表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴミ活  作者: ミカ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/11

第11話【S-Ⅰ】健康被害っていうかもはや闇医者

ゴミ活アプリの神アプデ後の実践編、始まる……!

 糸目の男が帰った後、まずはさっき支払ったばかりの家賃のご利用明細票を撮って16万をバックする。

 いやもう渋沢栄一が16人とか圧巻だわ、渋沢栄十六って坂系の新しいユニットみたいだわ。

 スフレとジュースは2人分合わせて792円。


 他にも色々やりたかったけど、昨日初めて使ってみたウーバ●イーツで届いた牡蠣のクリームソースパスタと照り焼きチキンのスモールピザ、サーモンとオリーブのサラダ、舞茸とチキンのバジルクリームスープが届いたのでお昼ご飯にする。

 我ながらよく食べるなと思ったが、食べきれるのだから仕方がない。

 きちんと完食して3,432円。


 そしてお待ちかね、ハイパー課金タイム!

 1万円分でまとめ買い割引や任務達成おまけも含めて、記念衣装がなんと23着も買えちゃった!

 1着480円だから、し●むらより安いって例えたの思い出してようやく笑えるよ。

 コードを入力した後の用済みのプリペイドカードはさようなら、デブのゴミ箱へ。


 あとは推しのぬいと、まとめイラスト本の特装版と、昔好きだったアニメのリマスター版ブルーレイと……と、欲しいものリストに入れていたものを次々とぽちっていく。

 支払い方法はいずれも代引き、またはコンビニ振り込み。

 単純にデビットカードがクレカとして使えない所が多いのもあるし、前にも危惧した通り、税務署に目を付けられた時のためになるべく足が付かない方法を選んでいるのだ。


 そしてやっと、新機能を試しまくるターンに来ましたよ。

 待たせてごめんね。


 健康被害なぁ……と、その面白すぎるネーミングを口にしながら自分の身体を見ていると、真っ先に手の甲に出来ている湿疹が目についた。

 昔から肌が弱いから常に皮膚科や、最近では市販の軟膏にお世話になりっぱなしなのだが、デブが入社してからは特にひどくなった気がする。

 これも絶対ストレスのせいだな。

 もしくは、シミ……かなぁ。

 ひどくはないけれど対策する程度には出ているから、コンシーラー要らずになればそりゃ嬉しい。

 取り敢えず先に、今出ている湿疹の部分にたっぷり薬を擦り込んでから、まだ中身の入っているチューブを「健康被害モード」で撮ると……。


「おわー!? 消えた!?」


 目に見えて手の甲の湿疹がスーッと消えていって、思わず声を上げた。

 他に塗った所も、赤味も痒みも消えている。

 突然身体に現れたブツブツに慌てるデブを想像するのも愉快だったが、中学生の頃から悩まされ続けていたコイツとバイバイ出来たのは素直に嬉しくて……半泣きでお金を数えると、1円引かれて758円だった。

 でも冷静に考えて、こんな即効で完治しちゃうなんて、これが本リリースされる頃には医者の失業が相次ぐだろうな……なんて、少しだけ日本の未来を憂いてしまった。

 技術の謎さは考えるだけ無駄。


 じゃあ次はシミかなと思ってシミ消しクリームのチューブに手を伸ばしたが、ふと考えがよぎった。

 ……一気に綺麗になりたいのはヤマヤマだが、私もデブもあまりにも突然変わり過ぎると、さすがに怪しまれるかな……?

 ここはやっぱり、私の好きなコツコツも兼ねて、日々少しずつ劣化していくデブの姿を楽しもう。


  ** *


 という訳でこの日は特別な事はせず、こまごまとしたゴミを処理する程度にとどめ、翌日の出社を楽しみにしていたのだが。

 既に席に着いていたデブは、手の甲に浮いた湿疹をまんまるの指でかきむしっていた。

 私なんかよりずっと、そのぶくぶくの身体によく似合っているよ、良かったね。

そしてまた、話し掛けたそうにしていたが無視無視。

 話したきゃ話したそうにするんじゃなくて、話し掛けろっつーの。

 まぁ、話し掛けられたら掛けられたでまた逃げるだけだけどね。

 話したくないもん。


                                            →つづく

次回からじわじわとデブの身体を浸蝕していきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