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桜子さんのパンツではじまるラブリーベイベーバトルロワイヤル  作者: お花畑ラブ子
ラブリーゲッチュにハグしてベイベー!!
15/29

ラブリーバトルレッスンワン

「ん?」

スマホが鳴り出す。初代ラブリーズシリーズのオープニングテーマだ。軽快なリズムに重低音がしっかり響く。幼稚園あたりに聞いた曲だから妙に覚えている。

「お、妹からの電話だ。」

スマホを取り出し、話をし始める。いや、スマホあるなら、最初からかけとけば。

「ん、あ、仕事中は電源切ってんだよ。あいつ。」

「仕事中?お姉さんの妹さんはなにを」

「やめてくれよ。杏でいいよ」

彼女は名刺を取り出した。《三歌月芸能事務所 三歌月 杏》と書かれていた。裏面にはラブリーズの皆様大歓迎共に夢を叶えましょう。とあった。ラブリーズ。ダメ元でも聞いてみるか。

「三歌月さん。ラブリーズで記憶を操作する人って聞いたことないですか」

「記憶を、操作?」

おれはお嬢様に視線を向けた。

「あの子は、記憶を封じられていて、ラブリーズの話題に関することになったら、記憶がとんだようになるんですよ。」

「ふー、ん。なるほどねぇ。」

つかつかと近づいていく。彼女はそでからピンクの棒を取り出す。爪楊枝ほどの大きさだ。なにをするのだろう。

「おぉい!お嬢ちゃん。不思議なピンクの棒だよ。グネグネって長くなーる」

爪楊枝をヒラヒラと見せる。次の瞬間には、すこし長くなった。ただ腕を振って、錯覚をおこしてるだけだろうけど。

「え?すご、マジック?」

お嬢様は騙されやすい。……お嬢様はだまされ。あれ?めっちゃ長くないか?!すご。

「この棒はね。特別な力を持ったラブリーピンクの、」

「ステッキ、きれい」

「アイテムなんだけど、さ。ふーん、おい、大丈夫か?」

「棒、長い。」

急に会話が噛み合わなくなった様子に驚き、彼女は腕を組んで考えた。

「記憶、喪失とはちがうな。これは。」

「違うんですか?何か分かりますか!治せますか!」

「落ち着け、落ち着け。記憶を失っていたら、その記憶だけ抜けるはずだろ?キーワードに反応するタイプの暗示。まぁ、催眠みたいなものか」

「催眠。こ、心当たりはありませんか?催眠するラブリーズとか。どんな手がかりでもいいんです。」

今まで手がかりらしい手がかりがなかった。芸能事務所の社長なら、顔や知見が広いはずだ。可能性があるなら。

「んー、なんでお前はそんなに必死なんだ。」

「そりゃ!幼なじみが困っているなら!誰だって」

「……。幼なじみ、ねぇ?案外思い出さないほうが良いかもしれないぞ」

「な!思い出さない方が良いってどういうことだよ」

おれが、どんな気持ちでいるか。

「おいおい。どうしたよ。秋道庶務。落ち着けよ」


慌てた白崎先輩が近づいてきた。予想以上に大きな声が出てしまったようだ。落ち着け落ち着け。秋道家訓第10条 ジェントリィ!ダンディ!Everyday!

だ。父さん。だんだんめんどくなってんだろ。家訓考えるの。荒だった呼吸を落ち着けていく。


「ラブリーズバトルロワイヤルが10年ぶりに開催された。」

「……なんですか、それ」

「ラブリーズ同士の(エンブレム)の奪いあいさ。

普段はそんなことしないんだけどな。のんびり平和を守ってるんだが、ある一定数ラブリーズが溜まると、発動するイベントさ。こないだ。100人集まった。知ってる奴は、爪を研いでいた。世界に証やラブリーズが増えるのを待ってたってことさ。長いこと暗示にかかってるってことは、そういった準備をしてきた強力な相手だ。ただの一般人がどうにかできる世界じゃない。お前も悪いこといわないから、ラブリーズバトルロワイヤルには関わるな。正義のヒーローでも、中身は人間。醜い世界をみることになる」

「……何があろうと、おれは、お嬢様を治す!もし、そいつにお嬢様をこんな目に合わせたやつがいるのなら、この俺が!!」

ふいに、カバンが光り出す。奥にしまってたはずのパンツか?普段の輝きとは違う。鈍い光り。

「?!……ふん!」

「グは?!!」

杏に思いっきり殴り飛ばされた。

「な、なにす、る」

カバンが彼女の手の中に。輝きは消えた。

「あれ?秋道くんの?」

白崎先輩も戸惑っている。

「返せ!」

「憎しみを持って、ラブリーズに関わるな。飲まれるぞ」

「いってぇなぁ!」

憎しみ?知らん!!

「若いって凄いわ。……無謀で」

彼女はステッキを振るう。

「ラブリーふぃーるど」


地面についたステッキを中心に、光の輪が広がる。

「な、なんだ」

「へぇ、意識があんのかい」

ドサッとお嬢様や白崎先輩、周りの人々が倒れる。

「ラブリーズの基本技能のひとつさ。この結界の役割は2つ。1、ラブリーズバトルロワイヤルの証拠隠滅。この結界内で起こることはラブリーズ以外認知されない。2.ラブリーズの身体能力の強化。ラブリーズは超人的な力を授かる。こんなふうにな。」

投げ飛ばされたカバンにあたり、吹っ飛ぶ。

「ぐわっ」

「そのカバンの中にラブリーズの変身アイテムがあることはわかってた。あの嬢ちゃん。いや、大道寺桜子のもんだろ。なんであいつが倒れて、少年に意識があんだよ」

「くそ!」

カバンの中に大急ぎで探る。既にステッキを大きく振りかぶっているのが見える。

「導き出される答えはひとつ、考えたくないがな」

「ラブリーベイベー!!!」

頭にパンツを被る。

「おまえがラブリーズってことだ」

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