第二十九話.折れない剣
王立学院 闘技場。観客席は満席。学院最大の大会ランキング戦 決勝。
教師が中央に立つ。
「決勝戦を開始する!」
歓声が上がる。
「アレス!!」
「神代!!」
闘技場に二人が立つ。
悠真。そしてアレス。だが悠真は少し気づいた。
「剣が違うな」
アレスはゆっくり剣を抜く。
キィン……
美しい銀色の剣。普通の剣とは明らかに違う。
アレスが言う。
「前は折られた」
悠真は笑う。
「悪かったな」
アレスは首を振る。
「気にしてない」
そして言った。
「だから」
「今回はこれを持ってきた」
剣を構える。
「絶対に折れない剣」
観客がざわめく。
「家宝の剣だ!」
「ヴァルグリム家の神器!」
悠真が少し興味を持つ。
「なるほど」
「本気か」
アレスの目が鋭くなる。
「もちろんだ」
教師が手を上げる。
「試合開始!」
その瞬間。
ドン!!
アレスが動く。今までより遥かに速い。
ガキィン!!
剣と槍がぶつかる。衝撃で地面が割れる。
悠真が驚く。
(速い)
アレスの斬撃が続く。
ザン!ザン!ザン!
今までの試合とは別次元。
悠真が後ろへ下がる。
観客が驚く。
「押してる!?」
「アレス様が優勢!」
セラフィーナが呟く。
「本気だ」
リリアも緊張している。アレスが言う。
「どうした」
「こんなものか」
悠真は槍を構える。
「いや」
「強いな」
アレスがさらに踏み込む。ドン!!
凄まじい一撃。悠真の槍が弾かれる。観客が息を飲む。悠真が初めて膝をつく。
「……」
アレスが剣を向ける。
「終わりだ」
だが悠真は笑った。
「まだだ」
ゼノグレイスを握る。
その時。
槍が微かに光った。
悠真が呟く。
「……?」
頭の中に声が響く。
「汝」
「今こそ解放せよ」
悠真の目が開く。
(ゼノグレイス……?)
槍が強く光る。観客がざわめく。
「槍が光ってる!」
アレスも驚く。
「何だそれは」
悠真は静かに言った。
「どうやら」
「まだ力があったらしい」
ゼノグレイスを構える。空気が変わる。悠真が呟く。
「第二能力」
槍の周囲で空間が歪む。教師が驚く。
「まさか……」
悠真が言った。
「空間断裂」
次の瞬間。槍を振る。
スッ
音もなく。アレスの剣が弾かれる。地面に巨大な切れ目が走る。観客が凍りつく。
「地面が……」
「切れてる!?」
アレスの目が輝く。
「……いいな」
剣を構える。
「最高だ」
悠真も槍を構える。
「続けよう」
決勝戦は最高潮へ。




