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死亡。転生。チート!?それが相場じゃないですか!!

俺はモテない。特別な才能もない。努力なんかしてこなかった。何もしなくても十分生活出来たからだ。でも、俺はこんな生活に飽き飽きしていた。あまりにも何もしていない。高校に入ってからは尚更だ。友達もリア友が少ないし、つまらないとしか言い様がない。自殺してしまおうかな、とも考えたけど自殺なんかで人生と金を無駄にしたくないのでやめた。親にこれ以上迷惑をかけたくないしな。今日から気持ちを入れ替えてバイトでもすることにしよう。そうすればなんかしら努力したことになるだろ。コンビニでのバイトかな。コンビニ行こ。


はぁ。でもやっぱりヤダな。今までなんもしてこなかったのに急に働くなんて。ん?コンビニがなんか騒がしい?


「金を出せ!!さもなければ全員殺す!!結局金は奪われるんだ!!命が惜しけりゃ金をさっさと出すんだな!!」


あの男、拳銃持ってんじゃねーか!!とりあえず警察に…って、おいおい銃口こっちに向けんなふざけんな!!


「言っておくけどなぁ!!これは実弾なんだよ!!」


バンッ。銃口を通過した弾が見事に俺の胸元に命中。こうして、俺の人生は幕を閉じたのであった。


「ねー、君。」


ん、なんだ?俺は死んだんじゃないのか?何故か聞こえる女の声。


「君さー。何となく発砲されて死ぬとかカワイソーだから転生させてあげるわー。」


「…てん、せい?ていうかあんた誰?」


「神様だよ。私は。転生って言うのは…まあ説明めんどいから自分で経験して。そんじゃばいばーい」



「んっ、ん?」


なんだここ。あ、転生したのか。俺。転生って、あのラノベとかでよくあるあれだよな?じゃあ俺は何かしらのチート能力やハーレムなんかを形成できる!?よっしゃー!!


「ようやく起きやがったか。テメー。」


女の人の声?この人が俺のハーレムの一人になんのか?ムフフフ…


「なんでテメー起きた瞬間からニヤけてんだよ。気持ちわりーな。名前くらい名乗れや」


「…えっと、すみません。名前は特にないんです。」


人生をやり直すチャンスで前の名前を名乗るわけなかろう!!この人に名前を決めてもらうしかない!!


「あぁ?名前がねーだと?んな事あんのかよ。ま、森に倒れてたくらいだからありえんのか。」


へー、森に倒れてたんだ、俺。とりあえず名前決めてもらうか。


「あの…テメーとかじゃなくてちゃんとした名前、決めて貰えませんか?なんでもいいんで。」


「なんでもいいのか?なんでもいいんだな?」


女の人がにやけながら聞く。


「え、ええ。よっぽど酷いものじゃなければ。」


「じゃあ容疑者Aで。」


うんうん。ヨウギシャエー…容疑者A!?


「ちょっと待ってくださいよ!容疑者Aってなんですか!!」


「不満か?」


「不満ですよ!!逆にこれで満足する人なんているんですか!?」


「やっぱり不満か。じゃあ普通の名前にしようか。」


「やっぱり普通じゃない名前なんですね…」


「じゃあノアにしようか。お前なんだかんだ言っていいやつそうだし。苗字はフォスターでいいよな。お前養子みたいな状態だし。」


「ノア・フォスターですか。ところであなたの名前は?」


「私か?私はライリー・ガルシア。ライリーは勇敢な人って意味だ。」


「へぇー。そうなんですか。本当に勇敢そう。」


「だろだろ?実際めんどくさいモンスターいっぱい倒してるんだよ!!」


本当に勇敢な人だ。多分。


「あ、ノア。ここ周辺はモンスター討伐者率が全国一だ。お前も相対的に討伐者にならなくちゃいけない。早ければ今日から討伐の練習をしたい。立ってみてくれ。」


ベットからおり、ゆっくりと立った。


「痛むところとかはないか?なかったら歩いて確認だな。」


周りを軽く歩く。どこも痛まない。


「痛くないです。どこも。」


「じゃあ今日から討伐練習しような。」


ふふん。ついに俺のチート能力が分かるぜ。


「庭に出ようか。ノア、着いてこい。」


部屋から出て、廊下を進み、庭へ向かう。


「ていうかライリーさん。なぜ僕は起きた瞬間から討伐者になるための練習をするのですか?」


「あぁ。他の奴にも聞いたらこの男はお前が育成しろって言われたからだな。特に痛いところもないんだろ?問題なしだよ。」


そう自信満々な顔で言う。まあ俺のチート能力の発見が早くなるからいいんだけど。さあ、俺の力は?なになに?早く知りてー!!


「よし、着いたな。早速お前の力を試そうか。好きな武器をこの四つから選べ。」


剣、弓、斧、釘バット…なんで釘バットがあるんだ!?中世ヨーロッパみたいな所なんだぞ…?弓は扱い難しそうだから斧か剣だな。


「斧か剣だったらどっちがおすすめですかね?」


「んー?持って確かめてみろよ。『これ自分に合ってるな』って直感で分かるから。」


「そんなもんなんですか?」


剣と斧を持つ。まずは右にあるからなんとなく斧で。

って、重っ!!重すぎだろ…俺の体じゃ保持できなさそうだな…じゃあ剣行こうかな。あ、持ちやすい。やっぱ剣だな。


「剣にしようかなと思います。」


「ノアの体にならそれが一番だろうな。お前に近い体で斧使ってるやついないし。」


「この剣は支給品なんですか?」


「まあ討伐が初めてのお前にはピッタリな武器だからな。支給品で正解だな。」


しばらくはこいつが相棒か。よろしく、相棒。


「じゃあ第一訓練だな。あの的の赤いところに剣を当ててみろ。木に切れ込みを入れても構わん。躊躇するなよ。」


そこには細長い木製の色つき的があった。


「カウントダウン始めるぞ!!私がゼロって言ったら攻撃開始だからな!!これはこの先の戦い方を決める大事な訓練だからな!!こういうカウントダウンも大事なんだぞ!!」


なるほど。変な戦い方と決めつけられても困るし、とりあえずカウントダウンに従うか。


「5!!4!!3!!2!!1!!」


良し、来い!


「ゼロ!!」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


『ドンッ』


よし、当たった!!当たることがこんなに嬉しいんだなっ!!


「どうですか!?」


これで俺の力が分かるか?いくらなんでも早すぎるかww


「うん!!割と素質あるな!!これなら討伐成功率も高くなりそうだな!!」


やったぁぁぁ!!とりあえず素質あるって言って貰えたぁぁぁ!!いきなり突っ込んじゃうか!!俺のチート能力について!!


「ライリーさん!!俺に何か特殊能力的なものってありますか!?」


ライリーさん考えてるな…さてさて、俺のチートは?モテモテになる確率は!?


「うーん…特にないな!!素質はあるけども!!特殊な才能は特にない!!これから身につくかもしれんから努力するんだな!!努力すればするほど才能は身につくぞ!!頑張れ!!」


え?あれ?チート能力は?こういうのってチート能力くれるんじゃないの?マジで何も無いのか!?「最初から最強!!」「うわぁー!!ノアさん強くてかっこいい!!彼女になってー!!」みたいな展開は!?元の世界に戻れないのか!?さすがに無理か!!アッハッハッハッハッ…はぁ…こうして、俺のチートかつハーレムな異世界物語は、平凡かつ非モテな討伐物語に成り下がるのだった…

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