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神速の龍  作者: 五十嵐紅兎
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第六章

神速の龍 6




〇〇「あなたが、あそこまで取り乱すとは、珍しい事もあったものですね。榊さん?」


榊「…監視は、怠ってないだろうね?紅兎。」


紅兎「えぇ、そっちの方は任せてください。今日中に接近して、より監視を強めようと思います。」


榊「接近するのはいいけど、スパイだって勘づかれたらダメだよ?」


紅兎「わかってますって。俺がそんなヘマをすると思います?」


榊「…ならいいよ。随時報告はするようにしてね。」


紅兎「はい。全ては、この国の為に…。」


榊「………。」


楓「…おい、榊。あいつは信用出来ねーぞ。」


榊「なーんだ、起きてたんだね。楓。わかってるよ。裏切ったらその時は…。」





榊「僕が殺すだけさっ!はははは、ははははは、ははははははははは…」










龍「…ん、ここは…。」


霧月「起きたか。私の家だ。」


龍「…みんなは?」


霧月「もう寝た。あいつらにも疲労が溜まってるからな。で、私に話しがあるんだろ?」


龍「はい…。まず、昨日あった事から話します。昨日……。」




霧月「そうか、そんな事があったのか…。楓がAに入るとはな…。」


龍「はい…。俺も、最初はびっくりしました…。呪いを望んで受ける始末…。姉貴っ…!なんでっ…!」


霧月「………。…飲むか?」


龍「霧月さん。俺…未成年っすよ?」


霧月「んなこと、知ってる。飲む相手がいねーんだ。付き合え。」


龍「…はぁ。一杯だけですよ…?」


霧月「………。」


龍「………。霧月さん、俺は姉貴を連れ戻す事できるんでしょうか…。」


霧月「…さあな。私には、わからん。」


龍「ですよね…。」


霧月「………だが、呪いを克服する方法なら知ってる。」


龍「っ!ほんとですか?!」


霧月「あぁ。と言っても、知ってるのは晴明の変態狐だがな。」


龍「やっぱり、晴明さん呼べるんですね!」


霧月「まあな。…どれ、呼んでみるか。…我、如月霧月。ここに、過去の偉人、亡霊を呼び出さん。安倍晴明、今ここに降り立ちん。」


晴明「霧月ちゅわぁぁぁぁぁんんんん!!!!」


霧月「よるな、変態。」


晴明「流石儂の霧月ちゃんじゃ。今日もいい蹴りじゃのぉ〜。」


霧月「お前のになった覚えはない。晴明、お前に客人だ。」


晴明「誰じゃ、こんな時間に。コイツか?」


霧月「そうだ。」


晴明「なんじゃ。男じゃないか。儂、帰る。」


霧月「そう、言わんでくれ。晴明。コイツは、あいつの息子なんだ。」


晴明「…ほぉ。こやつがあの14代目の息子か。確かに顔つきは若い時のあやつにそっくりじゃのぉ。」


龍「父さんを知ってるんですか?」


晴明「まぁの。意外と長い付き合いだったからのぉ。」


龍「そうだったんですか。…俺の名前は、里見龍です。まだ正式ではないですが、里見家次期当主です。晴明さんお聞きしたいこ…。」


晴明「あー待て待て。龍と言ったか。お主が14代目の息子なら敬語はよい。楽な喋り方でよい。」


龍「…わかった。晴明、ちょっと聞きたい事がある。」


晴明「なんじゃ?」


龍「俺にかけられてる呪いの克服方法を教えてくれ。」


晴明「呪詛とな…。どれ、見してみぃ。……ふむ、これはすごいのぉ。」


霧月「どうゆうことだ?」


晴明「この、呪詛はまず解くことが出来ん。それから、術者は凄いのぉ。色々な呪詛を組み合わせて作られておる。よく組み立てられておる。…そうじゃなぁ、このタイプの呪詛なら。対話かの。」


龍「対話?それは?」


晴明「心の奥深くにある負の感情との対話じゃ。自分の内に意識を集中し、自分の世界に入って対話をして、何らかをすれば克服され、その呪いは更なる力に転換されるだろう。」


