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プロローグ

三ヶ月前に私は結婚をした。


相手はロランド・マークレイ

マークレイ侯爵家の嫡男。


温厚で頭の回転も早く、剣術に長けている。

王太子の側近の一人として手腕を奮っていて、王太子からの信頼も厚い人物。


そして、何より美丈夫。



社交界でもトップクラスの話題の人物で、誰しもが羨むような文句なしのお相手。



そう。文句なしのお相手のはずなのだ。


それはこの私、サンザルド伯爵家長女マルコにとってもそのはずだった。


この話が来た時は正直舞い上がっていた。

どうせ将来、政略結婚させられるのであれば見目も条件もいい人に決まっている。


たとえ政略結婚であっても、互いに生活しているうちに互いを認め合ってそこから愛を育んでいけばいい。



直接会話を交わしたことはなかったけど、ロランド様の事は何度か社交の場で見かけていた。


正直言ってしまえば見た目がタイプで、どうにかなりたいと思ったことはないけれど、周りの女性同様に彼に密かな憧れを抱いていた。


だからこの結婚話は私にとっては晴天の霹靂だった。



きっかけは約一年程前、マークレイ侯爵領で植物や人体にも影響のある原因不明の疫病が流行り、ロランド様の父…マークレイ侯爵は窮地に追い込まれた。



そこで私の父。植物学と医学に精通している父が原因解明の依頼を受けてマークレイ侯爵領に赴き調査を開始。



父が調査に入り数日後には水に原因があるを早々に突き止め、父を先導に、領地の水質改善をして、マークレイ侯爵領は順調に改善していった。


父の有能さを目の当たりにしたマークレイ侯爵は父を偉大な友人と讃え、あれよあれよと言う間にいつのまにか気づいたら私とロランド様の結婚が決まっていた。



私にとっては嬉しい状況であったけれど、彼…ロランド様にとっては違かったみたいだった。



その証拠に私はロランド様と結婚式と初夜の時以来、一度も顔を合わせていない。


初夜の時も身体を重ね合う行為どころか、言葉もろくに交わしていない。


父に対しての礼を言われ、私に不自由な生活はさせない旨とロランド様に与えられている侯爵家別邸を私の好きに使っていい事。でも2階の奥の部屋には絶対に行ってはいけない事を伝えられただけ。


その後、やり残した緊急の仕事があるからと早々と部屋を出ていかれて以降、ロランド様はほとんど帰宅せず、帰宅しても私と顔を合わせる事はなかった。



夫婦となった貴族の1番の役割は後継を残す事。

その役割など全く果たせる訳もなく…


別に嫌われているわけではないと思う。

私は社交界でも中立で良くも悪くも見目も普通で目立つタイプではないので好かれる要素もないけど、嫌われる理由はない。


ロランド様には次期侯爵の身分だけでなく王太子の後ろ盾もあるから父である侯爵様の口添えであっても断ることだって容易にできたはず。




わざわざこんな状況を作るならロランド様はなぜ私と結婚などしたのか?



三ヶ月も放置されている私はどうしたらいいのでしょうか?




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