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Act1. As Of Now † Reality is only interpretation † 4-1

  Chpt4 エリコとミーシャ!! & イース ☆彡

      ☆Sect1 エリコ登場!


 いきなし、(もう)スピードで(わら)()っこんで、(おお)きな(おと)を立てた、あたしたちを、しんぱいそーに()てるおじいさんに、「ごめんなさい」とだけ、いいのこし、(はし)る、(はし)る。


 ()がつけば、(かぜ)はすでに(よわ)くなって、(ゆき)()りしきってるだけだった。

 (かや)ぶきの屋根(やね)(いし)づみの(かべ)(むら)(ちい)さくて、うす(やみ)のなかでも、すぐに(えき)(しゃ)()つけられた。


 ()(ぜん)()36(ぷん)(らく)(しょう)だ!


 (えき)(ふる)くて田舎(いなか)()(じん)(えき)みたいだったけど、キップ()()(かい)(さつ)もあって、(えき)(いん)さんもいた。


 そのまえで、(ひっ)()になって、荷物(にもつ)をひっくりかえし、なにかをさがしまくってる(おんな)()がいた。

「どーしたの?」

 あたし、おもわず、きいちゃった。

 その()は、キッと、にらむように、あたしを()()げた。

「ないのよ!」

「なにが?」

「お(かね)()まってんでしょ!」

()まっては、いないとおもうけど」

「どーでも、いいわよ。あんた、ちょっと、ウザくない?」


 そこにANKAが()た。

「ユリイカ、なにしてんの。キップ()わなきゃ、()れないでしょ。

 いいから、(さい)()よこしなさい。

 ()ってきてあげるわ」

 その()()がかがやいた。

「ねえ、エリコのも、()ってきて!」

 ANKAが()(げん)(かお)でにらむ。

「いいけど。でも、お(かね)くれる?」

 エリコがこまった(かお)をつくる。

「ねー、(すこ)()してくんない?」

(すこ)しって、いくら?」

「キップ(だい)(ぜん)(がく)

 ANKAがおもしろがってるような(ひょう)(じょう)で、いった。

「もちろん、()しても、いいわ。

 (かえ)したくないなら、(かえ)さなくてもね。

 あんたも、ここのルールは、とーぜん、()ってるわよね?」

 エリコがふくれっツラする。

「ばかにしないで。()ってるわよ。

 クドクが()るわ。でもさ、しかたないじゃん。またとり(かえ)せばいいのよ」

「OK!

 じゃあ、いっしょにいこうか。

 ユリイカ、あんたの(さい)()からも、この()のぶん、()しとくからね」

「ええ! なんでー、ANKA」

「ばか、あんたも、わかってないの?

 クドクよ、クドクのほうがお(かね)より()()があるの。

 わかった?」


 あたしとANKAは、(ぼう)(かん)()やらをぬぎ、()りたたんであったバッグをひろげて、それらをしまい、エリコといっしょに、その荷物(にもつ)をひきずりながら、キップ()()(まど)(ぐち)へいく。


 デニムを()た、(ふと)ったおじさんが()をむけて、だるまストーブにあたっていた。

「キップください」

 (おお)きな(こえ)でよびかけるエリコ。あんた、じぶんの(かね)じゃないでしょー。

「シーレオーノ(いき)、3(まい)ね。

 (とく)(とう)にしてよ、()いてるわよね?」


 ふりむいたおじさんは、(あか)(はな)(ちい)さなメガネをのせている。(かお)をしかめて、(ちい)さな(かみ)きれをにらむ。(しろ)(ひげ)をなでる。

()いてるよーじゃな。アカデミアにいくのかい、お(じょう)さんがた」

「とーぜんよ」

「そうかい、がんばってな。ほら、3(まい)

 エリコが得意(とくい)げに、キップをあたしたちにくばった。

 そして、あたしとANKAは、(かお)()あわせる。プっ。ふき()して(わら)う。

「なによ」

 エリコが()(まん)げ。あたしも、いってやったよ、

「なんでもないわ、あきれただけよ、あんた、ある意味(いみ)すごい」


AnkaQDQ:6  EurekaQDQ:6  EricoQDQ:3 


 そんなあたしたちのやりとりなんか()()して、ANKAがホームのようすを(かい)(さつ)(ぐち)からうかがう。(かん)(さん)(かぜ)ふくだけで、さびしげだ。いう、

「さ、いくよ。ここじゃ、(さむ)すぎるわ。ホームにいっても、しょーがないしね。

 バルで、コーヒーでも、()みましょう。ひらいてれば、だけど」

「バル?」

 あたし、きいちゃった。

 エリコがエラそーに、うんちく、

「あー、そんなことも、()らないの? (べん)(きょう)()(そく)ね。

 バル、っていうのはね、どこの(むら)(まち)にも、かならず1(けん)はある()()()いの、(やす)(みせ)で、()(かい)なら、(がい)()ごとにあるわ。

 (くに)()(ほう)によっては、バールっていったり、パブっていったりするのよ」

「へー。

 エリコ、バカそうに()えるけど、(べん)(きょう)したんだ」

「ユリイカ、っていったっけ? あんたに、いわれたくないわ」

 ANKAが(くち)をはさみ、

「あそこに、あるわ、やってるみたい。こんなに、はやい()(かん)から、ありがたいわ」


 あたしたちは、(ゆき)()りしきるなか、(ふる)えながら、(みせ)()びこんだ。いかにも田舎(いなか)っぽい、つーか、(のう)()納屋(なや)に、カウンターがあるみたいな。

 (あさ)()(ごと)のまえに1(いっ)(ぱい)やってる(のう)()のおじさんたちがなん(にん)かいる。


 あたし、(はい)ってびっくり。だって、(ゆか)はまるめたナプキンやタバコの()(がら)だらけ。サイアクじゃーん。


「あーら、ぃいお(みせ)ね」

 エリコが(とく)()げにいう。

「どーゆーことよ」

 あたし、ついムッとなる。

 ANKAがため(いき)しながら、(せつ)(めい)

「あんたら、(さる)(いぬ)みたいね。レベル(おな)じで、ちょうどいいってことかしら?

