仲良くなれるかな?
リリを連れて、店に向かう。
カランカラン♪
小気味よい来店ベルを鳴らして店に入る。
朱音さんは、どうやらまだ奥で仕込みをしているようだ…
僕は邪魔にならないよう、リリを他の猫たちに会わせてあげる。
にゃん? にゃにゃ! にゃお!
うーん…? 仲良くなれてるのかな?
ためしに持ってきたボールを投げ入れてみる。
ぽーん ぽん ぽん
ボールが跳ねるたび猫たちが動く。右へ左へ、北へ南へ。
リリも、一緒になって追いかけてる。猫見知りせず仲良くなれたみたいだ。良かったぁ。
そうして遊んでいると、朱音さんがホールに来ていたようで、話しかけてきた。
「けーくんが拾った猫はその子なの?可愛いじゃない。多分アメショね。」
「アメショなんですか?なら虎子とも仲良くなれますかね?」
「きっと仲良くなれるわよ。それにその子、猫にしては珍しく人見知りしないみたいだし。ねね、名前は何て言うの?」
「凛々しい雰囲気なので、『リリ』にしました!元の名前で呼んであげられないのはかわいそうですが、とても喜んでくれたと思います。」
「そうね、とても良い名前だわ。しっかり可愛がってあげるのよ?」
「ええ、すこし不安ですけど、がんばります!」