第十四話.王女の一言
訓練場の空気が震えていた。悠真。エルフ王。
そして後ろにはセレスとアルヴェイン。四人の強者の気配がぶつかり合う。地面はすでにひび割れ、訓練場の壁にも亀裂が入っていた。王は大剣を肩に担ぎながら笑う。
「いいぞ人間」
「次は私が相手だ」
悠真はゼノグレイスを構える。
「遠慮するなよ」
王の目が光る。
ドン!!
王が踏み込む。
その瞬間
「待ってください!!」
透き通る声が訓練場に響いた。
全員が止まる。中央に立っていたのはリリアだった。
「もうやめてください!」
王が少し驚く。
「リリア?」
リリアは怒った顔で言う。
「これ以上戦ったら城が壊れます!」
騎士たちも周囲を見る。確かに地面はボロボロ。壁も崩れかけている。訓練場は限界だった。セレスが小さく息を吐く。
「……確かに」
アルヴェインも苦笑する。
「もう模擬戦の規模ではありません」
王は少し考えた。そして大笑いした。
「ははははは!!」
剣を肩に担ぐ。
「確かにな」
悠真も槍を下ろした。
「助かった」
リリアが少し怒る。
「助かったじゃありません!」
「皆さん本気すぎです!」
騎士たちが笑い始める。
「確かに!」
「城が壊れるところだった!」
王は悠真の肩を叩いた。
ドン!
「人間」
悠真を見る。
その目は真剣だった。
「お前は強い」
「本当に強い」
そして宣言する。
「今日からお前は」
「エルフ王国の友だ」
騎士たちが歓声を上げる。
「おおお!!」
リリアも嬉しそうに笑う。
「悠真さん」
悠真は少し照れながら言う。
「大げさだ」
王はニヤリと笑った。
「いや」
「むしろ足りん」
そして小さく言う。
「次は本当に戦おう」
悠真も笑う。
「望むところだ」
こうしてエルフ王国最強たちとの戦いは終わった。
だが誰も知らなかった。この戦いを遠くから見ている存在がいることを。森の奥。黒い影が呟く。
「……神槍」
「そして時間の異能」
影は静かに笑った。
「魔王様が興味を持つでしょう」
物語は新たな戦いへ進み始める。




