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何人の彼女を作ろうと俺はみんなを幸せにしたい  作者: たけのこきのこイノセント
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1年6組 学級委員長

 「おはよう、大翔さん。生徒会の当選、おめでとう」

 数学の準備をしようと少し背を丸めてカバンにに手を伸ばしていた俺に、少し茶色っぽい、長い髪を地面につきそうなくらいまでしゃがんで視線の位置を合わせて声をかけてきたのは我が1年6組の学級委員長である『秀花(ひでばな) 英沙(えいさ)』だ。

 「おはよう、秀花さん。ありがとう。でもなんでわざわざ?」

 彼女と俺は今まで特に関わりは持っていない。故、特に彼女が直接俺にこう言いにくる理由というのはない……というか思い当たらない。

 ということで俺は大人びて、整った顔立ちをしている彼女のその顔に目を向け、そう聞いてみた。

 すると彼女はわずかに微笑み、言う。

 「このクラスの代表として生徒会選挙に出て、そして生徒会の一員となってくれる貴方に、学級委員長である私がこういうのは当然だと思って」

 なんともできた人であろうか。俺はそう思った。

 「本当は朝のうちに言いたかったのだけれど、私がきた時にはとうに貴方は囲まれていたから……こうして授業準備の時間を頂戴することになってごめんなさい」

 「や、そんなん気にしなくてもいいよ。わざわざ言いにきてくれてありがとう」

 俺はそう謝る彼女に向かって心のままに言葉を発した。

 「さすがは生徒会に当選したほどはあるようね。人として素晴らしいみたい」

 「ははっ、そんなことないよ。そういった点なら、俺よりもよっぽど秀花さんの方が素晴らしい」

 この言葉もまた事実だ。

 短い高校生活の中で、俺は彼女の活躍っぷりをいくつも見ている。まだ開始から1週間程度であるのに、彼女がクラスで人助けをするところを俺は二桁に及ぶほどの量見ている。

 正真正銘、人間としてできている人だ。

 だが彼女はそれを否定する。

 「そんなことないわ。私なんかより、あなたの方が……まあ、ひとまず話はこれくらいにしておきましょうか」

 「ん、おお……わかった。ほんと、わざわざありがとう」

 「ええ、それじゃあ」

 ニコッと笑みを見せて彼女はそこから去った。


 (……すげえいい人だな。ま、とりあえず授業の用意をするか)

 俺は英沙さんとの会話を思い返しながらカバンから授業に必要な道具を取り出すのだった。


―――――


 キイン、コオン、カアン、コオン、と、チャイムの音が学校中に鳴り響く。これは授業が始まる後でも終わる音でもなく、放課後が始まる音である。

 今から放課後。部活をやっていない、俺のような生徒は基本的に帰宅をする時間だ。校内で自習を行ったり、友達とおしゃべりや遊びに行くなど、それ以外の選択肢もある、自由な時間。それが放課後。

 であるが、俺の場合、今から始まる放課後にはやらなければならないことがあった。

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