表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
尼子の野面皮者、伊織之介  作者: 菜尾鹿芽
1/11

由良姫様伝説

ここは、島根県隠岐の島、西ノ島町浦郷の由良湾、九月から二月にかけて何万匹のイカの大群が押し寄せた事から、イカ寄せの浜と呼ばれています。


この湾に面する由良姫神社の祭神・由良姫さまがその昔、桶に乗って日本海を渡って隠岐に向かう途中、

海中から1匹のイカが手を伸ばしお姫様の足に絡みつき悪さをしたため、

イカのボスはそのイカを処罰し、お姫さまに詫びを入れて許してもらったそうです。それ以来、毎年このイカ寄せの浜には、イカの群れが謝罪のために集まって来ると言う伝説があります。



その由良湾の防波堤に小学生の二人の女の子が座り楽しそうに、なにやら話しをしています、


夕方の湾の波は穏やかで、たまに波がチャプチャブ音をたてるのが、余計、会話をはずませているようでした、


この子達の名前は真衣と美羽

いつも学校帰りにこの防波堤に座り、

学校であったこと、テレビのことなど、おしゃべりする普通の小学生二人でした、


三日前が真衣の誕生日で親からの

プレゼントで腕時計の黒いベィビーGを

貰ったのを自慢し、美羽が羨ましそうに眺めていました、

「真衣ちゃん、ちょっと美羽がはめてみてもいい?」

「いいよ!」

デジタル表示が少女の鼓動のように

踊っているのが、興味深かったようです、

真衣が美羽に渡そうとした、瞬間、真衣の小さい手から、時計がこぼれ落ち

海深くゆらゆら沈んでしまいました、

二人はわんわん声をあげて泣きじゃくり、しばらくその海面を見つづけるしかありませんでした、


防波堤の波が小さく波打っていたのは、二人の涙のしずくのせいだったかもしれません、


今の真衣には数年後に時空を旅した、

その時計にまた巡り合えるとは知る由もありませんでした、


この由良湾、数100メートル沖の海底50メートルに小さな(50センチ位の)洞窟があります、

そこは海中生物しか知らない不思議な抜け穴で、その洞窟を抜けると、なんと約400年前の同じ場所へ行けるのです、

今の言葉でタイムトンネルだった訳です、


よく大漁の年、不漁の年と言います、各生き物は天敵を避けるため、この洞窟を利用していたのではと考えます、


ただ海中生物にとって時空の旅という

ファンタジー的なものでなく、

自分の生命を守るための本能で利用していただけと思われます。


そこへ、長さ1メートル体重20キロの

ベニイカ(一般的にはソデイカ)が相方を探してか?

(ベニイカはつがいで行動すると言われてます。)


洞窟を抜け約400年前の山陰沖に出てきました、腹の中には先ほどの、小アジと一緒に吸い込んだ、真衣のベィビーGとともに、、、






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