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神速の龍  作者: 五十嵐紅兎
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第一章

龍「うぅんーー。もうこんな時間か。」


母「龍ー!おきなさーい、ご飯出来てるわよー!」


龍「おー、今行く。」



龍「あれ、母さん。姉貴は?」


母「昨日言ってたじゃない。今日は、先生との模擬戦があるから、朝早いって。」


龍「あー、そういや。」


男性アナウンサー『続いて次のニュースです。またしてもテロリスト集団Aが、爆破、殺人などのテロ活動を行いました。場所は、吉祥寺駅周辺です。繰り返します、場所は、吉祥寺駅周辺です。皆さん、常に武器をお持ちになって、自分の身を守ってください。只今、警察の方々も必死でAを追っておりますが、未だ、見つかってはおりません。』


女性アナウンサー『嫌ですね…。テロリストなんて…。平和な日本も今じゃ世界一テロがある国だなんて…。』


男性アナウンサー『そうですね…。今の日本は平和のへの字もないですもんね…。銃刀法も無くなり、武器を普通に持ち歩ける時代です…。そのせいか、犯罪も以前より増えましたもんね…。』


女性アナウンサー『はい、ほんとに毎日が怖いです…。皆さん、ほんとにお気を付けください…。それでは、続いてのニュースです。………』


龍「にしても、武器を普通に持ち歩ける時代になるとはな。」


母「しょうがないじゃない。あんな人達が、普通に出てくる世の中なんだもの。」


龍「A、か。なんであんな奴らが…。テロリストなんてよ…。あ、やべそ。ろそろ出ねーと。」


母「あれ?今日刀は持っていかないの?」


龍「あー、昨日持って帰んの面倒で学校に置いて来た。」


母「危ないじゃない。Aがそこら中にいる世の中よ?いつ襲われても良いように持ち歩きなさい。」


龍「あー、わかってるよ。気を付ける。じゃ行ってくる。」


母「はい、行ってらっしゃい。あ、そうだ。楓が弁当忘れたみたいなの。持って行って貰える?」


龍「わかった。」






龍「母さんも、心配症だよな…。まあしょうがないか、父さんがあんな死に方したんだもんな…。」


瞳「おっはよー!龍ー!」


龍「おー、瞳か。はよー。」


瞳「あれー。今日楓お姉さんわ?」


龍「先生方と朝から模擬戦だとよ。」


瞳「え?!なんでそれ教えてくんないの?!」


龍「いくら、幼馴染みつっても、別に教える事でもねーだろ。」


瞳「何言ってんの!楓さんは、うちの天城学園、通称天学のトップで、頭脳明晰、運動神経抜群の生徒会長よ?!模擬戦なんて滅多に見れないんだよ?!」


龍「うんなもん、お前が頼めばいくらでもやってくれるだろ。」


瞳「うんうんうん!!!そんな恐れ多い事出来る訳ないじゃない!」


龍「そうかー?てか別に直接見なくても後でビデオで見りゃいいだろうが。」


瞳「生で見なきゃ意味無いじゃない!ほら!早く行くよ、龍!」


龍「いや、別に俺はいいよ。姉貴の模擬戦見ても、俺には何の得もねーしな。」


瞳「あんた別に強いわけでもないんだから、少しでも見なさい!」


龍「強いわけでもないが、弱いわけでもないだろ。」


瞳「ぐっ。そ、そうだけど!そうだけど私よりは弱いじゃない!」


龍「まあなー。」


瞳「じゃあつべこべ言わず、行く!!!」


龍「え、あ、おい!瞳!やめろって!」






楓「はぁぁぁ!!!!」


先生「くっ…」


瞳「はぁ、はぁ、…良かったー、まだやってて。」


秋人「おーおー、瞳と龍じゃねーの。どうしたよそんなに息切らして。」


龍「はぁ、はぁ、…っこの馬鹿が、姉貴の模擬戦絶対見るとかいって、見る気もない試合の為にくっそ走らされたんだよ…。」


瞳「馬鹿ってなによ!教えてくれなかったあなたが悪いんじゃない!」


秋人「はははは、今日も仲がいいこって。」


瞳・龍「良くない!」


瞳「で、戦況はどうなの?」


秋人「あーやっぱ流石会長さんだぁ〜。もうこの短時間でほとんどの先生を倒してる。後残ってるのは、教師陣で1番強い服部先生だけだ。おっと、そうこうしてるうちに決着つきそうだぜ。」