 ねえ、ユリイカ、バルでは、ゴミは(ゆか)()てていいことになってるのよ。

(はん)(じょう)してる(みせ)ほど、ゴミだらけなわけ」

「へー」


 うす(ぐら)くて、(くろ)っぽい、(まる)()()()みたいな(てん)(ない)で、あたしら(おんな)()(にん)は、奇異(きい)()()られた。とくに、(ゆき)まみれのあたしとANKAとは、けげんな(おも)()ちで、じっと()られた。


 カウンターのむこうに、()(たか)くて、やせた、()(よわ)そうな(おとこ)と、小柄(こがら)小太(こぶと)り、(ほほ)がつやつやして血色(けっしょく)がいい(おとこ)とがいて、(じょう)()(げん)にお(きゃく)としゃべってる。


「いらっしゃい、お(じょう)さんがた。なんにしましょうか」

 やせた(ひと)がやさしげに(ちゅう)(もん)をきいた。つやつやした(ほほ)(ひと)は、ニコニコしていう、

「うちのチーズは最高(さいこう)だよ。ワインは、ちょっとムリかな、お(じょう)ちゃんがた。

 おれたち、いつも(しゅう)(まつ)は、あっちこっちの(のう)()をまわって、それこそ、(やま)()えてね、()(ぞう)のワインや、チーズを()つけ()して()いつける、それがしゅみなのさ」

 しあわせそうに(わら)った。(すこ)(はな)れた(せき)(のう)()がぷいっと、よこをむく。()(ごえ)で、ぶつぶつつぶやくのが、あたしの(みみ)にもきこえた。

「けっ、このご()(せい)に、のんきな()らしぶりじゃねぇーか。さぞかし(もう)けてんだろぉーなぁ、へっ」


 ANKAが(かお)(こえ)のほうへむけ、

(へん)ね」

 ポツリといってから、(かお)をもどし、(ちゅう)(もん)をはじめた。ホット・ミルクをたのんだ。あたしも、(おな)じにする。エリコが()どった()調(ちょう)で、ブラックを(ちゅう)(もん)した。

「あんたら、ガキねえ」

 なまいきなこといったエリコに、ANKAが(ちゅう)(こく)していう、

「からだをあっためるものを()んだほうがいいわよ。そんなんじゃ、おなかも、すくよ」

「ふーん」

「ねえ、あんたさー、なんで、そーゆー(たい)()なわけ?」

 あたし、いわずにいられない。

「そーゆー(たい)()って、どーゆー(たい)()よ」

「てゆーか、お(かね)なくて、こまってたくせに、えらソーってことよ」

「あーら、あんたたちに、クドクをつませてあげたんじゃない。じぶんのポイントを()(せい)にしてさ」

 ANKAがからかうように、

「まあ、そうとも、いえるわね。ところで、あんた、1(ひとり)で、ここまで()たの? たいしたもんね、(おんな)()(ひと)りで」

 エリコが(はな)(あな)をふくらませる。

「まあね、あたしって、けっこう、かしこいから、しょーがないじゃん。

 あんたらも、ケータイあるでしょう? (せつ)(じょう)タクシーよべばよかったのよ。

 (うん)(てん)(しゅ)は、(ゆき)(ひょう)くん。(こう)(りゃく)(ぼん)にも、()いてあったわ」

 あたし、すなおに(かん)(しん)したけど、ANKAは、けらけら(わら)って、

「それじゃあ、お(かね)もないわね。しかも、マイナス・ポイントよ。あんたの(こう)(りゃく)(ぼん)、よっぽど、(やす)かったみたいね」

()らないわ。(カレ)()()せてくれたんだもん」

 こいつ、(カレ)()いるんだー。あたし、まぢムッとした。(すこ)(かな)しかった。ANKAが()()らぬ(かお)していう、

「そんな(おとこ)とは、わかれるべきね。バカとつきあっても、いいことないわ」

 ()(がい)にも、エリコが()(がお)でうなずき、

「そうね、ほんとだわ。もう、アイツとは、()わりね。ふん。

 もっと、いい(おとこ)にするわ。かしこいやつにね」

 あたし、よけいムカつくんだケド。そんなに、えらべるワケ?

「あ、そー、そー、じつは、わたし、(ひと)りじゃないんだよ、(げん)(みつ)にいえばねー」

 まぢで、いちいちムカつくンだケド? だから、いってやったよ、

「なに、そのゲンミツにいうと、って。

 1(ひとり)なの、そうじゃないの、どっちよ」

 さげすむような()で、エリコがあたしを()た。

「ニュアンスってもンを()(かい)できないのね? まあ、事実上(じじつじょう)、わたし1(ひとり)みたいなもんだった、ってことよ。

 ぜんぜん、たよりない()でさー、ロリ(けい)(なつ)(ふく)()ちゃったのよね。っていうか、(そう)()(かね)かけなさすぎ、ってやつよ。

 タクシー代、わり(かん)にしたんだけどさ、彼女、わたしとちがって、装備(そうび)(ひん)()ってないぶん、(れつ)(しゃ)(だい)があってさ。

 ミーシャだけ(れっ)(しゃ)()せて、わたしは、()(せき)(しん)じ、お(かね)をさがしてたってわけよ」

「あんた、それで、タクシーに・・・・・・」


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