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星間記憶の灯  作者: 唖々
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第四章 遠い記憶の航路

夜、ユニットに戻ると祖母の補助マトリクスが再起動を繰り返していた。認知サブシステムが断片化し、記憶にアクセスできない状態だ。私はタッチパネルから「メモリーデッキ」を立ち上げ、古いファミリーアルバムのホログラムを呼び出した。

亡き夫との写真が三次元映像として浮かび上がると、祖母の瞳が驚きで揺れた。シリンダー型の記憶パックから取り出したデータを差し替え、彼女に当時の笑い声と香りを再現する。画面の中で二人は庭の桜の下で手を取り合い、笑い合っていた。祖母はかすれた声を漏らした。

「あの人にもう一度会いたい」

私はデータをアップリンクし、遠隔地にいる親戚たちをつなぐセッションを開始した。ホログラムコールの光が部屋を満たし、亡き夫の声だけがわずかに反響した。


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