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~ソフィア編~


ジェシカはその日ある人物とお茶をしていた。ジェシカが前々から気になっていたある噂の真相の手がかりがないかと探るためにやってきたのだ


「ジェシカが蟹座の噂について気になったのはいつ頃でしょうか?」


そう言ってお茶を飲みながら向かい合ってる人物

彼女は蟹座神殿の星見で「蟹舞姫」とも異名を持つ舞の名手「ソフィア」だった。

彼女は基本的にどの星見とも交流を持たない。それ自体は構わないが、ジェシカとしてはせめて自分だけでも交流を持とう、という目的でやってきたのだ。


「信者から聞きました。貴方が就任した頃ですかねぇソフィアさん」

「つまり、2年前と?」


その眼差しはこちらを警戒していた。


「… そう、2年前です。お茶会でそんな話を耳にしました。まあ噂だとは思いましたが。貴方の目が年相応じゃなかったのが気になったので。」


ピクリとソフィアのティーカップを持つ手が止まり、その眼光は鋭くジェシカを捉えていた


「なるほど、それで私の事を怪しんでこのお茶会に招待したのですか?ジェシカ先輩?」

「まあそうですね。別にただの噂なら気にしなかったんですよ?プライバシーですし。先程から言った通り、個々のプライバシーには関与しません。ですが、星見の話なら別ですよ?私、直感は鋭い方なんですが

貴方の目は12歳の少女だと言うには幼さがなさすぎますし」


ジェシカがなんて事ないように言うとソフィアは呆れた表情で


「星見の話もプライバシーになるはずなんだけどね…まぁいいわ。私は星見になったばかりの12歳の女の子、それ以上もそれ以下もないですよ。年相応でない人もいるのだから、別に問題ないのでは?現に、貴方も見た目と実年齢が異なる方ですので」


「うふふ、最年長の星見としての責任感というやつですよ」と笑って答えた


ソフィアはふーっと深く溜息を付いた後、


「まず、私は人間であることに嘘はつきません」

「…亜人種ではない、と?」


ソフィアはゆっくり頷き


「あの呪いの真相ですがまず、10年ごとに入れ替わってるわけではなく、同一人物が全くの別人を演じているだけです。つまり、私の本当の年齢は12歳ではありません」


ああ、そういう事か、とジェシカは理解する


「私はプライバシーは関与するつもりはありませんが、星見に関しての秘密はジェシカとしては知るべきだと思いましたから。一応表向きの私は人間の星見では年長なのでね。これは確かに重要過ぎる秘密ですね」


と静かにお茶を飲む


「まぁ、私の年齢は200歳以上とだけは伝えておきます。ですが、表向きは貴方が人間の中で一番年上だと思ってるので私は貴方の事を年上として接しますね。」

と言ってソフィアはジェシカを真っ直ぐ見つめる


「なるほど。そういう事でしたら私としては貴方にには敬意を持って接しましょう。他の星見とは一線を成す関係、とね?」とジェシカは嬉しそうにお茶を啜りながら笑う


「私は貴方の事は成長が遅れてる特別な人間って認識でみますね。ある意味似ている人だなって認識で見ます。」


とソフィアはクッキーをつまみながら言う


「貴方は本来ならばメアリーさん以上、もしくは同じくらい星見歴が長いという事ですから、私からしたらソフィアさんは先生みたいなものですね。名前と姿を変えてるだけならば本来は大先輩ですし」


「最も、私は貴方のように成長が遅れてるのではなく完全止まっているのですが。」


えっとジェシカが驚く


「あら、止まっているのですか。」

「そうですね、止まってます。表向きは逆の関係性ですね… 私が生徒で貴方が大先輩」


となんて事のないようにソフィアが答える


「うふふ、大変奇妙で面白いです」

「まあ、これはびっくりですね」


まさか自分と似た境遇の人がいるなんて、とジェシカとしてもとても嬉しくなった。このわくわくした嬉しい暖かい感情はなんというのだろうか、上手く言えないが、これが一気に親近感が湧いたというのだろうか。

「メアリーさんも星見なので同僚としては関わりを持ちますし、血も提供します。あの方ちょっと距離感があると危ないので…。人間の星見歴が最年長の私からしたら本当の意味でソフィア先生は尊敬する大先輩ですわ」


ソフィアの表情が堅くなる


「私はメアリーさんに血を渡さないと思いますね。それが原因で実年齢バレたくないので…」


ああ、なるほど確かに。


「そういう事でしたか。この事は私だけが知っている感じですか?ソフィア先生」

「エマも知ってますね」


ああ、エマか。あの子か。ほとんど話さない者同士気が合ったのだろうか?


