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パンツではじまるラブリーベイベーバトルロワイヤル  作者: お花畑ラブ子
ラブリーゲッチュにハグしてベイベー!!
7/9

証(シンボル)

自分の手のひらと、少女が吹っ飛んでしまった先を交互に見つめる。

「マジかよ。予想以上に吹っ飛んじまった、な。死んでないよな」

ラブリーズに変身したことはあったが、ここまで威力が出たことはなかった。ラブリーズには何か力が出るきっかけでもあるのか。

「生きてるよな、ん?」

空中に、キラキラと光るものがあった。

「宝石?」

紅い宝石のようなもの。手を伸ばすと宝石はラブリーズの衣装に吸い込まれていった。


「これって」

「ぽえ?」

相変わらずラブリーズの話題になると、ダメだな。

「迷惑をかけてしまい、すみません!!」

夏海(なつうみ)華美(はなび)が学ラン姿で息を切らして走ってきた。その背中には、気を失いのびてしまっているラブリークリムゾンがいた。彼女の変身は解けていた。若干、大道寺のことを警戒しつつ、近づいてきた。余程トラウマになったのだろう。


彼女たちに敵意がない以上、俺もパンツを脱ぎ、変身を解く。とりあえずは大丈夫だろう。

「ふぇ、え?、ふぇ?!」


後頭部に衝撃が。


「何爽やかな顔で、乙女の前で下着ぬいどるんじゃい」


「いったいわ!しかたねーだろ!そもそもお嬢様を守るためにだな」

「すみません。あたいの姉が暴走を。カシラに言われて、急いで来たのですが。間に合わず。この人は洞爺湖剣(とうやこつるぎ)です。まさか、男のラブリーズがいるなんて」

チラチラとこちらを恥ずかしそうにみる。

「大丈夫ですよ夏海さん!そんなにチラチラ見なくても、俺は気にしてませんよ。ガッツリ見てください!」

スパーンと頭を叩く音がした。

「ド変態じゃないの!…そういえば…あなたたち苗字が違うわね。」

いや、変な意味はないんだけどな。

お嬢様の指摘はもっともだ。

「あたいらは、義兄弟だから本当の姉妹ではないんだ。でも、絆は本物!」

「ふーん、じゃあなんで、」

「アタシたちは願いを叶えるために」

「オイ。喋りすぎだ華。ってて。」

ラブリークリムゾンこと洞爺湖 剣が目を覚ました。

「とんでもないパワーだな。お前。華。コイツらは敵じゃないのか」

「剣姉ぇ。ごめん。あたいから喧嘩を売っちまったんだ。」

「そうか。わかった。」

少し安堵した表情になり、それから、口元をキュッと結び、こちらを見た。彼女はドカッと、そこに座り、手をついて頭を下げた。

「すまねぇ。あんたら。」

「すんません」

あわてた華火もすぐに後を追って謝った。

「謝るだけ?」

お嬢様は2人を見下ろしていう。

「うちの部下が、誤解で怪我でもしたら、どうするつもりだったの?」

「それは」

「謝るだけなら、口先でどうとでもいえるわ」

「お、おい、大道寺」

らしくない。普段の彼女なら、こんなこと言わない。

「すごく、怖かったんだから、すごく」

彼女の肩が震えていた。たくさんの強面の人に囲まれたんだ。当然。

「私はまた大事な物をうしなうのかって。怖かったんだから」

「え」

その剣幕に顔が青ざめる2人。その時俺はどんな顔をしてたかは分からない。平謝りを続ける彼女たちに恨みはない。ただただ、守るべき対象だった彼女の真剣な言葉に、胸を打たれていた。

「……まったくその通りですね。大道寺桜子。正直驚きました。あなたからそのような言葉が聞けるなんて」

その声の主は車いすに乗って現れた。

「久しぶりですね。大道寺桜子。それと、はじめまして、執事さん。私が炎城川奈。紅蓮のカシラをさせてもらってます。お詫びになるかわかりませんが。お茶でもしませんか」

彼女は柔らかに微笑んだ。


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