Act1. As Of Now † Reality is only interpretation † 4-6
Chpt4 エリコとミーシャ!! & イース ☆彡
☆Sect6 こわイ…
「なによ」
けど、もう、通りすぎて、見えなくなっていた。
でも、なんで? かくれるように見ていたかとおもえば、こんどは、すがたを見せるように、立っているなんて。
怖がらせようとしてる?・・・・・・、それとも、警告?
でも、ありえない、さっきまで、走ってる列車のなかにいたのに、いま、外なんて! あたしのいってること、おかしくないよね?
なんか・・・・じぶんの感覚が信じられなくなってくる。でも、見たものは、まさしく見たのよ。
「あの男が、ほら、コンパートメントのところで、あたしたちを見てた、あの男が外に、いま、立ってたのよ!」
ANKAは、身を乗り出して見ようとしたけど、もうおそい。とおすぎて、だめ。
「え、わかんない、見えないよ。
でも、ユリイカ、あれが男だって、いつ、わかったの?
あのときは、シルエットだけで、はっきりしなかったわ。
なんとなく、ふんいきが男っぽかったのは、たしかだけど・・・・」
「さっきのコンパートメントにいたシルエットと同じだったし、いま、見たアバターは、まちがいなく男だったわ」
エリコとミーシャとは、なんのことかわからず、ぽかあーんとしてる。
「あんたたち、いったい、なんの話してんの?」
あたし、事情を説明した。
だまってきいてたエリコが、意外に、しんけんな表情で、
「ふーん。来ンのおせーとおもったら、そーゆーことだったんだ。
でも、現象としては、そんなに、おどろくようなことじゃないよ。だってさ、そもそも、バーチャルな世界なんだから、わたしたちがほんとーに生きてる現実世界みたいにさー、物理的な制限、つーか、限界なんか、ないんだから。
じっさい、なんでも、ありなんだよ。
ただ、じゃーおめーできるのかよ、っていわれちゃうと、ぅうん、できないよ、つー、こたえしかないんだけどねー」
ANKAも、うなずきながら、
「そう。たいして、ふしぎじゃないわ。
問題は、なんでか、ってことよ。だって、わたしたちに、そんなことして、なんの意味があるの?
ぜんぜん、わかんない。しかも、エリコのいうとおり、あるていど設定をいじることができる者のしわざだわ。
そんなやつがなんで、わたしたちにかまうの? わかんない。だから、油断ができない」
あたしも、やっぱ、気持ちわるい。
「だよね。
なんの目的で、あたしたちのまわりに、まとわりつくのよ?」
「ねー、もー、そんな話やめよーよ。ごはんおいしくないよー」
ってミーシャ。
たしかに、そうだぉ・・・・・けど。
あたしたちは、ちょっぴり暗くなって食事を終えた。
少し沈黙。
部屋に帰る空気になったんだけど、なんか、コンパートメントにもどるのが怖くて、あたし、だれがさきに立つか、ようすをうかがった。
だって、もし、やつがまたいたら、あたし、怖ぇーよ。
空気をさっして、ANKAが立つ。すると、エリコがいかにも、ぐうぜんのよう、わずかにおくれて立ち上がって、
「さあ、いくわよ。あれ、もしかして、なんか、ビビってる?」
あたし、まぢムッとすんだけどー。
エリコが立ち上がると、ミーシャも、自動的に立つ。あたしが、いちばん、最後になった。
最後って、ちょっと怖い。うしろから襲われたら、無防備じゃん。
お辞儀する給仕をあとにして、あたしたちは食堂車を出た。
客車に入る。
せまい廊下、列車のなかだからしかたない。窓の外は、くもり空で、暗くなってきている。
まだ、午前10時くらいのはず。さっきまでは、さほど、暗くなかったのに・・・・せまい廊下を、すごく暗く感じる。
列車の走るガタガタした音以外、しずか。あたし、なんども、うしろをふり返った。
ミーシャが、いちばん、安心な位置かも知んない。でも、彼女は、意識してないとおもう。
やっぱ、ムカつくのはエリコだよね。んー、なんか、ドキドキしてきたよぉ。
あたし、廊下にならぶコンパートメントの扉から、眼が離せない。だって、そのどれかから、やつが出てきそうな気がするから・・・・