おっさん異世界に生を受ける
ドクン…ドクン…ドクン…
意識はある。
記憶もある。
てかヴェルド様って女神様だったのか…
というよりこの状況なんか変な感じだ。
何も見えないし窮屈だ。
なんだなんだ?
何で考えていたら急に周りが明るくなったぞ。
ん?だれだこの人?
じっと見ていたら
ピシャリ!
い、いきなり叩きやがった。
やべぇ。俺おっさんなのに!おっさんなのに!
泣きたくなってきた。
「「おぎゃぁ おぎゃぁ おぎゃぁ」」
「お喜び下さい旦那様、奥様。元気な男の子です。」
ってん?おぎゃぁ?え?まさか!
俺赤ん坊になってんじゃん!!
言葉わかるし…これが言語変換か…
でもさすがにすぐには喋れないみたいだ。
「お〜っ!我が子であるか!(ちょっ!?髭、髭!)」
これが親父か…わりと偉い人っぽいなぁ
なかなかのイケメンだ
「あなた、私にも抱かせて下さいな」
「お〜すまぬ。さぁ抱いてやってくれ。本当にご苦労だったなエリー」
う、うぉぉお!これが母ちゃん?
めちゃくちゃ美人!てか女神!え?まじ?
いちゃこくなコラ!
泣くぞ!泣いちゃうぞ!おっさんだけど!
「無事生まれてくれてありがとう。貴方の名前はアレックスよ。」
凄く可愛い笑顔でそう告げられた。
どうやら俺の名前はアレックスに決まった様だ。
「旦那様、奥様、玉師をお呼びしても宜しいでしょうか?」
「うむ。入って頂く様に。」
ん?玉師って?と考えてると神官服のような格好の老人が入ってきた。
杖に玉の様な物が付いているがそれが何か関係あるんだろうか?
「子爵、奥様、この度はおめでとうございます。お〜これは、これは可愛い子供じゃ。早速ですが始めさせて頂いて宜しいでしょうか?」
………?
今、子爵って言わなかったか?
え〜〜〜っ!?
て事は俺も貴族になるって事?
偉い人っぽいとは思っていたが貴族とは思わなかった。
「うむ。宜しく頼む。」
「では、始めます。」
玉師が杖を俺に翳すとポゥッと身体が光る
この世界には魔法があるって言ってたけど、これも魔法なのか?
「お〜っ!こ、これは凄い!御子息は女神様の加護を受けておいでですじゃ!稀代の英雄となるやもしれませぬ!お〜っ!し、しかも剣術に槍術、弓術まで!?なっ!全属性持ちですとっ?え〜っ??」
両親も玉師もアホな子の様に口をあんぐり開けて驚いている。
元が美形なだけに何だか凄くシュールだ。
とにかく俺はこうして二度目の生を受けた。
次回は少し飛びます。