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出逢い

 自分の周りだけ花の枯れた花畑に涙するバスター。

 それに言葉の出ないクロ。


「キャーーーー!!」


 突然の悲鳴は空の上から降ってきた!


 二人が空を見上げると、眩しく光るものが凄いスピードでこちらに落ちてきた。


 光はバスターから少し離れた所に墜落した。

 その衝撃で穴が開き周囲には粉塵が立ち込めた。


 穴の中からバスターと同じくらいの子がぴょんと飛び出した。

「いくら平気だからって毎回こんな落ち方じゃダメなのよね〜」

 体に付いた土を払いながら呟いたその子は、キョトンと眺めるバスターに気付いた

「あ、ごめ〜ん!大丈夫だった〜?びっくりしたよね〜いつもこんななの〜」

「そっちのネコちゃんも大丈夫〜?」

「二人ともこの辺の人じゃないよね〜?珍しい格好してるね〜」

「あ、ごめ〜ん、私ばっかり喋っちゃって、いつも話を聞けって怒られるんだよね〜」

 クロ「全くだな」

「え!?その猫ちゃん話せるの!?すご〜い!!」

 その子の勢いに戸惑う二人

「私はルーシーあなたは?」

「バスター」

「そっちのネコちゃんは?」

「クロ」

 ルーシー「へ〜!バスターとクロねよろしくね」


 ルーシーと名乗るその子は背中と頭に翼がはえていて、笑顔が可愛らしかった。

 頭の上に光輪があり、その中心に機械仕掛けの煙突のようなものが浮いていた。


 ルーシー「実はこの辺に良くないものがあるから、見てこいって言われてきたんだ〜」

 バスターとクロは顔を見合わせた(私たちのことだ)

 キョロキョロするルーシー

 ルーシー「バスターの近く、花が枯れてるね動物達も弱ってる・・・」

 バスター「こ、これは...」

 言葉に詰まる

 ルーシー「私も穴、あけちゃったしな〜」

 ルーシー「ちょっと眩しいから目を瞑ってて」

 そう言うとルーシーは目を閉じ、両手を広げた、体が少し宙に浮かんだ瞬間!

 まばゆい光が辺りを包む。

 バスター「眩しい!」


 ルーシー「もう大丈夫だよ〜」

 バスターが目を開けると、墜落で開いた穴が塞がり、枯れた花が元の息吹を取り戻し、動物達が森へ駆けて行った。


 クロ「何が起きたんだ!?」


 ルーシー「私ね、皆んなを元気にする力があるの」


 バスターもクロもこの星に来てから驚く事ばかり


 ルーシー「ねえ、落ちてくる途中綺麗な湖があったの!一緒に行ってみようよ!」


 ルーシーはバスターの手を握った。

 咄嗟に払うバスター


 ルーシー「どうしたの?」

 バスター「私の手は握らない方がいいの」

 ルーシー「いいから、行こうよ!」

 ルーシーはバスターの手をぐっと握り走り出した。


 バスターの手を握るのは自殺行為、どんな屈強な戦士も気を失う、下手すれば命すら落としかねない。

 しかし、ルーシーは平気だった。


 近寄るクロ(おい、バスター、吸ってないのか?)

 バスター(吸ってる...凄く吸ってるのが分かる...でも何で)

 クロ「ルーシー、何ともないか?」

 ルーシー「何が?」

 バスター「私の手を握ると皆んな元気がなくなるの」

 ルーシー「へ〜そうなんだ、ちょっとスッキリしてる程度かな〜」


 森を抜けた先には大きな湖があった。

 輝く水面は遠くの山を映し、涼しいかぜが吹き抜ける、鳥の囀りだけが耳を潤す。

 三人は腰を下ろし、自然の中に溶け込んでいった。


 それから数日3人はその森で過ごしていた。

 ルーシーと手を繋いでいる間は他のエネルギーを吸う事が出来なかった。

 手の甲でなら生き物に触れる事も出来た。バスターには始めての経験だった、花も虫も動物も、自分が触れても平気、他の人間には当たり前の事が自分にも出来た。

 一つ一つの些細な事に感動するバスターにルーシーも嬉しかった。


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