第十五話.王からの推薦状
模擬戦から一夜明けた朝。エルフ王城の食堂。
悠真は椅子に座りながらパンをかじっていた。
「平和だな……」
昨日は王、騎士団長、セレスと戦うというとんでもない一日だった。だが今日は静かだ。その時ドン!!扉が勢いよく開いた。
「人間!!」
現れたのはエルフ王。朝からやたら元気だった。
悠真はパンを食べながら言う。
「朝からうるさい」
リリアが少し笑う。
「父上ですから」
王は悠真の前の席に座った。そしていきなり言った。
「お前、暇だろ?」
悠真は眉をひそめる。
「いきなり何だ」
王はニヤリと笑う。
「王立学院に行け」
「……は?」
悠真の手が止まる。リリアも驚く。
「父上?」
王は説明する。
「エルフ王国には王立学院がある」
「騎士や魔法使いを育てる学校だ」
悠真はパンを置いた。
「なんで俺が」
王は当然のように言う。
「面白そうだからだ」
「理由になってない」
リリアが補足する。
「王立学院は世界中から才能ある人が集まる学校です」
「各国の王族や貴族も多いんですよ」
悠真は少し考える。
「つまり」
「貴族だらけ?」
「はい」
悠真はため息をついた。
「絶対面倒だろ」
王は豪快に笑う。
「大丈夫だ」
そして一枚の書類を出した。
「王の推薦状だ」
悠真が見る。そこには大きく書かれていた。
王直々推薦 特別入学枠
悠真が呟く。
「完全に目立つやつだろ」
王は笑う。
「問題ない」
「昨日の戦いを見たやつらは皆知っている」
「お前は強い」
そして真面目な顔になる。
「世界を知れ」
悠真は少し驚いた。王は続ける。
「この世界は広い」
「強い者も多い」
「魔族もいる」
そしてニヤリと笑う。
「学院なら面白い奴もいる」
悠真は少し考えた。そして言う。
「……まぁ」
「退屈はしなそうだな」
リリアが嬉しそうに言う。
「私も通っていますよ」
悠真が振り向く。
「マジか」
リリアは微笑む。
「はい」
王が立ち上がる。
「決まりだな」
「明日出発だ」
悠真はパンを食べながら言う。
「早すぎる」
王は笑う。
「若いうちは勢いだ」
こうして神槍ゼノグレイスの使い手神代悠真は王立学院へ入学することになった。だが。その学院にはまだ誰も知らない強者たちがいた。そして。悠真と同じく特別な力を持つ者も。新たな物語が始まる。




