表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/14

第11話「ポンの寝心地」

「これ、レッド」

「ふにゃ……コンねぇ~」

「何故ポンだと眠れるのじゃ」

「ちょうどよいゆえ」

「?」


 ふむ、今回もわらわのターン。

 今日はリビングでゴロゴロなのじゃ。

 なに、ミコから洗濯物をたたむように言われておるのじゃ。

 しかしの……

 取り込んだばかりの洗濯物、フカフカで気持ち良いのじゃ。

 わらわ、さっきから洗濯物に埋もれてぬくぬくなのじゃ。

 そしてウトウトしておったのじゃが……

 むう、何か物足りんのう。

 リビングで、テレビを眺めながら、フカフカに埋もれる……

 ウトウトしてはおるが、こう、最後に何かあればのう。

 ともかく何か物足りんのじゃ。

 うむ、足音が近付いて来るのじゃ。

 ミコかの?

 グダグダしていると怒られるのう。

 しかし、洗濯物が悪いのじゃ、フカフカなのが悪いのじゃ。

「コンちゃん、ポンちゃんが怒っているでありますよ」

「およ、シロではないかの」

「コンちゃん、ポンちゃんが怒っているでありますよ、店に出ないでいいでありますか?」

「わらわ、ミコに洗濯物をたたむように言われておるのじゃ」

「……」

「たたむように……」

「たたんでいないでありますよね、まみれているだけであります」

「洗濯物が悪いのじゃ、ぬくぬくなのが悪いのじゃ」

「コンちゃん、いつもダメダメでありますね」

「わらわ、女キツネゆえ、きまぐれなのじゃ」

「しょうがないでありますね、本官が店を手伝うであります」

「うむ、シロよ、よきにはからえ」

「よきにはからえではないであります」

 ふふ、シロめ、怒っておる。

 しかしシロも店員気にいっておるであろう。

 メイド服を着ると嬉しそうにしておるのじゃ。

 シロは行ってしまったの。

 では、わらわもおやすみするとするかの。

 しかしこう、何故か物足りぬのじゃ。


「これ、レッド」

「ふにゃ……コンねぇ~」

「何故ポンだと眠れるのじゃ」

「ちょうどよいゆえ」

「?」

「どらやききゅー、ちょうどよいゆえ」


 レッドが言っておったのう。

 ポン……は、今、店に出ておるのじゃ。

 誰か添い寝によい者はおらんかの。

「!」

 そうじゃ、さっき目の前を通ったではないか。

「それ、シロを召喚じゃ!」

 わらわが指を弾けば、あっという間にシロが登場なのじゃ。

「うわ、何事でありますか!」

 シロ、パンツ&ブラなのじゃ。

 わらわを見て、

「コンちゃん、召喚しないで欲しいであります」

「おぬし、なにを脱いでおるのじゃ」

「着替えていたでありますよ」

「おお、そうじゃったの、おぬしは警察の犬ゆえ、コスチューム・チェンジ出来んのう」

「コンちゃんとミコちゃん限定であります、コスチューム・チェンジ」

「わらわとミコは神ゆえのう」

 わらわ、シロを手招き。

「何でありますか?」

「いいから、こっちに来るのじゃ」

 近寄って来たシロの手を捕まえて、洗濯物の中に引きずり込むのじゃ。

 それ、シロを「ギュッ」とするぞ。

「うわ、何をするであります」

「よいから、今からおぬしはわらわの抱き枕なのじゃ」

「き、気持ち悪いでありますよ」

「うるさい雌犬じゃ、黙ってわらわに抱かれるのじゃ」

「……」

 ギュー!

 ふむ、シロ、よい体をしておるの。

 こやつの胸もなかなかのボリュームじゃ。

 洗濯物のぬくぬくもよいが、人肌もよいのう。

 ギュー!

「コンちゃんは……」

「何かの?」

「マシでありますね」

「?」

「本官、毎晩たまおちゃんと寝ているであります」

「!」

「たまおちゃんは毎晩まいばん、本官の体をまさぐるであります」

「そ、そうかの、大変じゃの」

「それに比べれば、抱きつくだけであります」

「わらわ、別に百合ではないのでの」

「まぁ、添い寝でよければ、付き合うであります」

 って、シロ、さっさと寝てしまうのじゃ。

 わらわもこやつを抱き枕にして……

 うむむ、しかし、何か違うのう。


 夜が来たのじゃ。

 ゴハンも食べて、風呂にも入って、テレビも見て、そろそろお休みなのじゃ。


「これ、レッド」

「ふにゃ……コンねぇ~」

「何故ポンだと眠れるのじゃ」

「ちょうどよいゆえ」

「?」

「どらやききゅー、ちょうどよいゆえ」


 レッドは言っておったのう。

 しかしの、シロと一緒にお昼寝したのじゃ。

 シロのナイスバディはフカフカだったのじゃ。

 しかしレッドの言葉、気になるのう。

 おお、ポンの足音が近付いてきたのじゃ。

「おお、ポン、待っておったのじゃ」

「コンちゃん、どうかしたの?」

「早うこっちに来るのじゃ」

「そりゃ、そっちに行くよ、お布団一緒だもん」

「早く入るのじゃ」

「ってか、ちょっと寄ってくださいよ~」

「早く! 早く!」

「今日のコンちゃん、なんか変だよ~」

 ギュー!

「ふわわ、どうしたんですか、甘えん坊さん」

 ギュー!

「もう、しょうがないですね、コンちゃんは」

 わらわ、気付いてしまったのじゃ!

 この、未発達な残念な体。

 抱き枕には最高なのじゃ。

 シロの豊満ボディも確かに良かったが……

 ポンのこの「どらやき級」本当に良いのじゃ。

 今まで毎晩一緒ゆえ、当たり前になっておった。

 わらわが安眠できるのは、こやつの体のおかげだったのじゃ!



 朝じゃ、まだウダウダしていたいのう。

 これ、ポンよ、動くでない。

 わらわはまだグダグダするのじゃ。

「コンちゃん放して~」

「動くでない、おぬしは抱き枕なのじゃ」

「朝のお勤めがあるのー!」

 ギュー!

 なんじゃこのちょうどよいフニフニ感。

 ふむ、今までわらわが安眠出来たのは、この体のせいじゃったのじゃ!

 シロのフカフカもよい……

 しかしポンもフニフニ感の方が断然よいのじゃ。

「コンちゃん放して~」

「わらわ、気付いたのじゃ」

「なんに気付いたんですか?」

「ポンがわらわをグダグダにしておるのじゃ!」

「え? わたし? なんで!」

「おぬしのこのどらやき級の体が、安眠を誘うのじゃ! グダグダを誘うのじゃ!」

 ドクン!

 ポンの心臓、一度大きく鼓動したように聞こえたのう。

「コンちゃん……」

「ふふ、フニフニなのじゃ~」

「死ねっ!」

 おお、ポンから抱きしめてきたのじゃ。

 って……

 ちょっ……

「ちょっと待つのじゃっ!」

「死ねー!」

「い、痛いのじゃ、力加減ないのじゃ!」

「死ねー!」

 ああ、気が遠くなる……

 ポンのフニフニボディのせいなのじゃ……

「ああ、どらやき級、最高……」

「死ねーーーっ!!」


 ふわわ!

「コンと村おこし」なんですが、オマケの「plus」なのでわたしが主人公!

 今日もお仕事終わって、あとは寝るだけなの。

 って、お布団のところに行ってみると……

「これ、ポン、待っておったのじゃ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