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第七話.王城での宴

騎士団との模擬戦から数時間後。エルフ王国の王城では、大きな宴が開かれていた。巨大な広間。

長いテーブルには豪華な料理が並び、エルフたちが楽しそうに酒を飲んでいる。その中心にいるのは――神代悠真。

「ささ、こちらへ!」

「英雄様!」

「もっと酒を!」

エルフたちが次々と話しかけてくる。悠真は少し困った顔をしていた。

「いや……ちょっと待て」

横ではリリアがくすくす笑っている。

「人気者ですね」

「笑い事じゃない」

悠真は小声で言う。

「なんでこんなことになってるんだ」

その時ドン!!

大きな音と共に扉が開いた。

「宴は楽しんでいるか!」

現れたのはエルフ王。

手には酒の入った巨大な杯。

「人間!!」

王は豪快に笑う。

「今日からお前は我が国の英雄だ!!」

周囲のエルフたちが拍手する。

「英雄!」

「英雄!」

悠真は頭を押さえた。

「やめてくれ」

王の前に歩いていく。

「俺をそんな扱いにするのはやめろ」

「ほう?」

王は興味深そうに見る。

「なぜだ」

悠真は答える。

「ただの冒険者だからだ」

「王族扱いとか落ち着かない」

広間が少し静かになる。

だが王は大笑いした。

「ははははは!!」

「ますます気に入った!!」

王はリリアを見る。

そしてとんでもないことを言った。

「ならば簡単だ」

「リリアと結婚すればいい」

広間が凍りついた。

「え」

リリアの顔が真っ赤になる。

「ち、父上!?」

エルフたちもざわめく。

「王女と!?」

「結婚!?」

王は真顔で続けた。

「娘を助け」

「騎士団を倒し」

「私とも互角」

「十分だろう」

そして悠真に言う。

「どうだ?」

「リリアを嫁にもらえ」

リリアは顔を真っ赤にして俯いている。

「……」

悠真は少し考えた。

そして

「断る」

即答だった。

広間が静まり返る。王が目を丸くする。

「なに?」

悠真は肩をすくめた。

「まだこの世界来て数日だぞ」

「いきなり結婚とか無理」

エルフたちがざわつく。

「王の提案を断った!?」

リリアも驚いていた。悠真は続ける。

「それに」

リリアを見る。

「こいつにも人生あるだろ」

リリアが少し驚いた顔をする。

「そんな簡単に決めるもんじゃない」

沈黙。そして次の瞬間王がまた笑った。

「ははははは!!」

「いい!!」

王は酒を飲み干す。

「ますます気に入ったぞ人間!!」

リリアはまだ顔を赤くしていた。

「……」

小さく呟く。

「断られましたね」

悠真は料理を食べながら言う。

「当然だろ」

だが。

リリアは少しだけ笑った。

「でも」

「嫌ではありませんでしたよ」

悠真は一瞬固まった。

その夜。

エルフ王国の宴は遅くまで続いた。

そして悠真の冒険は

さらに大きな運命へと動き始めていた。


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