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肩こりに寄生されて

作者: 歌川 詩季

 叶うなら!

 肩から首にかけて 深く根をはるどころか

 その長くのばした根が

 肘のあたりまでとどいて

 上腕をぴりびりしびれさせたり

 脳の奥までとどいて

 偏頭痛をずきずきと(うず)かせたりする

 肩こりはほんとに厄介なやつだ


 うまれてきたときは

 なにもとりついてなかった首から肩にかけて

 おとなになるにつれてか

 あるいは まだこどものうちに

 いつのまにか寄生してたんだ

 いまじゃあひとつのからだに共存する

 相棒のような顔をして居座ってやがる


 どうだい?

 厄介者みたいな扱いをするけど

 これだけ長くいっしょに暮らしてきたからには

 もしも おれがいなくなったら

 さみしくてしかたないことだろう?

 もはやおれたちは一身同体だ

 ともに生涯を添い遂げようぜ


 そんなふうに思われてるのかもしれないが

 ちくしょう ふざけるんじゃねえ


 もし叶うことなら

 この首と肩のつけねに指をうずめて

 肩こりのやつをむんずと つかみとったら

 むしりとるように引き抜いてやりたい

 肘のあたりや脳の奥までのばした根が

 途中で切れた先端をのこすことなく

 まさに根こそぎ!

 ぢゃるりっ ずずずずずっ

 寄生していたおまえをひっぺがしてやりたいのさ


 さみしくなるどころかせいせいすらぁ

 そんなふうに願いながら

 こりの根城 痛みの巣窟と化した

 首と肩のつけねを ぎゅっとつまみあげる


 叶うことなら でも叶わねえだろうな


 肩こりのやつはきょうも

 きっと これからも相棒づらして

 肩から首にかけて寄生してやがるはずだ

 右と左で2匹いる!

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― 新着の感想 ―
寄生されています。私も2匹…… なんとかしたい! その叫びが歌川さんの詩になって、やりこめてないけど奴らをぎゃふんと言わせた気分になりました。 取り出して、八つ裂きの刑に処したいですね。 ドストライク…
奴らは生物だったのか……
うわあああ 私もよく取り憑かれますが…… 恐ろしい!のひと言です(*_*;
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