「なるほど。エマは私にあまり良い感情を抱いてないでしょう。でも信用できる人柄ですし、言いふらしたりはしないと思います」


「それは興味深いですね」


ソフィアはしばらく黙り込むとポツリポツリと話し始めた


「ただ、成長が止まった理由を話すなら、私が元々病弱で余命僅かだったのですが、両親が星に祈った所両親の命と引き換えに私の病気は完治、しかしそれ以降成長が止まり不老長寿になった。私の両親が命を星に捧げた。しかし、運命を歪ませた代償として年を取らなくなった」


………。


「星に願った代償ですね。奇跡を願うならそれなりの代償は必要になりますから」

「私も貴方の大事な秘密を知ってる友人で尊敬する先生です。貴方は1人ではないのですよ」


私達は似た者同士だ。これは本心からそう思った


「確かにそうですね」と表情が緩んだ

「私も両親に売られたようなものですが、貴方の両親もソフィア先生を思っての行動でしょう」

「両親からの愛情は確かにありました。それは間違いない事でしょう。私の一族は代々蟹座の星見の一族なので、星見をやることは確定してました。だけど、200年もやることになるのはきいてないですが」


確かに聞いた事はある。だが……


「長いですねぇ」としか言えなかった


「人間の精神で200年はきついな…。一応表でも私の事を先生と呼べる方法はあります」

「あら!知りたいですわ」と目を輝かせた


「それは、躍りの弟子になることです。蟹座の星見は、揃いも揃って踊りが上手いという話は噂になっていますので。」


流石ですねぇ


「踊りですか。では弟子入りさせてください」


そうすればジェシカが他の星見の前でソフィアを「先生」呼びしても違和感を抱かれないだろう。


それが踊りの弟子入りをした理由だった


「そういえばニックがスポンサーでしたね」

「そうですね」

「あら素敵♡ではよろしくお願いします、「先生」」


こうしてジェシカはソフィアの踊りの師弟関係になったのだ。

ソフィアもにっこり微笑んで

「こちらこそよろしくお願いします、「先輩」」と答えた。


「そうだ、せっかく大事な秘密を教えてくれたから

私が他の星見に言う機会があるかはわかりませんが、相性の良し悪しや反りが合わない星見もいますが。。。。私的には星見はみんな家族のようなものという認識です。相性の良し悪しや反りが合わない星見もいますが。。。。私的には星見はみんな家族のようなものという認識です」

「確かにそうですね。私も変装しながら様々な星見を見届けてきましたからね」


やはり彼女とは気が合いそうだ。ますます嬉しくなった。

「あ、そうですよね。…今の星見はどう思います?」

「エマは秘密を共有する仲間で、クリスは裏がありそうで警戒対象で、マリアンヌは踊り子の件で感謝してます。ニックはぶっちゃけ性格はあれですがスポンサーとしてはわりとちゃんとしてくれるので気にしてません」


( °◊° )ホォなるほど、そうなんだ


「エマは最年少ですから気にかけますよ。本人は嫌がるかもしれませんねぇ。クリスさん損得勘定で動きますが、一応実力は確かな方です。まあ、私とは反りが合わないので鬱陶しがられますが。マリアさんも貴方と似た孤独と寂しさがありますから、気にかけていますよ」


続けてソフィアは


「メアリーは警戒対象その2ですね。秘密がバレると面倒臭そうなので絶対血を吸わせる気はないです。

まあサンドラは生物でもないのに星見になれるのか…と興味はあります。ロディは自分も過去に病気を抱えていた身なんで親近感を抱いてます」と答えた


「私にとって不利益にならなければ別にどうでもいいって思考ですので」


へぇ、なるほどそうですか。そんな感じなんですか


ジェシカは溜息をついてこう言った


「メアリーさんはまあ、知ったら面倒なのは理解出来ます。愉悦対象になるのは間違いないですね。サンドラさんはまあ度々無断で侵入はやめてほしいものです。ロディさんは私と同じ孤児なので弟みたいな子です」