龍「何らかってなんだ。」


晴明「そこまでは知らん。」


龍「そうか…ありがとう晴明。」


晴明「そうじゃ、お主にこれをやろう。」


龍「なんだこれは。」


晴明「式じゃ。その式の名は出雲じゃ。出雲はお前の父親、14代目が持っていた式での。あやつが死んでから行き場が無いということで、私が預かっとったのじゃ。」


龍「…父さんが。ありがとう。」


晴明「式を呼びたい時は名を呼べ。そうしたら出るからの。それじゃ、儂は、霧月ち…」


霧月「消えろ、晴明。」


龍「……父さん。」


霧月「もうお前も寝ろ。」


龍「はい。」




紅兎「へぇ、式を手に入れたか。明日にでも接近するか…。どんな顔するんだろうな、瞳、龍…。」








霧月「今日から早速稽古をはじめる。お前達入れ。」


秋人「この人達が、俺ら3人の師になる方ですか?」


霧月「ああ、そうだ。普段は私の護衛を任せてる3人だ、強さは申し分ない。まず、秋人に付いてもらう、颯兎だ。」


颯兎「よろしく!気安く、颯兎と呼んでくれ!」


秋人「おう!よろしくな!俺も秋人でいい!」


霧月「次に、瞳に付いてもらう七海だ。」


七海「よろしくお願いします、瞳さん。七海とお呼びください。」


瞳「よろしく、七海。」


霧月「最後に、凛に付いてもらう緑だ。」


緑「……よろしく。……呼び方はなんでもいい。」


凛「よろしくね!緑ちゃん!」


霧月「秋人と瞳は戦闘力を磨いて貰え。凛はまず回復能力の向上だ。場所この第1道場を使え。たまに、私も様子を伺いにくる。稽古開始!」


秋人・凛・瞳「はい!」


龍「あの、霧月さん。俺は何をしたら。」


霧月「お前はまず、呪いの克服からだ。第2道場に行ってろ準備でき次第私もいく。」


龍「はい!」




霧月「なあ、晴明。龍は、克服出来ると思うか?」


晴明「さぁのぉ。じゃが、あやつの息子ならそんな心配もいらんじゃろう。」


霧月「………。」













榊「どうだい?調子の方は。」


楓「あぁ、絶好調だ。」


榊「ならよかった!今日から、君には呪いの克服に取り掛かってもらおうと思う!」


楓「はやいな。まぁ!なんでもいいけどよぉ!」


榊「ははは、甘く見てると死んじゃうよぉ?」


楓「かかか、俺に限ってそれはねぇーな!」


榊「そうかい?はは」








秋人「はぁぁぁああああ!!!」


颯兎「秋人!攻撃が直進過ぎるぞ!そんなんじゃ、当たるもんもあたんねぇ…ぞっ!」


秋人「ぐはっ!ははは、颯兎、強ぇーな…。」


颯兎「ははは、秋人が弱いだけだ!」


秋人「いってくれんじゃねぇーの!」


七海「瞳さん!あなたには根本的に速さと手数が足りません!それでは、学校では勝ててもAとの戦いでは勝てませんよ!」


瞳「…っ!わかってるわ!!」


緑「……回復能力はいろいろと複雑。……まずは、どんな傷でも治療できるように人間の構造を覚えてもらう。」


凛「うん!わかったよ、緑ちゃん!私も頑張る!」




霧月「何度言えばわかる!それじゃ、自分の世界になんか入れないぞ!もっと意識を集中させろ!だが、何も考えるな!聴覚も視覚も痛覚も、全てわからなくなるくらい自分の内側に集中させろ!」


龍「は、はい!」


晴明「苦戦しておるな。」


霧月「あぁ。…ん、もうこんな時間か。おい!龍!一旦やめて飯食いに行くぞ!」


龍「あ、はい!」








秋人「ふぅー、やっぱりハードだな〜。」


颯兎「ははは、もう音をあげるのか?」


秋人「馬鹿言え!まだまだだ。」


瞳「うぅ…どうしても速さが上がらない…。」


七海「ふふふ、大丈夫ですよ。瞳さんは筋がいいので、時期に速くなります。」


瞳「え!ほんと!頑張るわっ…!」


凛「うぅ…。難し過ぎて頭がぐわんぐわんすりゅ〜…。」


緑「……でも凄い、あの短時間で半分は理解していた。……この調子で頑張れば明日には次に行ける。」


凛「うぅ…。脳みそとけちゃうぅ…。」


龍「良かったですね、霧月さん。みんなもう仲良くなってる。」


霧月「あぁ。すぐに3人の資料を取りよせて、読みあさったかいがあったものだ。」


龍「ははは、霧月さんって意外と弟子思いですよね。」


霧月「う、うるさい。それより気付いてるか、龍?」


龍「えぇ、家を出てからずっと付けられてますね。どうします?」


霧月「小道に入る。その後はお前に任せる。」


龍「わかりました。」







龍「何の用で…。ってお前まさか、くれ、紅兎か?!」


瞳「え?!紅兎って昔よく遊んだ?!」


紅兎「ははは、バレてたか。久しぶり、瞳、龍。また会えて嬉しいよ。」

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