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星間記憶の灯  作者: 唖々
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第三章 人工太陽の散歩道

軌道都市の屋外庭園は、ドーム型の人工大気室に設置された無重力散歩コースだ。太陽光シミュレーターが午前の光を再現し、人工重力システムがゆるやかな浮揚感を与える。車椅子型ホバーチェアに乗せた祖母は、芝生の代わりに植えられた光合成ケーブルや蛍光蘚こけを指先で撫でた。

「ここは何度来ても飽きないね。昔は土のにおいがしたんだけど」

祖母の声には、遠い地球の記憶が混じっていた。私はワイヤレスイヤホン越しに母船へデータを送信し、記憶の断片をクラウドにバックアップする。彼女の瞳が一瞬だけクリアになり、幼い頃に見た青い空を思い出したかのように輝いた。

私たちはゆるやかに空を旋回しながら、星屑に包まれた散歩を続けた。どこかで聞き慣れた子守唄のメロディが風に乗って聞こえる。祖母は口元をほころばせ、小さく目を閉じた。


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