ソフィアも続けて同じような溜息をついて話す


「サンドラさんの無断侵入は確かに止めて欲しいな…一応私年齢誤魔化してるから下手に大昔の物とか見つけられると厄介です」


うん、まあそれは確かにそうですね


「基本サンドラには近づかないな…」

とソフィアは足を伸ばす

続けて「マイクも基本的には関わらない、多分性格があわなそう」という


「ああ、マイク?信仰心が厚くて真面目なあの子は理想の星見だと思いますよ。良くも悪くも1番人間らしいです」

とジェシカは笑う。マイクとローラは理想の星見なので気に入っている


「やっと素を見せてくれましたねぇ」


ジェシカはニンマリ笑う


「え…?素…って…?」

「うふふふ、さっきまで敬語でしたから貴方」

「敬語が外れるのは、誰にでも起こり得る事ですよ?」


まあそうですが。私の場合は


「私はどうにも外見年齢に引っ張られているので口調は安定しないんですよねぇ」


やれやれというジェシカ


「確かに、あの発言はどこか引っ張られているように見えましたが…」

「とにかく、私は10年後に継ぐであろう後継者の為に、この10年を果たさなければならない。それがゆえに実年齢より年上に見えたのだと思います。」


ソフィアがすくっと立ち上がりそう答える


「なるほど。流石先輩ですね」とジェシカが言うと

「納得頂けたのなら幸いです」とツンとするソフィア


「私も他の星見とは関わりがたくさんあるので。最年長も大変なものですが、全て星見という職務が円滑にいくため。仕方ありませんね」


そう言ってジェシカも椅子から立つ


「何をなさるおつもりで?ジェシカ先輩」


「お茶会が苦手な方もいるので押しかけるんですよ」


るんるんとそう言って歩き出す


「…待って下さい…まさか!?」

「え?お邪魔するんですよ」

「このお茶会に誰が来るというのでしょうか?」

「大丈夫です サンドラみたく不法侵入なんてしません」とジェシカはドヤ顔で言う


「ちょっと面白そうですが、そんな事はしません。礼節を弁えるのが美徳ですので」


(面白そうって…わりと見た目に引きずられてません?) ソフィアは内心そう思いながら

「まさか、一晩ずっとここで問い詰めるつもりですか?」


ジェシカは再び楽しそうに歩き出して


「たまに神殿を抜け出すのは楽しいでしょう?よくやります♪」

「抜け出してどうなさるおつもりで」

「楽しい事が好きなので。真面目一辺倒ではないんですよ生憎」


ソフィアは怪訝な顔をする


「どんな遊びをなさるおつもりで?」

「ニックには内緒にしてくださいね?散歩みたいな?ウフフ」

「流石にプライベートを言うつもりはないですよ。はぁ…まぁ、散歩なら付き合いましょうか。」


「あら、良いのですか?」

「誰かに見られても、姉妹で歩いてるって事にすればいいだけですからね、最悪。」


確かにそれもそうですね

ジェシカがキラキラした笑顔でこう言った


「面白いからクリスさんの神殿に突撃しようかなとか思いました☆」


「は?」


ソフィアらしからぬ声だった


「まあ間違いなく嫌がるでしょうねあはは」とジェシカは楽しそうに笑うが、ソフィアはフリーズしていた


(なんでよりにもよってあいつの神殿に行くんだよ!!)