楓「里見流抜刀術壱型・一閃」


服部先生「ぐあああああああああああ!!!!」


秋人「うっひょー。容赦ねー。」


龍「そりゃそうだろ。姉貴は相手が誰でも手加減しねーからな。姉貴ーー!!」


楓「龍!珍しいじゃない!あなたが私の模擬戦見に来るなんて!嬉しいわー!」


龍「瞳に無理矢理連れて来られたんだよ…。」


楓「へぇ〜。瞳ちゃんにねぇ〜。そんな言い訳しなくてもいいのに。」


龍「言い訳なんかじゃねぇ。」


楓「まあ冗談はさておき。どうしたの?」


龍「あー、母さんに頼まれて弁当渡しに来た。ほら。」


楓「ありがと!助かるわ〜。」


龍「次は忘れんなよ。もう子供じゃねーんだから。」


楓「なんか、今日はいつも以上に冷たいわね〜。なんかあったの?秋人くん。」


秋人「なんか、瞳に会長の模擬戦絶対見るんだーとか言われて走らされたらしいですよ。」


楓「あら、仲良い友達みたいでいいじゃない。」


龍「誰が仲良いだって?!!!」


楓「この距離で聞こえるなんて、地獄耳ね。なんだかちょっと怖いわ。」


秋人「ははは…ですね。ところで会長。生徒会の仕事の事なんですが、、、」


龍「なんだ、あいつ生徒会役員なのか?」


瞳「え?!半年にもなって知らなかったの?!ああみえて秋人くん、1年生で生徒会書記を務めてる、凄い頭のいい人なのよ?!」


龍「そうだったのか。まあ、興味ないが。」


瞳「ほんとにあなたって、つくづく他人に興味ないわね…。にしても、この距離で会話が聞こえるだなんて、ほんと耳だけはいいわね。」


龍「うるせぇ。」


瞳「あ、ちょっと待ってよ!どこ行くの!」


龍「教室だ。付いてくんな。」


瞳「付いてくんなって言われても、同じクラスなんだからしょうがないじゃない。」


楓「わかったわ。その仕事すぐ終わらせておくから、秋人くんは教室に行ってていいわよ。」


秋人「わかりました。よろしくお願致します。」






〇〇『わかってますか?今日、例の作戦を実行してくださいね。』


〇〇「わかってる。榊しつこいわよ。」


榊『いやはや、申し訳ない。あなたが作戦を忘れるわけもありませんよね。では、よろしくお願致します。全ては、この国の為に。』


〇〇「…全ては、この国の為に。」





服部先生「今日の授業は、戦闘訓練だ。確実ペアを作って武器を使用し、個人で戦闘開始。1時間後に1ペアずつ模擬戦を行って貰う。では、はじめ!」


秋人「ちょこまかちょこまかまどろっこしな、おい。ちょっとくらい止まってろよ!龍!」


龍「馬鹿を言うな。それじゃ意味無いだろっ!」


秋人「ふっ…。それも、そうだなっ!」



凛「瞳ちゃん。バトってる最中に余所見は…危険だよっ!」


瞳「え?うわぁぁぁあああ!!」


凛「もう、集中してよー。」


瞳「いてててー…。ごめんねー…。」


凛「まあ、あの2人の戦いはどうしても見入っちゃうよね〜。」


瞳「なんでかね。」


凛「にしても…、なんだろうこの違和感は…。」


瞳「ん?違和感?私はそんなの感じないけど?」


凛「なんか龍くん…。…いや、気の所為だったみたい!このまま2人の戦いみてみよ!」


瞳「?うん?」



秋人「これでどうよ!」


龍「くっ…。」


秋人「さあ、その結界から抜け出せるかな?」


龍「………。まいった。」


秋人「おいおい、まじかよ?!」


龍「聞こえ無かったのか、俺の負けだ。」


秋人「そうじゃなくてよ!龍!お前本気で戦ってねーだろ?!」


凛「やっぱり…。」


瞳「え…、凛。やっぱりって?」


凛「さっきの戦い見て思ったんだー。明らかに、秋人くんが優先なのに、龍くんは防戦一方なのに、龍くんか擦り傷すらしてない。それに、さっきの攻防で秋人くんは息は切れてないものの結構の体力を消費してるはず。なのに龍くんは息を切らすどころか体力が微塵も減ってないんだよ。」


瞳「そ、そう言えば。で、でもそれって体力が人並み以上にあるってだけじゃないの?」


凛「確かにそう言ってしまえばおしまい何だけど、龍くんはさっきの攻防凄い少量だけだけど秋人くんの力を、そのまま返してるんだ。相当の手練じゃなきゃそんな真似、一高校生になんて出来る技じゃないよ。」


