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閑話

この作品に登場するすべての国家、団体、人物は架空のものです

[が、元ネタはあります(後述)]

——————————————————————————————————————————————

 閑話 2029年 11月30日

「はあ......」

「ただいま戻りました!」

「ああ、ノーラか。シュヴェイツでの訓練は無事終わったようだね」

「はい、いつでも出撃できます!」

「そう......か。その必要はないとは思うけどね。前も言ったけど、そもそもこんな仕事につかせるつもりはないんだよ?もっと安全な仕事を用意することもできる」

「ご心配なく。ああいう機械と触れ合うのが、わたしの趣味みたいですから」

「趣味ねえ......まあ、危なくなったら自分の身を守るってことは、覚えておいてくれよ?」

「はい、兵士として基本中の基本ですから」

 その後いくつかの会話ののち、ノーラはカールの部屋を出た。部屋の外には衛兵が立っていた。

「お疲れ様です」

「ああ、ノーラさん。どうも」

 ぎこちない挨拶が返された。リヒテンシュテインの非公式な軍人であり公の保護下にあるという特殊な立場ゆえ、ノーラに対する接し方に困っているのだ。

「あの、カールさんは大丈夫なんですか?あまり元気には見えなかったんですけど......」

「大丈夫......ではあるけれど、懸念は尽きないね。戦勝国からの経済制裁が開始されて、本格的な財政難が続きそうだ。もちろん、君の活躍に対する謝礼はあったけれど、この状況が続くとなると厳しいだろうね......」

 リヒテンシュテインは大戦争の中盤で、歴史的経緯からエスターレイヒに兵を派遣し、主にイタリエン戦線で戦わせていた。戦勝国側はリヒテンシュテインの関与について詳しくは知らなかったが、以前からの親エスターレイヒ的な外交は不信感を抱かせるのに十分だった。この経済制裁は小国であるリヒテンシュテインには重く、公爵が私財を投じてなんとか維持している状況だった。

 ノーラは、自分がまたエスターレイヒに派遣されて、多額の金を稼いでくればいいのではないかと思っていた。ゆえに隣国シュヴェイツの軍隊の訓練に自主的に参加し、その腕を磨いていたのだが、公爵はそれをよく思っていないのだった。

国家の元ネタ(ほぼ全部オーストリア語風に読んでいるだけです)

エスターレイヒ=オーストリア

ウンガルン=ハンガリー

ブリタニエン=イギリス

フランクレイヒ=フランス

リヒテンシュテイン=リヒテンシュタイン

ドイツ、アメリカはそのまま


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