第三十ニ話.幹部
王立学院―戦場。爆炎。叫び声。魔法が飛び交う中、
悠真の前に立つ黒ローブの男。他の敵とは明らかに違う。
重い圧。アレスが低く言う。
「……強いな」
悠真も感じていた。
(さっきまでの奴らとは別格)
男がゆっくりフードを外す。現れたのは鋭い目の男。
「自己紹介くらいしておくか」
薄く笑う。
「俺は幹部の一人」
「ヴァルディス」
周囲の教師がざわめく。
「幹部だと……!?」
「まさか……あの組織の……!」
セラフィーナが呟く。
「七神器を狙う組織……」
ヴァルディスは悠真を見る。
「そう」
「その槍」
「ゼノグレイス」
「それは七神器の一つ」
手を広げる。
「そして俺も持っている」
その瞬間。空気が変わる。ヴァルディスの手に黒い剣が現れる。禍々しい魔力。観客席の一部が崩れる。
「なっ……!」
「武器を出しただけで……!?」
ヴァルディスが言う。
「七神器の一つ」
剣を軽く振る。
空間が歪む。
「魔剣ネグロス」
悠真の目が細くなる。
(……同格か)
アレスが剣を構える。
「面白い」
ヴァルディスは笑う。
「いいね」
「まとめて相手してやる」
ドン!!
一瞬で距離を詰める。
ガキィィン!!
悠真の槍と剣がぶつかる。衝撃が爆発する。
アレスも横から斬り込む。
ザン!!
だが止められる。ヴァルディスは片手で受けていた。
「遅い」
ドン!!
二人が吹き飛ばされる。
観客が悲鳴を上げる。
「強すぎる!!」
悠真が立ち上がる。
「チートかよ」
ヴァルディスが笑う。
「お前も似たようなもんだろ」
そして剣を構える。
「見せてやるよ」
魔力が膨れ上がる。黒いオーラが広がる。
「魔剣解放」
地面がひび割れる。空気が重くなる。セラフィーナが叫ぶ。
「まずい!!」
ヴァルディスが言う。
「これは」
「幹部クラスしか使えない力だ」
そして笑う。
「耐えられるか?」
次の瞬間。
ドン!!!
黒い斬撃が放たれる。悠真が槍を構える。アレスも横に並ぶ。
「行くぞ」
悠真が言う。
「ああ」
二人同時に踏み込む。学院最強と優勝者。
だが相手は七神器保持者の幹部。戦いはさらに激化する。




