Act1. As Of Now † Reality is only interpretation † 4-7
Chpt4 エリコとミーシャ!! & イース ☆彡
☆Sect7 足音?
「なんか、気持ちわるい空ね」
ミーシャがポツリという。
「あんた、なにいってんの、雪、降ってんだもん。くもり空に決まってんでしょ」
エリコがあざけるけど、ANKAは、
「でも、今朝より、ずいぶん、暗くなってる。たしかに、ぶきみね」
けっきょく、なにごともなく、あたしたちは、コンパートメントに着いた。
ふー。あたし、安堵のため息つく。
となりで、エリコも、同じ吐息をしてた・・・
「ちょっと、昼寝しよう。わたしとユリイカは、とくに、疲れているし」
だよな・・・・・・。眠った。いろんな夢見た。吹雪のなか、もうろうと、歩きつづける夢。いっても、いっても、たどり着けない。泣いてる夢・・・・。それでも、すごい疲れていて、爆睡だった。
とちゅう、1回起きた。夜になっていた。時計、見たら午後7時。エリコがミーシャとディナー食べにいくとか、なんとか、いってた。
けど、ANKAも、あたしも、眠ってるほうがよかった。あたし、水飲んでから、また寝て、午前2時、眼がさめた。
わきで、ANKAが眠ってる。あたし、ぞっ、とした。
ゆれる列車のガタガタした音にまざり、廊下を歩く足音がしている。それがあたしたちのコンパートメントのまえで、止まった!
エリコも、ミーシャも、となりのベッドで、熟睡してる。部屋がまっ暗で、音だけが空間を支配している。
「ANKA!」
あたしは、彼女の耳もとで、ささやいた。けど、起きない。
足音の主は、ふたたび歩き出した。足音はきこえなくなった。
あたし、怖くて、じっとしていたけど、いつのまにか、眠りにおちていた・・・・・らしい。
夢を見た。
夢のなかで、12本の大きくて反り上がった牙を持つ白い巨象がかがやく4(よ)人の戦士にかこまれて、ちかづいてくる。紫摩黄金の雲が彼らのまわりをただよう。すごぉい・・・・きれい・・・
あたしは、ガサガサする音で、眼がさめた。
ANKAがしたくをしている。よかった、朝になったんだ。
起き上がると、エリコも、化粧室をかねる洗面室に坐って、みじたくをしている。そのとなりで、ミーシャが歯みがき。
でも、これ、ほんとかしら。だって、なんでもありのバーチャル世界だもの。あたしをだましてないかとか、すぐに変わっちゃうんじゃないか、って、疑ってると、きりがない。
無情で、鉄みたいな現実のほうがたよりになる気がしている、いまは。
「おはよ、ANKA」
あたし、言葉を発した。
「あ、起きたね、ユリイカ。だいじょうぶ?」
その一言がうれしい。安心した。急に、周囲のすべてが色彩を帯びて、リアルになる。
「ありがと。だいじょうぶだよ。ANKAは?」
「わたし? なにいってんの、もちろんよ。わたしは、だいじょうぶ。決まってんじゃん」
ちょっと、ムカつかせる、その言葉。信じあっている証みたいで、すべてのしんぱいを、ふき飛ばしてくれる。
そして、エリコのちょームカつくセリフが、
「ユリイカ、なにしてんのよ、すぐ、シーレオーノなんだから。
わたし、トロいやつなんか、待ってないよ。もう、ミーシャだけで、じゅーぶん」
「あーっ、どーしてぇ?
わたし、したくしてんじゃーん!」
あたし、ホッとした。
昨晩の足音のこと、わすれちゃっていたよ。そーよ、わすれちゃだめ。ANKAに話した。
「笑えない話だね。でも、それだけなら、なんでもない話だよ。
まあ、エリコたちには、話さないでおこうか。べつに嘘つくわけじゃないし。それでいい?」
もちろん、OKだし。