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桜子さんのパンツではじまるラブリーベイベーバトルロワイヤル  作者: お花畑ラブ子
ラブリーゲッチュにハグしてベイベー!!
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ラブリーバトルレッスンワン②


「パ、パンツを被った?!ぶははははは!!」

振りかぶられたステッキの軌道は笑ったためにズレた。ズン、と重い音が腹の底に響く。もしあたってたらと、ゾッとする。不安をぬぐうようにして叫ぶ。

「ラブリーゲッチュにハグしてべいべー!!ラブリーベイベー!見参!!」

「ムキムキがゴスロリコスしてる。ぶはははは!!妹に見せたろ」

パシャパシャと写真をとる。

「や、やめろ」

「……ラブリーバトル、レッスンワン。常に愛を忘れるな」

メキメキと音を立てる自分の身体、殴られてから分かった。いつふり抜いた。ステッキのしなりが伝わり、水槽にぶつかる。

「お前の羞恥心が、心を占めた。だから、弱くなる。何のために戦ってる。誰がために戦ってる」

彼女はステッキをくるくると回す。ステッキはリーチがある。なら、懐に入ってしまえば。

「秋道流執事術、お姫様抱っこ!!」

水槽を蹴り、頭から突っ込む。驚いた魚達が散る。体当たりする形で、手のひらを伸ばす。だが、一瞬ステッキで攻撃をいなされ、追撃を受ける。

「秋道流執事術?はっ!愛が足りねーよ!秋道ぃ」

彼女は、ステッキを両手で握り、俺の頭に叩きつけ、そのまま軸として、跳び箱のようにして飛び越える。

頭から地面にぶつかる。

「が、は、」

彼女に頭上を取られた。頭の上から声が振ってくる。彼女はステッキを照明に引っ掛けて、ぶら下がっていた。

「今度は焦り、そして、苛立ちか?そら、心がミックスジュースのようだろ。」

立ち上がり、天井にぶら下がる杏に向けて、盆をなげる。

「秋道流給仕術。ソーサーUFO!!」

「と、と、とい!敵を知り、己を知れ」

軌道を読まれてるのか、回転するお盆は躱されて天井に突き刺さる。

「軽業師かよ」

見透かされてるのか。殴ろうにも蹴ろうにも一向に当たる気配は無い。彼女はステッキで肩を叩く。

「パワータイプの直情型。ラブリークールとは、真逆だな。大道寺の格が落ちるぜ?」

「お嬢様の格が……。」

「やっぱり従者か。友達なんて、言い方して。堂々と名乗れないなんて、恥ずかしいからか?!秋道」

「違う」

「情けない主人だよな。執事に護られ、お寝んねなんて。」

「違う!」

「そうだ。弱いてめぇが全て悪い!!!」

足を払われ、体勢を崩し、喉にステッキの先を向けられる。

「だから。負ける」

「う、」

「半年前。ランカーだったラブリークールの失踪事件。ラブリーズバトルロワイヤルが始まる直前に。優勝候補が次々と襲われた。」

「はぁ、はぁ、はぁ」

「失踪したラブリークールが犯人だって言われてたが。あの状態じゃあな。事件の関係者の中に、真相を知る者がいるかもな。どっちにしろ変身すらしてないあたしに、手も足もでないようじゃ。生き残れないぜ」

手も足も出ない。ほんとにそうだ。

「常に愛を忘れるな。一人で戦うお前らはラブリーズバトルロワイヤルで生き残れない。」

「……」

「さて、着信がうるさい。帰るぜ。妹探し手伝ってくれて、サンキューな。秋道ぃ。」

「待ち、やがれ。」

「ん?」

こんだけボコボコにされて、なにより主人を貶されて、はい、そうです。すみませんで終わらせられるかよ。

「あんたの言うとおりだ。弱い俺が全て悪い。だがな。大道寺は。俺の主人は違う。……あいつは。強い」

「そこで、ぐーすか寝てんのにか」

「あぁそうだ。お嬢様は、変わらなかった。記憶を失う。それも日常会話がままならない。そんな状態で、あいつの精神性は変わらなかった。困ってる人がいたら、迷わず手を差し伸べる。自ら動く。あいつは立派だ」

普通だったら精神を病んでも仕方ないぐらい辛い状態なんだ。

「……」

「今日俺は。アンタに届かなかった。あんたが、本気でお嬢様を狙ったら、守れなかった。あんたが言う愛ってのは、まだよく分からねぇ。だけど、必ず。お嬢様の記憶を取り戻して、もう一度あんたに挑戦する。うちの、大道寺桜子は、立派だって、言わせてやる!!お嬢様を守りきって、もう一度あんたに!!」

今の全身全霊を。クラウチングスタートの形をとる。短く息を吐く。

「秋道流……」

「……特攻は愚策だぜ」

杏はステッキをかまえる。決死の攻撃は時に強者にも届きうる。身を持って知ってる。一発当てて、満足ってか。青いな。

「来いよ。秋道ぃ」

「ラナウェイベイベー!!!」

秋道の姿が消え、杏の真横を質量を持った突風が吹き抜ける。

「舐めんなよ」

ステッキを突き出し、進行方向を塞ぐ。ぐん、とステッキが引っ張られる。

「は、地面に叩きつけてや、る?」

反対側を一陣の風が吹き抜ける。

「はぁ?」

視界に移るのは、シマシマのパンツのゴツイしりがフリフリと走り去っていく。

「んじゃあ、こっちは!」

ステッキには、スカートが巻きついていた。スカートを脱ぎ捨てて囮に使ったのか。

「へー、やるじゃあ、ねぇか。ぷっ、あはははははは!アホすぎる」

ひとしきり笑い終えると、結界をひもとく。

「ばか。逃げても結界に阻まれるのによ。まぁ、暇つぶしにはなったか。ご丁寧にあの娘たちも連れ出したか。しっかし」

床に入った足の跡を眺め、つぶやく。

「瞬間的とはいえ、これほどのらぶエナジーとはな。」


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