ロープワークはプロレスの華。
プロレスラー養成学校なので、当然プロレスの練習をします。プロレスと言えばロープ。
ロープに振る、振られて走る、ロープにあたって跳ね返る。
この練習も勿論あります。
そしてこれが結構キツイ。
プロレスのリングには3本のロープが四方に渡してあり、それによって形作られる四角いリングを縦横無尽に動き回って闘います。つまり、先ずそのための基礎体力が大事になるわけで……。
皆さんが何気なく見ている試合でも、15分、20分、30分を超える激闘のさなか。レスラーは必ずロープに飛ぶ、走るときしっかり走っています。
時々、限界を超えると走ろうとして崩れ落ちてしまう場合もありますが……私が見た限りでは、そんな試合は90年代後半の四天王プロレス末期ぐらいじゃないかと。
で、ロープ。この飛ぶ、振る、走るといった動作をまとめて
ロープワーク
と呼びます。リングの大きさは大体6メートルほど。これは団体によってまちまちだそうです。私が練習していた闘龍門のリングは決して狭くは無かったと思うけれど、三方を道場の壁に囲まれているので走るとちょっと怖かったかな。
プロレスのリングにはスプリングがあって、これが普通に乗って歩くだけでも結構ゆれる。なので真っ直ぐ走るのだけでも大変でした。
皆さんが何気なく見ている試合でも、選手が歩いたり走ったり飛んだり跳ねたり……実はこれだけでも案外バランスが必要でして。それに輪をかけてメキシコは複雑かつ素早い動きが必要。というわけで先ずは走っていって背中でロープに当たる練習から。
痛いのなんの。
よく言われるように、あのロープというのは「ロープ」とは名ばかりで、中身は太い金属製のワイヤー。外側をゴムかビニールのカバーで覆っているだけで、重たいわ硬いわ。
とてもじゃないけど、びよ~~んと伸びて跳ね返るような代物ではありません。
自分であたってみてよくわかった。あんなもん、普通に力いっぱい叩きつけられたら骨折すると思う。
あれも何気なく背中を向けて跳ね返っているように見えるけど、走る歩幅とタイミングを合わせて
いち、にの、さん!
でクルッと振り向いて当たる。その時にしっかりとロープを掴む。そしてまた足を踏み出し、いち、にの、さん! で反対側のロープにあたって掴んで跳ね返る。
この繰り返し。延々、延々と、そりゃもう走る走る。
最初は揺れるリングの上を走るだけでも、リングの揺れと足運びが合わずにドタバタドタバタと音が乱れる。当然ロープまでの歩幅も合わずタイミングがずれる。ロープの手前でチョイ減速したり回り切れず肩の辺りから突っ込んだり。
これが、何度もやってるとどうにかタイミングよく当たれるようになる。
ちなみにロープを掴むのは、万が一トップロープ(一番上のロープ)が切れたり外れたりした場合に転落するのを防ぐため。
当たり方には色々あるけど、どの選手も必ずロープはちゃんと掴んでいる。
次に相手を掴んでロープに振る練習。
これもプロレスでよく見かける光景ですね。
しかし、相手が都合よく走ってくれるわけはナイので、ちゃんと踏み込みつつ力を込めて投げなくちゃなりません。そのときの所作、顔や目線の向き、ちゃんとまっすぐ相手を飛ばしているか……などなど。
実は無数の要素が一瞬の攻防に込められているのです。たぶん。
私は残念ながら、この先を学ぶことが出来ませんでした。でも、それでも皆さんが思っている以上に、ロープワーク一つとっても色々あるんだと知って楽しんでいただければ幸いです。
今度プロレスを見るときは、選手のロープワークに注目できるかも…?




