表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超スキルと魔王と伝説と  作者: ネクサス
第1章 〜搾取の死神〜
6/6

漆黒の魔獣魔獣I

 

  「ラプトルントだぁぁぁあああああーーーー!」


 リゲルが叫ぶ。


 黒いトカゲのような魔獣。

 ラプトルントがリゲルたちを睨む。


「リゲル!ラプトルントって確かCランクじゃ無かった??」


「そうだけど...Dランクのイノホーンとは比べものにならないぞ」


「当たり前でしょ!Cランクってのは王国の騎士が15人で挑むくらいの魔獣なのよ!」


「レベル上がりすぎだろって、あぶねっ」


 二人がそうこう会話をしている所にラプラプトルント

 トルントが突進してきた。


「あーもう!フレイムアロー!!」


 ミラが魔法を乱発。

 辺りが煙に包まれる。


「やったか!?」


 リゲルの完全にフラグの一言。


「グワオォォガァァァーー!!!」


 そのフラグを即回収するラプトルント。

 煙が少し薄くなる。


 そこには無傷といっても良いほどのラプトルントが佇んでいた。


 それを見たリゲルが地面を蹴る。


「魔法がダメなら接近戦だっ!」

 リゲルがサーラから渡された剣を振るう。


 カキンッ


 ラプトルントの前足の関節の部分から生えている、鎌のようになっている部位で止められる。


「おいおい、マジかよ。あれに切られたら...」

 リゲルは自分で想像して身震いをする。


「リゲルっ、どいてっ!」

 ミラがリゲルに声をかけてリゲルが後ろにジャンプ。

 それと同時に魔力を練ったミラが魔法を詠唱する。


「炎がダメならっ!アイスピアス!!」


 槍のような大きく鋭い氷が無数に現れ、高速でラプトルントに飛んでいく。

 そして直撃すると思われたとき、ラプトルントが口を大きく開けた。


 開けた口から漆黒のブレスが吐き出される。


 大きな音と共に洞窟内が煙に包まれる。


 煙が晴れるのを待つリゲル。


 しかし、黒い魔獣はそんなリゲルに容赦なく突進する。


「ぐわっっ!」


 煙の不自然な流れに気付いたリゲルが持ち前の身体能力の高さで防御に入った。

 しかし、黒い魔獣の突進に体が吹っ飛ぶ。


「大丈夫?リゲル!」


 ミラが煙の中で叫ぶ。


「あ、あぁ...大丈夫...だ。けど、こいつの一発重すぎるぞ...直接くらってたら今頃お陀仏だったかもな」

 リゲルはボロボロになっていたが、その口元は少し嬉しそうだ。


 そこに、声の方向から感覚でミラが合流。


「この煙なんなんだ?ブレスのせいか全然晴れてくれないな」


 リゲルが隣にいるがギリギリ顔の輪郭が分かるくらいのミラに聞く。


「厄介なブレスね。 エアスプラッシュ!」


 ミラが魔法を詠唱すると、二人を中心にドーム状に風が発生。

 ブレスによる煙が勢いよく晴れていく。


 二人の目の前にいる黒い魔獣は、アイスピアスで多少傷があるが、元気そうにこちらを見ている。


「ミラ、作戦がある。いったん退こう。魔法であいつが追ってくるのを邪魔できるか?」


「邪魔は任せて。 マジックコントロール!!!」


 ミラが詠唱をして、両手のしわとしわと合わせて幸...両手を合わせる。


 すると、リゲルたちとラプトルントの中間地点の洞窟の土の壁が音を立てて狭まる。

 そしてそのまま、道を塞いだ。


「すっげぇぇえええ!!!!!そんな事も出来るのか!?ミラすっげぇぇえええ!!!!!」


 洞窟の壁を自在に操った規模の大きい魔法にリゲルが興奮をする。


「えっ、そうありがとう// けど、お父さんなら同じ魔法でも山くらい簡単に作れるわよ。」


 リゲルに感動されて照れるミラ。


