自分を捜す
一郎は小屋へと戻り、じーさんに正直に話をした……
「なる程、つまり一郎がもう1人居るかもしれないのじゃな」
「ああ、若しくは誰かが俺になっているか……」
一郎は森で見つけたかつての自分の特徴をじーさんに伝えた。
「さて、また散歩でもしてくるよ」
そう告げると、一郎はこの世界に着いたとき最初に居た森へと出かけていった。
「久しぶりに来たな……」
一郎は、僅かな記憶を便りに森の奥へと入っていく。
「……あった!」
最初に居た泉は、目の前で静かな水を讃えていた。
一郎は辺りの茂みを探索し、何かを探し始めた。
「……金髪のパンツは居ませんか!!」
すると、茂みの奥からひょっこりと金髪のイケメン風な男が現れた。
「誰ですか?私を変な名前で呼ぶ人は……」
茂みから現れた金髪は、今回はきちんと服を着ていた。
「やっと見つけた!聞きたいことがあるんだけど……いいかな?」
一郎は金髪の都合もお構いなしに質問をする。
「転生前の俺が居たんだけど、アレは誰だ?」
一郎の顔が強張る。
金髪は少し考えた後、言葉を選びながら話し始めた。
「貴方が望んで猫に転生した様に、望んで人間に転生した方がいます」
「……何故俺の姿なんだ?」
「…………たまたま同時に死んだ2人がお互いを望んでいたので、交換したんですよ」
一郎の理解が追い付くまでに少し間があったが、ハッとした表情で事に気が付いた。
「つまりアレはミケか!!」
「……ええ。知性は猫のままですが」
「元に戻せ!!あのままじゃミケが可哀相だ!」
「ほう、そう言ってたんですか?」
「ぐ……!」
一郎は言葉に詰まった。
「私は自分の仕事をしたまでです。今更文句を言われる筋合いはありません」
「ミケは原始的な生活を送っていた!せめて知性を与えてやってくれ!」
「……ま、その程度なら良いでしょう。ココへ連れてきて下さいな。そしたら考えましょう」
「本当だな!約束だぞ!?」
「はいはい……」
金髪は再び茂みの奥へと消えていった……。
「よし、まずはミケを捕まえないと……」
決意を新たに一郎は小屋へと戻っていった。




