第十六話. 剣術首席
エルフ王国 王立学院。巨大な門の前に悠真は立っていた。
「……でかいな」
学院は城のように広かった。白い石造りの建物。
広い中庭。そして多くの学生たち。
貴族の子供たちが多いのか、服装も豪華だ。
隣にはリリアがいる。
「ここが王立学院です」
悠真は周囲を見ながら言う。
「なんか視線多くないか」
学生たちがヒソヒソ話していた。
「見ろよあれ」
「王の推薦で入る人間だって」
「特別枠らしいぞ」
明らかに目立っていた。
その時
「お前がそうか」
低い声が響く。悠真が振り向く。そこにいたのは一人の少年。長い金髪。鋭い目。腰には美しい剣。周囲の学生がざわめく。
「剣術科首席だ」
「アレス様……!」
少年は悠真を見る。
「王の推薦で入る人間」
「神代悠真」
悠真は軽く答える。
「そうだけど」
アレスは剣に手をかけた。
「なら」
「実力を見せてもらう」
周囲の学生がざわめく。
「まさか……」
「模擬戦!?」
リリアが慌てる。
「アレスさん!?」
だがアレスは構わず言う。
「学院に入るなら」
「弱い者はいらない」
そして剣を抜いた。
キィン。
美しい剣が光る。
「剣術科首席」
「アレス・ヴァルグリム」
剣を構える。
「模擬戦を挑む」
学生たちが興奮している。
「首席の戦いだ!」
「しかも相手は王推薦!」
悠真は少し困った顔をする。
「いきなりか」
リリアが心配そうに言う。
「悠真さん……」
悠真はゼノグレイスを肩から降ろした。
「まぁいい」
槍を回す。周囲の学生がざわめく。
「槍使い?」
「人間なのに?」
アレスが言う。
「武器は自由だ」
「本気で来い」
悠真は少し笑った。
「了解」
槍を構える。
「ただし」
「怪我しても知らないぞ」
アレスの目が鋭くなる。
「それはこちらの台詞だ」
二人が構える。空気が張り詰める。
そして
「始め!!」
学生の声と同時にアレスが動いた。
ドン!!凄まじいスピード。だが悠真は小さく呟く。
「……時間加速」
戦いが始まる。