「さすがに村長でもそれは無理だろ。って、そんなことより走るぞ!」


 リゲルがミラの言葉を謙遜と思いコメントしてから走り出す。


 リゲルを追いかけるようにミラも後を追う。

 もちろん走らずに浮遊魔法で地面を滑るのだが前と違ってリゲルにしっかりと付いていけている。

 この数日でミラも大きな成長を遂げていた。


 そして、リゲルは気付かなかった。

「隣の国との国境にある大きな山脈はおじいちゃんとお父さんが二人で作ったのよ...」

 と、ミラが小さな声で呟いたことに。



 少し走ったところでリゲルが立ち止まる。


「ここらへんでいいか」


「何がいいの?」


 リゲルの一言にミラが質問をする。


「ここにあいつが通れるくらいの穴を空けられるか?」


 その一言でミラはリゲルが思いついた作戦に気付く。


「それくらいなら、出来るわ。それにしても本当にリゲルは良く分かったわね。私がフレイムエクスプロージョンを使えるのに使ってなかったって」


「まぁな、見てれば分かるっての」


 リゲルが、「お前だって一瞬で俺の作戦に気付いたじゃねーか」という思いを込めた返事をする。


 リゲルの魔獣討伐3分作戦はこうだった。


 1.洞窟の横にラプトルントが通れるくらいの穴を空ける。


 2.その穴にラプトルントをおびき寄せる。


 3.そこにミラのフレイムエクスプロージョンを打ち込む。


 4.こんがり焼き上げらたラプトルントが倒れたかリゲルが確認。まだ生きていたらその場でリゲルが決着をつける。


 こういう作戦なのだ。


 そして、リゲルはミラがフレイムエクスプロージョンを打てることを知っていた。


 リゲルは以前ミラとした会話を覚えていたのだ。




「強くて範囲が大きい魔法を詠唱するのにすごく魔力を使うのは当然なんだけどね、もっと魔力を使うことがあるの。なんだか分かる?」


「もっと強い魔法を打つことか?」


「それは当たり前でしょ。違うわ」


「じゃあ、なんなんだ?」


「正解はね、強い魔法の威力をそのままに範囲を絞る事なの」


「ん?なんでだ?範囲が小さくなるってことは魔力の節約になるんじゃないのか?」


「まぁ完璧に使いこなせる魔法ならそうなんだけどね。私くらいじゃ範囲を絞るのにとっても神経を使って同時に魔法を無理やり圧縮する感じだから余計に魔力を使っちゃうの。だから、強力な魔法は思いっきり打った方が魔力が少なく済むのよ」


「へ~、そんなもんなのか」


「お父さんは本当にどんな魔法でも自由自在なんだけどね...私もいつかそうなりたいんだ」




 そんな、会話を昔したのだった。


 昨日、ミラは魔法の範囲を絞ったせいで魔力切れとなり意識を失ったが、思いっきり打てるなら別だ。


「んじゃ、頼んだぞ」


「任せて。 アイスピアス!! 」


 さっきと同じ魔法だが、今回は一本の巨大な氷の槍が壁に突き刺さり、見事に洞窟の壁に穴が開いた。


「ほんとすごいな」

 リゲルが感嘆の声を上げる。


「なんか、昨日お母さんの魔力を注入されてから調子がすごくいいの。【魔聖】がうまく使いこなせるようになったというのかな...」


 実際はサーラの魔力が高濃度だったということと、ミラが本当に【魔聖】を使いこなしてきているのだが、ミラはそんなことは知らない。


「ミラ。お出ましだぞ」


 リゲルが今来た洞窟の方向に剣を構える。


 洞窟の奥、闇の中から漆黒のラプトルントが現れる。


「最終決戦だ!!」


「グガアァァァァギィガァァァァァ!!!!!!!!」


 洞窟にラプトルントの雄たけびが響いた。












一話じゃ終わりませんでした。

次回も戦闘メインです!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