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幻想社会機構譚  作者: バガット
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ある剣士見習いの場合

初投稿です。よろしくお願いします。

キーワードと矛盾している事が多いと思います。

あらかじめご了承いただければ幸いです。

目の前にカカシがある。

そう、畑で鳥から作物を守るために作られた木製の人形だ。

もっとも、畑にあるモノと着ている物が大きく異なり、コイツは鎧を纏っていた。

陽光に当たり、鈍く光る金属には無数の傷跡が刻まれており、これまで多くの戦士達の攻撃を受けてきたのが解る。

胴が支える頭部にも、鎧同様複数の傷が付いた兜をかぶっている。

もしコレに顔があれば、おそらく幾つもの大戦を生き抜いてきた逞しい顔立ちをしているに違いない。

だが、残念な事に(ヘルム)に守られる顔は真っ新なのっぺらぼうだ。

教官によれば、顔を描くと感情を込めてしまう。

戦いにおいて感情とは、最も厄介な敵になりうる。

常に無心でいろとは言わない、ただし不必要に思いを込めないよう心掛ける為に、顔を描かない。

最初にその説明を聴いた時は理解できず、「顔を描くのが面倒だから無地なんだろうなぁ」と思った。

でも、コレに何度も剣を打ち込む内に、ようやく意味が解ってきた。

たとえ、美男美女の顔が描かれていようが、へのへのもへじが描かれていようと、

()()()()()()()()()()()()()()()()()()に対して苛立ちが生まれ、結局目標から遠ざかるのだ。

もっとも、それが理解できても納得できるかは別の話だ。

現にぼくは、このカカシにとてつもない苛立ちを感じている。

でも、同じぐらい熱さも感じている。

カカシ(これ)に傷をつけられれば、また一つ目標に近づけるはず。

(今日こそは習得できる)

そう思いながら、相棒の片手剣を強く握り締めて、

「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

ぼくは今日も、カカシ相手に剣を打ち込む。

感想あれば、よろしくお願いします。

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