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超スキルと魔王と伝説と  作者: ネクサス
第1章 〜搾取の死神〜
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村の騒乱

読んでくれる皆さん、ありがとうございます。

今回は説明メインとなってます。

 

「た、大変だぁーーー!!東のミッド魔獣牢が崩壊したらしい!!」そう言ってこの屋敷に仕えている男が入ってきた。


 この男は村に住んでいる男で、毎日屋敷に来て仕えているドラだ。

 ドラは屋敷に入って一番、そう叫んだのだった。


「ミッド魔獣牢?ってあの東に100キロくらい行ったところか?」リゲルはそう聞き返す。


「そうですよ。あのミッド魔獣牢が今朝崩壊したらしいんですよ。もう村ではその話題で持ちきりです。はやくアラノス様に伝えないと」


「その必要はない」焦るドラを制すような低い声。


「あっ、お父さん」ミラが驚く。


 さっきまで誰もいなかったはずの、ドラが入ってきた部屋の扉に1人の男性がたっていた。

 赤い裏地の黒いマントを羽織り、フード被っていて少し顔が見えないが、それでも男らしい顔立ちはわかる。

 そしてそのいかにも魔法使いのような男こそ【王国七仙】の一人アラノスであった。


「村長!ミッド魔獣牢に行くんだろ?俺もつれてってくれよ!俺も十分修行して強くなっからさ!」リゲルがそういった。


「それは出来ない。あそこの魔獣牢は王国内でも危険な魔獣を閉じ込めている。リゲル、お前では勝ち目がないうえに、私でも他人を助けている暇があるかもわからん。それほどあそこは問題児ばかりを扱っているからな。サーラ、ミラとリゲルを頼んだぞ」

 自分でも手いっぱいだと言っておきながら、問題児という表現に余裕がうかがえる。


「はい、あなた」そうサーラが返事をする。リゲルはチェっと舌打ちをしてミラがなだめるが、断られるのはいつもの事なのでリゲルはそこまで気を落としてはいなかった。


「では、私は行ってくる。...というのももう少しで着くのだがな」そう言うとアラノスの姿が徐々に薄くなり透けはじめて消えた。


「き、消えたっ!」ドラがとてもいいリアクションをとる。


「あの人はドラが屋敷に入って崩壊のことを叫んだ瞬間に家から飛び出していたわ」そうサーラが答える。


「さすがは村長だな。城内にこの情報が入ってから対策部隊を組んでやってくるより、自分が行った方が早く片付くと判断したんだ。にしても、この数分でミッド魔獣牢に着くって...やっぱ、王国七仙は化け物だな」

 リゲルが素直に感嘆する。


「にしても、ミッド魔獣牢ってそんなにやばいところなのか?」


「リゲル、修行ばかりするのもいいけど、ちゃんと王国内外の勉強もしないとだめよ」いまさらな質問をするリゲルにミラがそう答える。


「勉強ってのはどうも苦手なんだよ。素振りしてる方が何倍も楽しいっての。それで、どんなところなんだよミラ先生」


「おっほん、ミッド魔獣牢っていうのは説明するとね。まず魔獣にランクがあるっていうのはさすがにリゲルも知っているでしょ?」リゲルのミラ先生という言葉に気分を良くしたのか咳ばらいをして説明がはじめる。


「あぁ、Aランクってのがやばい魔獣なんだろ?」


「そう。本当はSランクっていう魔獣もいるけど。そんな魔獣ここ数百年は出てないって本に書いてあったわ。それで、そのAランクやらBランクの魔獣がたっくさん集められて管理されているのがミッド魔獣牢なの」


「なんでそんな魔獣牢が崩壊なんてするんだ?そんな強い魔獣牢なら王国直属の強い奴らが監視しているんだろ?」


「そのはずよ。だからこそ今回の崩壊は不自然なのよ。魔獣たちは全員魔封じの鎖に縛られているはずだからまったく力を出せないはずだし、ミッド魔獣牢の管理だって王国七仙の一人【獣聖】のユニークスキルをもった獣仙の管理のもと王国直属の部隊が管理しているはずだもの」とてもややこしい説明にリゲルが首をかしげる。


 要は、アラノスもそうであるように七仙は多くの部下を持たない。それは七仙が多くの部下を持つことによって反逆の恐れありと国王に疑われないためでもあり、また部下を持たずとも十分に七仙それぞれが強いからである。

 しかし、中には数名の部下を持ち弟子にしている人がいる。

 そのなかで【獣聖】は魔獣の扱いに慣れていて、もちろんその部下も魔獣を操ることができるユニークスキル持ちなのだろう。

 そして、獣仙の部下の一人が王国の騎士たちに魔獣の管理法を教えて王国がミッド魔獣牢を管理するのである。


「そんな危ない魔獣牢なら獣仙かその部下が直接管理すればいいのにな」リゲルが思ったことを素直に言う。


「それはできないのよ。私たちは王国の北に住んでいるけど、獣仙は王国の南東に住んでいるの。王国の南東に何があるか知っている?」


「ん?海か?」リゲルが質問にテキトーに答える。


「違いますよリゲルくん。国の南東のその先には魔獣がうようよ住んでいる悪魔の森【デッドフォレスト】があるんですよ、ね?ミラさん」


「ん?ドラまだいたのか」


「正解ドラさん。けど、なんでまだいるの?」会話にいきなり入ってきたドラに二人とも反応が冷たい。


「え、なんか、僕への対応ひどすぎませんか?ねぇサーラ様」


「うふふ。私は紅茶入れてくるわね。三人分でいいかしら?」


「それ絶対、僕入ってないですよね。サーラ様とミラさんとリゲルくんで三人ですよね!?!?」助けを求めたドラにサーラは追い打ちをかける。


「そういえば、さっきから外がなんか騒がしいわね。ちょっとドラさん見てきてくれるかしら。紅茶入れて待ってるわね」そうサーラが言ってにっこり笑う。


 言われてみてリゲルも耳を澄ますと微かに村人の声が聞こえる。


「サーラさん、よくこの声が聞こえたね」リゲルが感心すると


「私、昔から耳がいいの。アラノスにも地獄耳って昔は怖がられていたわ」笑いながら話しているが、王国七仙をビビらすとはサーラさんもなかなかだ。


「分かりましたよ。見てきますよ」そう言って、ドラが部屋を出ていく。


「んで、さっきの続きだけど、そのデッドフォレストってのはなんだんだ?」リゲルが話を戻す。


「あ、その森はねAランクの魔獣が魔獣牢の比じゃないくらいにいてね、時々王国の方に入ってこようとするの。それを止めるために獣仙の力が必要なのよ。だから、獣仙の顔を見たことある人はほとんどいなくてね、会いに行くにもデッドフォレスト付近は魔獣が多いから、一般人は近づけないのよ。だから、獣仙はミッド魔獣牢なんかに構っていられないのよ」ミラが一通りの説明を終えた。


 そして、サーラが三人分の紅茶を持ってくる。


「はいどうぞ」


「ありがとうお母さん」

「ありがとうサーラさん」ミラとリゲルを紅茶のカップを受け取り、飲もうとしたとき。


「た、大変だぁーーー!!村の中心に魔獣が現れたーーー!!」そう言ってこの屋敷に仕えているドラが入ってきた。





次回、ついにリゲルが活躍!?!?

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