ソフィアの全力の心の叫びだった


「前言撤回します、貴方1人で行って下さい!」


「ああ、クリスさんの露骨に嫌そうな顔を見るとか面白いなと。目的それだけですよ?」


ソフィアはドン引きした顔で 「とんでもない暴れ方をしますね…」と言い、ジェシカの方は完全にノリノリで「お転婆ですか?お転婆です♡星見としては真面目にやりますが。個人としては全力で楽しみたいので」とイタズラっぽく笑って答えた


「確かに、とんだお転婆なお嬢様ね。なら、私の事を探るためにお茶会に呼び出したのは真面目なのと楽しみたい方のどっちなんですかね?」

「あら?それは…秘密で♡外見年齢に引っ張られてるせいでしょうね。はたからしたら二面性が激しいでしょう。プライベートのスイッチの切り替えをきっちりしてるだけですよ?真面目に」


「やってることがサンドラさんと変わらないのでは?」


正論を言われ、ダメージを受けるジェシカ


「うっ… 耳が痛いです…」

「あら、そこはダメージ受けるんですね」とソフィアが意外そうに言う


「ダメですね、外見年齢に引っ張られるとこうなります。私はほら、本来は30以上の大人なの…」

「成長が遅いのかしら?」


ハイ、そうです。


「この言動のせいで年相応に見られないんですよねぇ

成長も遅いので。」

「だからこそ、私の事を知りたくて、蟹座の謎を解きたくて私を誘ったんですね」


バレたか。


「貴方が年相応の動きをするのならこの謎を暗黙の了解として受け入れて放置していると思いますからね」


ジェシカがぷくーとほっぺを膨らませる


「私も悩んでるんですよ?気が抜けるとすぐこうなるので、なので普段は星見の年長者モードでいるので」す。

「なら、私から貴方に問題を出しましょう。」



「私は、この蟹座の噂を知りながら蟹座の星見になることに対し拒絶する事はしなかった。それはどうしてでしょうか。」

「難易度高い質問ですね!?」


思った事がそのまま口に出ていた


「あら?元々あなたが知りたいと思って私を招待したのではなくって?」


いや、それはそうなんですが。


「星見としての誇りがあるからでしょうか?それだけじゃない気がしますが。家族といたこの国を見守って行きたいからですかね」


ソフィアはクスリと笑う


「残念ながらそうではないわ。」


ガーン。不合格


「ふふ、その答えでは核心には辿り着けないってことよ。蟹座の星見の噂、それをもう一度思い出す事ね。」


うげぇ〜そんな この先生厳しい!?


「ずっと星見でいたいからですかね?」と頭を捻る

「わざわざ姿や名前を変えてまで蟹座の星見の座に居続けるのは」

「…ほぉ?」

「貴方、本当は譲るつもりなんてないんじゃなくて?」

「流石にヒントを出しすぎたかしらね?でも、貴方の推理は半分しかあってない。」


えーそんなぁ〜


「手厳しいですねぇ」

「確かに、姿や名前を変えているのは本当よ。でも、それは譲るつもりがないからではない」

「…そうしなきゃいけない理由があるんですね?」

「私が人間として、星見としてあり続ける事に違和感を持たれないようにしているからよ。まず、10年毎に蟹座の星見が交代する。これは貴方の推理通り私が同一人物を努めているわ。」


そうですね


「なぜ?という理由が掴めていません、ただそうしないといけないからかしらと」

「問題はその理由。理由は単純よ。私の体が成長しないからよ。そして、成長しないまま長く生き続けた結果、この通りずっと星見をやる事になった」


ああ、ソフィア先生…貴方は…


「ああ、囚われてしまったのですか」

「そうしないといけないのではなく、そうなってしまった、ですか」


そうか、貴方は、囚われてしまったのですね


「その表現であってるわ。まぁ、あくまで病気にならないだけで怪我はするから、私が自分で首を切るなり心臓を突き刺すなりすれば死にはするでしょうけどね。でも、それはやりたくない。だからこうして長生きしてるわけ。」


