大事な気持ち
初めて書いた小説、そのうえ初投稿です。変な文かも知れませんがよろしくお願いします。
私の目の前で彼が笑っている。無邪気で少年のような笑顔を浮かべて・・・。
私は、彼の言ってくれた言葉は必ず信じる、どんなことだろうと必ず信じる。
なぜなら、あの日私は決心したから・・・。
あの日、私は病院の屋上にいた。
彼の乗った車が事故を起こした。
医者からは「覚悟を決めていた方がいい。」と言われた。
私と彼は、中学生からの付き合いで二人とも親がいなかったからかどうかとても気が会った。
高校も同じ学校に行った。
そして、いつも一緒にいて一緒に泣いたり笑ったりした。
その彼が死んでしまう・・・。
私の心は絶望に包まれていた。
もうだめだ、耐えられない・・・。
「先に行ってるね・・・。」
そうつぶやくと私は、フェンスを乗り越え虚空に足を踏み出そうとした。
「良子何してるの!」
その言葉に私は、振り向く。
そこには幼馴染の咲の顔があった。
「何やってるの!早くこっちに戻ってきて!」
「だってもう、涼は死んじゃうんだよ。」
「だからってそんな事していいと思ってるの?」
「一人でいるのは、絶えられない・・・。」
「一度に友だちを二人も失ったら私どうしたらいいの?」
咲の頬をなみだが伝う。
「それに・・・。」
咲は顔を上げて叫んだ。
「あんたがやろうとしている事は、涼の気持ちを裏切る事なんじゃないの?」
その言葉にハッとした。
高校生になってすぐ、私と涼は別々のクラスになった。
なかなか、友だちが出来なくて悩んでいた私に涼は、
「困ったときは俺が、いつもそばにいてやるよ。」といってくれた。
そして、涼はその言葉を守ってくれた。
「あなたをおいて涼は死んだりしないわよ!」
涼はいつも約束を守ってくれた・・・。だから今度も必ず・・・。
「咲さん!良子さん!」
看護師さんが走ってきた。
「涼さんの意識が戻りました!」
その言葉に私は誰よりも早く病室に行った。
「涼!」
「よお。」
そう言って涼は笑った。
とたんに目が熱くなって涙が流れた。
医者と咲は気を利かしたのか出て行った。
「医者が言ってたよ、奇跡的だってな。」
「なんで・・・。」
「?」
「何で帰ってきたのよ。」
「だって、約束したじゃん『そばにいてやる』って。」
「そんな約束なんかとっくに時効よ。」
そういうと、私は涼の足を殴った。
涼の絶叫が病院中に響き渡った。
そのとき私は気がついた、私は忘れていたのかもしれない。
涼を信じてあげるという『大事な気持ち』を・・・。
「何、ボーっとしてるんだ?」
「なんでもないわよ!」
そう言うと私は机の下で涼の足を蹴った。
私は信じる・・・。涼を信じる・・・。
どんなときでも約束を守ってくれるこの男を・・・。
この、しょうも無い小説を最後まで読んでいただいてうれしいです。些細な感想でもいいので下さったら幸いです。