第十一話. 魔封の剣
訓練場。エルフ王国最強の二人。騎士団長アルヴェイン。
そして守護剣士セレス。二人が同時に剣を構える。悠真はゼノグレイスを握り直した。
「来るぞ」
次の瞬間。
ドン!!
アルヴェインが突進する。
凄まじい速度。だが悠真は避けた。「まだ遅い」
しかしその瞬間。背後に気配。
「……っ」
セレスがいつの間にか背後にいた。
剣が光る。
「魔封領域」
空気が一変する。
悠真の体に違和感が走った。
「……?」
ゼノグレイスの光が弱まる。
頭の中にあった感覚が消えていく。
(詠唱が……)
(使えない?)
セレスが静かに言う。
「私の能力です」
「相手の魔力を封じます」
観客席がざわめく。
「セレス様の能力……!」
「魔力封印……!」
悠真は小さく笑った。
「なるほど」
「だから呼ばれたのか」
次の瞬間。アルヴェインの剣が振り下ろされる。
ガキィン!!
悠真は槍で受ける。しかしそこにセレスの斬撃。
ザン!!
「くっ」
悠真が初めて後退した。
騎士たちが驚く。
「押してる!?」
「団長たちが優勢だ!」
アルヴェインの剣。セレスの魔封能力。完璧な連携。
ザン!!
ドン!!
悠真がさらに後ろへ下がる。
リリアが思わず叫ぶ。
「悠真さん!」
王は腕を組みながら笑っていた。
「ほう……」
「追い詰められているな」
アルヴェインが言う。
「あなたの槍は強い」
「だが魔力を封じれば――」
セレスが続ける。
「詠唱は使えない」
悠真は静かに槍を持ち直した。
「確かに」
少し笑う。
「ゼノグレイスの詠唱は使えないな」
二人が一瞬止まる。
「……?」
悠真は続けた。
「でも」
槍を肩に担ぐ。
「俺の力はそれだけじゃない」
空気が少し変わる。王が目を細めた。
「ほう?」
悠真の目が変わる。
静かな圧力が広がる。
「久しぶりだな」
そして呟く。
「これ使うの」
アルヴェインが警戒する。
「何を……」
悠真はゆっくり言った。
「俺の異能」
次の瞬間
ドン!!
空気が爆発した。悠真の姿が消える。
「消えた!?」
アルヴェインが振り向く。
しかし遅い。背後。
「そこ」
ドォン!!
一撃でアルヴェインが吹き飛ぶ。
セレスが目を見開く。
「なっ……!?」
悠真は槍を構える。
その動きは今までより遥かに速い。
王が笑った。
「はは……!」
「面白い」
悠真は静かに言う。
「魔力を封じる?」
「いい能力だ」
そしてセレスを見る。
「でも残念」
槍を構える。
「これは魔力じゃない」
セレスが聞く。
「……何?」
悠真は答えた。
「異能」
「俺自身の力だ」
戦いはまだ終わらない。




