留守番 ②
おままごとも一段落し、お昼ご飯にするミーアと一郎。
じーさんが作り置きしてくれた、サンドイッチを2人で頬張る。
昼寝をし、夜は星空を眺めながら楽しく談笑した。
夜ご飯を軽く済ませ、2人でベッドに寝る。
実に楽しい一日だった。
ミーアが熱を出した。
終始苦しそうで顔が赤い。とても酷くうなされている。
ハンカチを濡らし、ミーアの口元へ運ぶ一郎。
「水分を少しでも取らないと!!」
そのままハンカチをおでこに当てる。
「じーさんが帰るまで俺が看病しないと……」
肉球を見つめ、自分に何が出来るのか考えた。
① じーさんを呼びに行く。
→駄目だ!居場所が分からない……。
② じーさんの帰りを待つ。
→早くても今日の夜か、明日の朝か……?
…
……
「くそぉ!ネットが無いと子どもの看病も出来ないのか俺は!!」
己の無力さに苛立ちを隠せない一郎。
思い出したかの様に、キッチンの引き出しを開け黄色の花の根の在庫を確認。
「うわ、殆ど無い…」
僅かに残った木の根を水に溶かし、ミーアの口に少しずつ少しずつ入れていく。
「もう根が無い…。取りに行かないと!」
一郎は玄関扉のわきにある、一郎専用の小さな両開きの扉から外へ出た。
「目標は一刻の丘を越えて、山にある黄色の花の根!!」
全速力で山へ向かい走る一郎。その足に迷いは無い。
!!
急に止まる一郎。
「そうだ!!じーさんは馬車で行ったんだ!」
踵を返し、反対方向へ走る一郎。
家を過ぎ、走ること1時間半。休み休み走ったが、一郎の体力は既に限界だった。
「やっ…と、着い…たぜ」
一郎の目の前には街へ行くときに来た馬小屋があった。
「だれか!!誰か居ませんか!!」
懸命に叫ぶ一郎。
「ね、猫が喋ってる!?」
偶然通りかかった青年が驚く。
「あ、あの時の!!
この前ダーモンドさんと一緒に居た猫です!!
ミーアが! ミーアが大変なんです!!」
固まる青年。しかし彼はいきなり喋る猫を目の前にしても取り乱すことは無かった。
「ダーさんの所の猫なら喋っても驚くことはあるまい」
素直に猫の言うことを信じる青年。
いや、じーさんの事を信じてる。と言った方が正しいが……。
「早く!医者を呼んでくれ!!
ミーアが熱を!!」
症状を説明する一郎。
「おーい、遊びに来たぞ~」
突然眼鏡のオッサンがふらっと入ってきた。
足下がふらついており、顔が少し赤い。
「あ!先生!!良いところに!」
青年がオッサンに駆け寄る。
「ダーさんの所の孫娘が熱を出して動けないから、診てくれ!」
と、馬車へオッサンを押し込む青年。
「おいおい、俺は動物専門だってば……。
分かった分かった!!とりあえず診るから!」
一郎も馬車へ乗り、青年は全速力で馬車をミーアが居る小屋へと進めた……。
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