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俺にしかない力…は無いし俺にしかない才能…も無いけどどうやら防具屋に認められたみたいです…

ライリーさんに「特別な才能なし!!」と断言されてからは完全にやる気をなくし、頑張る気力すらもなくし、存在意義でさえもなくした気持ちになった。それで動きは悪くなるしライリーさんには怒られるし…もう最悪だ…


「おいノア!!何やってんだ!!グダグダしてないで練習しろや!!」


「…はーい。すみませーん。」


「あー!!もうなんだよその気だるそうな態度は!!ムカつくから気分転換に行くぞ!!」


気分転換?どこに行くつもりなんだろ?ただ単に散歩か?それともモンスター倒すとか?モンスターはやだな…何も学んでないんだし。とりあえず聞いてみるか。


「あのーライリーさん?一体どこに行くつもりなのですか?」


「知り合いの店だよ。ひいきにしてる店なんだよ。」


ひいきにしてる店?どんな店なんだろ。


「さ、着いたぞ。」


「綺麗なお店ですね…」


本当に綺麗な店だ。レンガ造りの店なんだけど他のいえと比べると塗装の塗り方が綺麗すぎる。窓の配置もすごく上手い。


「…あの、ここはなんのお店なんですか?」


「ん?言ってなかったか。防具屋だよ。私の防具を新調するのとノアの防具を揃えるんだよ。さ、入るぞ。」


オシャレな扉を開く。カランコロンとベルの音。


「いらっしゃいませ〜。あ〜ライリーさん!!いつもありがとうございます〜。あれ?その男の人は誰ですか〜?新しい弟子ですか〜?」


「あぁ。そうだ。紹介するよ。こいつはノア・フォスター。新弟子だな。」


「よっ、よろしくお願いします。」


焦ったー…突然紹介された。勢いで挨拶したけど、これで合ってるよな?


「ノア。この金髪はリリー・シャロン。私の後輩だな。」


「リリー・シャロンです〜。リリーは純潔を意味する名前です〜。どうぞよろしく〜。」


随分おっとりとした人だな。可愛いから全然問題ないけど。


「ライリーさ〜ん。今日は何をなされるんですか〜?」


「ノアの防具を揃えるのと私の防具を新調したいんだ。」


「了解しました〜。ライリーさんは見た目的に一か月前と変わってないので採寸は必要ないですかね〜。ノアくんは絶対に必要だね〜。採寸室に来て〜。ライリーさんは防具カタログを見て欲しい防具を決めててね〜。」


「採寸…するんですか?もう店頭にあるやつじゃダメなんですか?」


「ダメだよ〜!!あれは女性用のやつなんだから〜男性はあまり来ないから店頭に置かないんだよ〜」


「男性…来ないんですか?」


「一か月に三人くらいしかこないよ〜?店主が女だしね〜。やっぱり恥ずかしくなっちゃうんだろうね〜。じゃあ胸囲測るよ〜。服脱いでね〜。」


うわ〜。綺麗な女の人に採寸してもらえるなんて!!あっちの世界ではおじさんかおばさんにしか測られなかったからなー…嬉しい!!


「あ、そういえば身長と体重測ってないよね〜?記憶喪失ならどっちも把握してないでしょ〜?後で測ろうね〜」


身長と体重かー。あんまり測ってないなー。今どんぐらいなんだっけ。


「よし。胸囲96.4っと。身長180センチちょいだから割と細マッチョ体型だよね〜。次はウエストかな。」


ウエストを測られる。なんとなく緊張する。気のせいかもしれないけどふわーっとリリーさんの息がかかる。優しさに溢れているような感じがする。緊張が増していく。


「ふんふん。75.4センチか〜。次はヒップだね〜…っ!!」


「…どうしたんですか?何かおかしなことでもありましたか?」


「…凄いです!!凄いですよ〜!!ノアくん!!あなた、他の人に比べて全然凄いです!!」


…!!まさか、ここに来て気づいちゃったんですか!?俺のチート能力に!?ライリーさんですら気づかなかった俺の特別すぎるチート能力に!?いやー、さすがリリーさんだなー。可愛いだけじゃなくて素質に気づけるんだから素晴らしいなー!!


「何が凄いんですか!?なにか特別なことでも!?」


「あのですね!!ノアくん!!」


きたきたキター!!さ、教えてくださいよ俺の力!!


「ノアくん、指が本当に綺麗なんですよ!!」


うんうんとっても指が綺麗!!いやーそんな力が…指?綺麗?能力は?あれ?また思い上がり?


「いや〜、ノアくん、ほんっと〜に指が綺麗なんですよ。細長くて色白で…何も悪い点がない!!爪もいい長さですし、何より守ってくれそうな大きさ!!綺麗すぎますよ〜!!」


え?なに?身体美学かなんかの専門家なんですか?リリーさんは。あれ?おっかしいなぁ…能力の話のはずなんだけどなぁ…


「はい、それでは、採寸を続けさせてもらいますね!!」


こうして、またも俺の望みは打ち砕かれるのだった。

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