新たな始まり
歩は澪を温かい抱擁で包み込み、震える澪の体を隣で感じた。彼女の唇には遊び心のある笑みが浮かんでいた。澪を再び抱きしめることに成功したのだ。
澪は歩の心地よい抱擁に包まれながら、複雑な感情の波に身を任せていた。過去からの疑念や傷はあったが、歩への愛は今も彼女の胸の中で燃え続けていた。そして今、歩の腕の中で、彼女が待ち望んでいた安心と安らぎを見つけた。
一方、由美はその光景を遠くから眺め、満足感と嫉妬が入り混じった感情を抱いていた。彼女は歩を愛していることを受け入れ、一瞬、澪のようになりたいと願った。しかし、自分の幸せは人の上に立つことではなく、歩を幸せにすることだとも理解していた。
悲しくも決然とした笑顔で、由美は立ち去ることにした。今日だけは、澪に歩との恋を楽しんでもらおうと。自分の心は傷つきやすく、憧れを抱いていたが、自分の欲望よりも、歩と澪との友情の方が大切だとわかっていた。
歩きながら、由美は自分の幸せと歩への愛のために戦い続けることを誓った。その道のりは決して平坦ではなく、障害もあるだろうが、自分の平穏と喜びを見つけるために、それに立ち向かっていこうと。




