種だから、私、悪くないもーん。


  ** *


 という訳で、体調が悪いのは本当だけれどまだ初日でそこまでではないので、動けるときに動いておこうという事で、今日は買い物三昧と洒落込む事にした。

 その前にお昼ごはんを済まそうと、お蕎麦屋さんに入る。

 天ざるの天ぷらが秋色に染まり始めたのに誘われたのだが、シイタケや薬味は苦手なので、こいつをゴミ活対象にしようと思って、アプリからカメラを開いた……が。


「あれっ? エラー?」


 何故かエラーになってしまう……その理由はすぐにわかった。

 まだ会計前だからだ。

 じゃあこうしたら良いかなと、ペーパーナプキンを2枚ほど拝借し、シイタケをひとつこっそり包んでポケットにしまう。

 そしてお会計を済ませてからトイレに入り、改めてアプリで撮ると、ちゃんと1,380円が戻って来てホッとした。


 食事を終えたら、まずはカラータイツを3足。

 秋物のスカートに合わせるのに冬用の厚手の黒タイツ1枚しかなく、今日はこれで我慢したが、暑いし毛玉は目に付くしでみすぼらしかったから。

 80デニールのダークレッド、エンジ、モカグレージュの3色……この辺りが秋らしいし好みかな。


 次にデパ地下で晩ご飯用のお刺身、その次はドラッグストアでトリートメントを、シャンプー同様ワンランクアップの300円台の物を買う。

 どうしてシャンプーと一緒に買わないんだとツッコまれたら、切れたタイミングが違ったからとしか言いようが無い。


 最後に郵便局に寄って、昨日のお祭りの確変分以外の儲け、17,811円からキリ良く1万7千円を家賃分として振り込む。

 残り16万ちょっと……良いペースだ。

 というより2日連続で1万7千円を振り込んだということは、1日の儲けの平均がこのぐらいって事なのかな。


 そして家に帰り着き、玄関を開けると……見覚えのある男物の靴が並んでいた。


                                            →つづく

突然の訪問者!

彼の目的は一体……?

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