「不老であるだけで不死ではない。私と同じですね」


「それに…」とソフィアが呟く

「?」

「私も夢見てるのよ。いつか、普通の人間と同じように年を取る未来を。時が動き出すのを。」


…………。


「私の時は止まったまま。止まったままの神殿に囚われ、星の思うがままに踊る者、それが私なの。」


「私も人並みに成長したいって思う時はありますから理解は出来ます。なるほど、踊ってる時だけは辛い気持ちを忘れられるってやつですか」

「踊りが好きなのは元からよ。だから、踊りで辛い気持ちを忘れられるわけではないの」


なんて言ったら良かったんでしょうか。


「この国はずっと夜の国、夜明けはありません」


ああ、こんな事しか言えない自分が嫌になります。


「夜明けが来ないのなら、きっと私の時は止まったままなのだろう。」

「そうなのですか」


上手く言葉が出ない、私はなんて言ったら良かったの?どういう言葉をかけるのが正しかったのかな


「しかし、普段は10歳の新人星見を演じているから、こうして話すのは本当に久しぶりね」


ソフィアが歩きながら腕を伸ばす


「でも、星に願っても良いと思いますよ」

「…それは無理よ。何故なら、私にこの運命を課したのは星なのだから。」


……ああ、本当に上手く言葉をかけられない自分が嫌になる。言葉をかけてあげたいのに、上手い言葉が見つからない。とてももどかしい気持ちだった


ふいにこう聞いた


「貴方は恨んでますか?今の自分と星に」

「星に対しては恨んでるわ。でも、神託に間違いはない。だから、私は星を信仰せずに時を過ごしているの。」

「そうですか……」


自分が嫌になった、なんて言えばいいのか本当にわからない。何か言ってあげたいのに…


「信仰しないことが、私に時の止まった世界で永遠に過ごす事を課した星へのせめてもの抵抗なのだから 」


「ああ、ごめんなさい、私がこんな感情を抱くのは違うのに」


こんな事しか言えなかった ごめんなさいソフィア

多分何を言い繕っても貴方の心は晴れないってわかってしまったから、何も言えないんですね、私は


「星に対しての信仰心がない者は消されるって話だったかしら?安心して、私は星に対して抵抗するつもりはないから。これでも、星によって生かされている命だからね。」

「ああ、蛇使い座とかいう話ですか?おとぎ話の類と認識しています」

「蛇使い座?話は聞いたことがある程度ね」


蛇遣い座、それは御伽話でしかない


「実際に見たことがない物を信じるつもりはないわ。私はわりと、現実主義者な物で。」


まあそうだろうな


「先輩がそう仰るのならば。私も信じないことにしますわ。まあ元々信じてませんが」


ソフィアが一歩歩き出しながら


「まぁ、空想を信じた所でよ。存在しない物に縋る意味はない。」


それは、そうですよね

ジェシカも下を向きながら

「空想を信じるなら私も貴方の身体も今頃治ってますしね」と答えた


「そうね… それと、私からはクリスという男の部屋に行かない事を奨めとくわ。下手に近づいたら大変な事になるかもしれないし。」

「あら、クリスさんそんなに危険な人ですか?」


ローラとの間に感じる空気?違和感といい、ソフィアの忠告といい、そこまでクリスは怖い人なのでしょうか。ただ口が悪いだけではないの…?


「クリス?あの検察官だけど、あの男は基本自分から近づかないからね。」


ジェシカはため息を吐く


「星見仲間だし、親交は持ちたいんですが……。まあ追い出されそうですね。あの方、私が苦手なようなので露骨に嫌がったり鬱陶しがるのを全く隠さないので」

「私から先生として1つ言いましょう。寄り添える姿を目指して下さい。きっと、貴方なら架け橋となれるでしょうから。」


なるほど。


「そんなに暗い顔をしないでくださいな、先生

私は若輩者ですが、孤独には寄り添うつもりです。」


マリアンヌもソフィアも似たような孤独感を持っているのを私は知っている。これからも2人が寂しくないように、心が潰れないようになるべく私が寄り添っていかなくては。2人だって大事な家族なんだから


「あら、暗かったかしら?全く…いつものような明るい利発な少女を演じる必要があるというのに。どこか上の空になっていたのかもしれませんね。」


本当に、それだけならいいんですが…


ソフィアが「おっと、そろそろ時間ね」と言って街の大時計を見る

「夜分遅くに失礼しました。気をつけて神殿にお帰りください」


ジェシカは深く頭を下げるとソフィアは微笑む


「私も楽しかったです。気をつけて帰って下さい、『先輩』」

はい、私も貴方とこうして語らう時間は楽しかったですよ、ソフィア「さん」


「ええ、またお茶をしましょう「先生」」


そう別れを告げ、お互いにそれぞれの神殿に帰って行った。


〜TO be Continue〜


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