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5話



【ビリビリ草】

 名前の通り、黄色い花の部分に当たると体が一定時間痺れる。3分から5分とその効果は人による。


【ボンボン草】

 丸い形の花が咲き、刺激を与えると人を酔わす液体散る。触れた人の皮膚は紅くなるのが特徴。上記と同じで3分から5分とその効果は人による。


【自爆草】

 綿のような花を咲かせ、1つだけでも風に飛ばされるとそれが爆発する。


【べとべどん草】

 蕾を踏むと、ぷぅうううと音を出しながら体の中の魔力の流れをしつこく鈍らせる。その状態で魔力を使うと、ぼとん、ということから名付けられた。


――と言うことダカラ。


 渉がほぼ放心状態で、草の説明を要達にした。

 まさか、こんなアクシデントで愛する雑草とお別れだナンテ。ハハハ。


「ダカラ、暫くは魔力使えないからナ。ハハハ」


 最初はたまたまだったんだよね。俺の水魔法は誰がどう見たって弱小で、雑草の成長のお手伝いをさせてもらうしかなかったし。それ以外に勿論、使いたいだなんて考えられなかったし。

 まぁ、どの道新しい命達の誕生で俺からは離れる事になる……わかってるけど。それでも、母草は死んじゃうわけで。せめて、敵とか命の灯を消した凄い『雑草』とかで人生最後を向かえた方が同じ死でも全然違ってくるって、そう思ってさ。思ってたのにー…さ。

 変人の背中に潰されるだなんて、さ。

 そんなことある? あったんだよ……。


「渉? どうしたんだ? 急に笑い出すなんて気持ち悪いな」

「ふっ……ふふふっ……」


 俺が急に不気味に笑い出すと要が背筋をざわつかせ気持ち悪がった。


「かぁなぁめぇ……」

「なッなんだよ?」

「そのグラサンおっさん今すぐシバいてよぉおおし!」

「ずるいわぁ〜要様アタシにも気持ち悪いって罵ってぇ〜♡」

「…………珍しく渉に同意だ」


 俺が辺りを見渡してから要にコクリと頷くと、要が察したのかグラサンを連れてズルズルと家の中に入り、2階へと繋がる階段を登っていく。


「待てよ要。俺もシバくぅ♡」


 やはり外だとグラサンの声うるさいから近所迷惑だしな。少しでも離れて2階のほうがいい。そして存分にシバくことにしたのだ。


「もっと、もっとよ。いや〜…ん♡ いや〜…ん♡」


グラサンのおっさんが打たれるたびに気持ち良さそうに声を上げるからきりが無い。渉はしばらく経つと諦め、要のシバく姿を眺めに徹した。


「いや〜…ん♡ いや〜…ん♡」

「あ〜…んだぁ♡」


渉は驚愕した。


「か、要……お前……」

「私ではないッッッ!」


だろうな。要の口動いてなかったしな。

要が打とうとしたムチを渉が、待てしっと止めた。


「あ〜…んだぁ♡」


今度はハッキリと外からだとわかった。


「おい渉。俺は今こいつの世話で手いっぱいだ。お前が様子見てこい」

「えええええ」


俺は渋々暇でもあったから外の残りの雑草の様子もついでに見ようと行くことにした。

扉を開けるとドサッと人が倒れ込んだ。


「おい!おっちゃん大丈夫か?!」

「あ〜…んだぁ♡」


うゲッなんだよ。ただの酔っ払いじゃないか。

駆け寄ったおっちゃんは肌も真っ赤にしてくたばっていた。


「坊や俺を二階に連れてってくれぇ」


このエロおやじ。二階でイヤらしい事でもしてると勘違いしてやがる……。かといって、このまま外に放っといたらまたもや迷惑か。

ガシッと足まで掴まれ俺は毛が逆立つのを覚えた。


「わ、わかった! わかったから!」


二階にいる要にバトンパスしよう。ズルズルと俺は酔っ払いを連れて行った。


「その酔っぱらいは何だ? そいつもしばいていいやつか」

「目覚めるんだったらいいんじゃないか」


連れて行った途端に要の美貌にでもやられたのか、打たれて喜んでいるグラサンのおっさんに興奮したのか。


「あ〜…んだぁ♡」


二人の方に転げ走り寄っていった。

段々と接近する光景に耐えられなかったのだろう。要が即座に手を下した。


「いや〜…ん♡」

「あ〜…んだぁ♡」


と甘い声が響いた。






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