瞳「う、うそ。」


秋人「前から思ってたんだが。龍、なんでそれほどの力を持ってるのに本気でやらないんだ。お前なら生…。」


龍「うっせーよ。秋人、お前、俺を過大評価し過ぎだ。俺にはそんな力ない。」


秋人「いや、だが…。」


龍「うっせーつってんだよ。それはいいから、ちょっと付いてこい。」


秋人「え、あ、ああ。」


瞳「どこ行くのかしら。」


凛「連れションじゃない?トイレに行って…ふふっ…ふふふ…ジュル。」


瞳「り、凛?」




龍「さて、ここら辺でいいか。」


秋人「おい龍こんなとこでなんだよ。」


龍「秋人。さっきの話しだが、確かに俺は本気じゃない。このことに気付いてるのは恐らくお前と、あの場にいた凛くらいだろ。」


秋人「おい!ってことは俺がお前に負けるから手加減したってことか?!」


龍「…結論から言えばそうだ。まあ、怒る気持ちもわかるが、待て。1度だけ、本気を見せる。秋人はこの廊下の端まで行ってくれ。俺は反対の端にいく。」


秋人「おいおい、まさか一気に距離を詰めるとか言うんじゃねよな。」


龍「そのまさかだ。秋人がそれまでに、殺れると思えば殺ってくれて構わん。」


秋人「…わかった。後悔すんなよ。」


龍「準備いいか!」


秋人「ああ!いつでもOKだ!」


龍「行くぞ。」




秋人「はっ…!おいおいまじかよ…。全く見えなかったぞ。何故その力を、使わん。」


龍「この力は高校生にしては強すぎる。この力と対等にやれるのは、俺の姉貴か、Aだけだ。高校生相手に使えば殺しかねん。それにこれはまだほんの1部と言ってもいいくらいだ。」


秋人「じゃあ、本気じゃなかったってことか?」


龍「いや本気ではあった。攻撃系統の力を本気でやるとこの校舎が壊れかねん。」


秋人「はぁ、なら仕方ねーか。龍って、一時期大会とか出てたのか?」


龍「あぁまあな。ジュニアの時には、一部の奴らに神速の龍なんて凄い厨二みたいな二つ名で呼ばれてた事もあったな。」


秋人「ははは、似合わねー。ジュニアかー、懐かしいなー。」


龍「なんだ、お前も出てたのか?」


秋人「まあ1年だけなー。そん時は世界ジュニア序列2位だったけどなー。1位の榊ってのがほんと強くてなー。全く歯が立たなかったぜ。」


龍「…っ!今なんつったっ!」


秋人「おいおい急にどうしたよ?」


龍「今榊とかなんとかつったな…。苗字は?!」


秋人「た、確か…。戦刃榊つったかな。」


龍「…っ!」


秋人「おいおいどうしたよ。その榊がどうかしたのか?」


龍「榊、そいつは、…俺の父さんの敵だっ!」


秋人「それってっ…!」


〇〇「きゃあぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!」


秋人「!今のって?!」


龍「ああ!瞳の声だ!急ごう!」


秋人「おう!」





龍「瞳!」


秋人「な、なんだよこれっ…!」


龍「…このやり方は、Aだっ!俺は瞳を見る、秋人は他の奴らを頼む!」


秋人「ああ!おい!みんな大丈夫か?!」


龍「瞳!おい瞳!起きろ!」


瞳「…ぅぅん、りゅ、う?」


龍「瞳!どんな奴にやられた?!」


瞳「こう、こうせ、いく、らいの、おと、こ、のこ…。」


龍「瞳!瞳!」


〇〇「やあ!久しぶりだね!龍くん!何年ぶりかなぁ?お!そっちにいるのは秋人くんじゃないかい?!ジュニアぶりだね!」


龍「…っ榊、てめぇ何しに来たっ!」


榊「見ての通りだよ?」


龍「ぜってぇ許さねぇ…!」


榊「あー!待って待って!君の相手は僕じゃないよ!君の相手は…新しくAの幹部になった彼女に相手してもらうよ!」


龍「…っ!なんでっ!なんで、あんたがそっちにいるんだよっ…!」


この度は数ある作品の中から、この作品を読んで下さりありがとうございます!


さあ、いよいよ始まりました神速の龍!

龍の持つ謎の力の正体は?!

クラスメイトは無事なのか?!

そしてAの新幹部の女とは一体…?!


今回は予告させていただきました!

ではまた次回お会いしましょう!

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