Act1. As Of Now † Reality is only interpretation † 3-3
Chpt3 理想の世界かょ?
☆Sect3 QDQ:3
パンクふうが爆笑し、枝から墜ちる。ANKAは、そンなのキにとめない。
「IEで時間をすごしても、もどるときには、入ったときとおなじくらいの時刻にもどれるのよ。
ともかく、いまは、これ以上、せつめいはしてらンない!
せつめいなら、わたしがよんでるから、だいじょうぶよ。
さ、ともかく、風にむかっていくよ! いいね!」
「そうさ、それしかない。
あたまでかんがえたってダメさ。かんがえって、なんだぁ? おれぁ、おバカだからさー。
あはは、あはは、あははははっ」
雪まみれで、おきあがったパンクが嗤いながら、そういう。
あたしも、シカトした。
「ANKA、もうすこし、くっついてあるこう。あたしのほうがあったかいからさ!」
「いいから! いくのよ」
金パツがあたしたちを見送って、手をふる。
「あはは、あははは、がんばれよ。おれぁ、叭羅蜜斗ってんだ。ここじゃ、有名だぜ。ハハ、いくんだ、それっきゃねー、なンもねー、色即是空さ。ぎゃうてい、ぎゃうてい、ぁハハハ!
ぢゃあナー」
なんなの?
雪をふみしめ、あるく。風のせいで、すすみにくい。ふんばる。くいしばる歯がガタガタふるえ、うまくかみあわさらない。
けど、へんなことに、きがついた。
「ねえ、ANKA、あたし、すごいはらぺこなんだけど、なんでかしら。さっき、うちで、いっぱい、ごはん食べたばかりなのに」
「すべてがゼロから、はじまるのよ。とーぜん、さいしょは、なーンにもたべてない状態から、はじまるのよ」
「さいあくーーーぅ!」
「空腹も、脳でつくられるって、いったでしょう。いまが実践学習ね」
「ゼロからって、そんなとこまで、やるんだぁ。こまかいっつーか、きっちりしてんねー。
てか、経験って、ほんとに、事実にカンケイなく、つくられたものなンだねー。
でも、ハダカの出発じゃなくて、よかったわ。防寒具はゆるされてるから」
「そーでもないよ。夏服で来る人間だって、たくさん、いるらしいから。そういうひとは、即リタイア。
あんたの、知恵の勝利、ってことよ」
「ANKAは、なんで、冬の装備だったの?」
「事前調査」
「ひどーい、なんで、おしえてくんなかったのぉ!」
「それじゃ、ゲームになんないわ。でも、ヒントはあげたはずよ。ほんとわ、おしえちゃいけないんだからー、違反なんだよ。
ねえ、ちなみに、あんた、キャラクター、なに、えらんだの?」
「キャラ? あー、あれよ、ぇぃち?」
「エイチ? あ、叡智ね。
その影響、あるのかもね、あんたが正しい選択をしたのは」
そうか。
でも、かんがえてみれば、ANKAのおかげ。あたし、ぜんぜん、自立してない。
「知恵が武器だっテ、おしえてくれたからだよ」
「そうでもない。
きく耳があったからよ。それも、だいじなこと。
うぬぼれちゃ、ダメ、ってことよ。
他人の意見に、かんたんに、左右されちゃうのも、ムノウだけどねー」
「ANKAから、そういうこと、きくとは、おもわなかったわ」
「どういういみ? わたしだって、他人の意見、きくわよ。
だれだって、さいしょは、だれかにたよるものなのよ。
あかちゃんは、ひとりでは、生きていけないわ」
って、いっているうちに、森をぬけて、のぼりはじめている。なにも、風をさえぎるものがなく、雪はカミソリだ。
あっちこっちから、ふいてくる風で、あたしも、ANKAも、もう、しゃべってなんか、いられない。斜面の角度が、さらに、きつくなったうえに、岩だらけにかわった。
これ、のぼるのっ? ・・・・なんて、もう、きかない。きくゆとりがない。
けど、あたしにも、ANKAにも、これなんだっていう実感があった。あえて、困難な道をえらぶのが正解なんだっていう感覚をつかんでいた。
けど、ハンパじゃない。すすむほど、ハードさが増す。ケータイをみると、あたしたち、出発してから、まだ、30分くらいだ・・・・
信じらんない! ちょーつかれまくり、ヘロヘロで、あしふるえてるし、いききれてるのに!
「ANKA、すこしやすもうよ、あんた、もう、限界っぽいよ」
よわよわしい眼で、ANKAがあたしをみた。あたし、ぞっとした。ANKAがこんなふうになるなんて・・・・・
「そうね。すこしやすもうか、ユリイカ」
あたしたちは、岩陰の雪をすこしどけて、そこに、ふたりでくっついて、まるまった。さ、さ、さぶい。あたし、じぶんの上着を、ANKAに着せた。懐炉があるから、上着なくても、あたしは、だいじょーぶだったから。
ANKAは、さいしょ、拒否したけど、抵抗する気力も、すでに、うすれているようだった。
「いいわよ、しかたないね。でも、それは、あんたにとって、いいことよ。
この世界では、他人のために、じぶんを犠牲にすると、クドクになって、かならずみのるから。現実世界とは、ぜんぜん、ちがうのよ。
ただしい行為がむくわれる、かならず」
みると、たしかに、あたし、QDQ:3になってる・・・・