第一候補でないことの結果
寝室で由美は怒りと苛立ちの入り混じった感情に襲われていた。亮から聞いた歩と花についての情報が腹の中で結び目となり、頭から離れなかったのだ。
ベッドに大きく体を落とし、目を閉じて気持ちを落ち着かせようとした。しかし、歩が花と練習している姿が何度も脳裏に浮かび、そのことを考えるたびに胸が締め付けられるのを感じた。
「信じられない」ユミは怒りが沸々とこみ上げてくるのを感じながら呟いた。「どうして歩はあんなに花と仲がいいんだろう。彼女はただの柔道部の仲間なのに」。
しかし、心の奥底で由美は、彼女がただのクラスメートではないことを知っていた。花はそれ以上に、歩と美緒の関係を脅かしかねない存在だった。由美は、歩が花の中に何かを見出して、澪から自分を奪ってしまうかもしれないと思うと、嫉妬と恐怖を感じずにはいられなかった。
彼女はその状況を考えながら、怒りで拳を握りしめた。そんなことはさせられない。「歩と澪の間に花を挟ませるわけにはいかない」。
しかし、怒りが薄れていくにつれて、由美はただイライラをぶつけるだけではいけないことに気づいた。外部の脅威から歩と澪を守りたいのなら、慎重に、戦略的に行動しなければならないことを彼女は知っていた。
自分の気持ちや懸念を歩に直接ぶつけるのが最善だと考えた。本当に歩を助けたい、歩の支えになりたいと思うのであれば、歩に正直に自分の感情を話さなければならない。
覚悟を決めた由美は立ち上がり、鏡に映る自分を見た。歩との会話では、どんな発見があろうとも、強く勇敢になろうと心に誓った。
新たな目的を胸に、由美は寮を出て歩のいる場所に向かった。道は決して平坦ではないが、愛する人を守るためなら、どんな困難にも立ち向かっていく。




