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走り始めたトロピカル・ロード
沙良、バツ悪気に、小さく、両手を、合わせて、ゴメンと、唇で、象って見せた。
良いのよと、蒼子は、青ざめた表情で、返事を返した。
「蒼子、今晩、飲みに行こうよ。皆さん、三十分、休憩しましょう」
沙良は、蒼子に、そう声を掛けると、撮影スタッフ全員に、指示を出した。
「あいつ、絶対に、女がいるわ」
蒼子は、沙良に、打ち明けた。
裕徳は、確かに、女癖が、悪かった。言葉巧みに、女の子の女優達を拐かし、マスコミに、情報が、流れ込まないように、精密な企みのもと、弄んでいた。
「今度は、本気なんでしょ、彼?」
蒼子の顔を覗き込み、核心したように、沙良は、蒼子に向けて、問い掛けていた。




