【初コラボ!】下町おかかとManencraft!【GOOD LIVE/黒神 轍】②
「う、うん…でも何について話すの?」
「そうだな…お互いのことについて話し合わない?」
「べ、別にいいけど…」
チャット
上位のメッセージ 7003人
・お、いいぞぉ
・俺らの知らないことが出てくるのか…
・運営に怒られないようにね…
・これは何かが起きるな…
「じゃあまず私から聞くね?」
「うん」
「おかかちゃんって、Vtuberになる前は何をしてたの?」
「そーだなーずっと部屋にこもってゲームと勉強かな。」
「なるほどねぇ、勉強っていってもさぁ色々あるじゃん。」
「うん」
「ずっとなんの勉強をしてたの?」
「教師…かな」
チャット
上位のメッセージ 7113人
・教師!?
・ある意味こっちで正解か…
・教師はブラック(現役教師ワイ)
「教師…かぁ」
「ずっと人を笑顔にしたりしたかったんだ。だけど医師とかはやっぱりハードル高いからさ、気軽に人と接することができて、自分の持ってるコミュニケーション能力を活かそうと思ったらやっぱり教師がいいのかなって思ってさ」
「おかかちゃん確かにコミュ力高いもんね。自分なんて話しかけてもらってやっとだかなぁ」
「でもね、私はVtuberになれて良かったと思ってるよ。画面越しとはいえたくさんの人を笑顔にできてると思うとすごく楽しく思えるんだ。」
自分はそんなことを考えたことがなかった。ただ転生してお金稼いで楽に過ごすためにVtuberになりこれまで過ごしてきた。確かに初めの頃はわからないことばかりでとても大変だった。だが、今となっては視聴者との会話にも慣れ配信が楽しいという感覚が薄れていたのだと思う。
「これじゃあ僕ばっかり答えてるじゃんか!わだっちも答えてよ!」
「わ、わかったよ。で。質問は何?」
「えっとねーじゃあ今までの人生で一番印象に残ってる出来事は?」
「んー難しいなぁでも、GOOD LIVEのオーディションに受かった時はすごく嬉しかったなぁ今までの人生の中で一番嬉しかったと思う。高校に受かった時もすごく嬉しかった。でもその後に受かったオーディションの方がもっと嬉しかった!」
今までの自分だったら一生出てこなかったであろうセリフ。それは耐久配信による疲れで思わず出てしまった本音。きっと今日という日がなければ一生気づくことのなかった感情。思わず涙が溢れてしまった。
「うぅ…」
「あれ?わだっち泣いてる?」
チャット
上位のメッセージ 7229人
・まじかよおかか最低だな
・そこの君!うちの推し泣かせたアルネ!
・下町お前何したんじゃワレェ
「えぇ、僕は何もしてないって!ただ質問したら急に泣き出しちゃったんだって!本当だもん!」
「…」
同期のはずなのにこの対応力、やっぱり生まれ持った何かがおかかにはある。感情がぐちゃぐちゃになりながらもそんなことを思った。
「すごいなぁおかかは、そんなにすぐにスラスラとコメントに対応できるんだから…」
「わだっちも十分すごいじゃん!いっつも配信見てるけど、僕なんかよりずっと盛り上がってるし!」
「ありがとう…おかか…」
チャット
上位のメッセージ 7331人
・今深夜2時ですがそれは…
・これが真のてぇてぇですか…
・俺らには眩しすぎたな逃げよう(確信)
・今すぐされらねば尊死するぞ!
こんな時でもコメント欄は明るく、いつも通りに接してくれる。彼らがいるから私はここにいる。Vtuberとはそういうものなんだ。なんで今まで分からなかったのか分からないくらいだ。
「おかかぁ…企画どうする?」
「あ」
チャット
上位のメッセージ 7123人
・あ
・あ
・あ
・あ
・あ
「え、えっとぉ一旦寝る?」
「いや、やろう。」
配信開始4時間30分経過 6度目の挑戦。
「村どこダァ村ぁ」
「わだっち村探しといて、僕、木切っとくよ」
「うんお願い」
チャット
上位のメッセージ 6928人
・雪山にあるやつ村じゃないの?
・村だ!村!
・村見つけたぞ村ぁ
「あ、本当だ!村だ!」
なんだか、配信が始まった直後と同じくらいのハイテンションで物事は進んでいった。俗にいう深夜テンションというやつなのだろうか…
30分後
チャット
上位のメッセージ 6591人
・【速報】午前3時
・え、あ3時か寝ないと…
・明日休みで本当によかった。
・最後まで一緒に戦うぞ!
挑戦は順調に進み、アンダードラゴンと戦う直前までやってこれた。時刻は午前3時37分きっとそんなことはないんだろうけれども配信が始まった時よりも空が明るく見える。睡魔に襲われ途中何度も失敗しかけた。その度にお互い助け合いやっとの思いでここまできた。あとはやることは一つ、アンダードラゴンを倒すだけだ。
「おかかちゃん!やっとここまできたね!」
「やっとだよわだっち!でも最後気抜いてさっきみたいにやられないでよ!」
「わかってるって」
視聴者も減ってきた。みんな寝ているのだろう。当たり前だ。だが勿論朝まで続いていることを信じ寝ているファンもいるだろうからたとえここで終わったとしても雑談をする予定だ。
アンドポータルへ入り、地上へ這い上がりあらためてアンダードラゴンの姿を目視する。練習の時はあんなに倒すのが当たり前かのように思えたのに、今となってはその姿はとても強大なラスボスに見える。これが終わったらもしかしたらぶっ倒れるかのように寝てしまうかもしれない。だが、こいつを倒すまでは眠れないと自分の中にいい聞かせ気合いを入れ直す。
「じゃあまず周りのクリスタルを壊そう。」
「そうだね、じゃあ左側から僕は壊すからわだっちは右から壊していって」
「りょうかーい」
クリスタルは合計8個。順番に壊していけば4個ずつ壊すことになる。弓矢を使って安全に行くか、水を使って確実に壊すか。だが今はやられないことが優先だ。狙いを定め、弓を弾き、放つ。遠くから爆発音が聞こえる。命中だ。自分でも信じられないくらいの驚異的な集中力だ。もう通話の音もコメントも見えていない。
2つ目、弓を引く、ふーと大きく息を吐き、弓を放つ。2連続で命中だ、矢の数は残り6。
テンポよく3つ目に取り掛かる。だがここにきて集中力が切れてきた。二発外したのち三発目で命中した。
「こっちは3つ壊したよ。」
「え!?早くない?僕まだ2つ目だよ!?」
どうやらかなり驚異的なペースで破壊していたらしい。一旦落ち着き、水を一口含み、飲み込んだのち4つ目に取り掛かる。
チャット
上位のメッセージ 5983人
・轍覚醒してて草
・轍命中率えぐいwww
・2人とも頑張れー
・ガチでここで終わるんじゃね?
最後の4つ目。最後だ。だがしかし、ここにきて指が震えだす。うまいことエイム調整ができない。2本はずし残りは1本、当たるか分からないなかラインのみを合わせ、運任せで弓を放つ。
当たらなかった。
チャット
上位のメッセージ 6015人
・あ、詰んだか?
・水バケツあるしまだいける。
・登って壊すしか…でも怖いなこれ…
・安全第一だぞ!
「ごめんおかか外した、今から登るけどやられたらあとは頼んだよ…」
「え、あ、うん…でもなるべくやられないでね…」
素早い動きで柱の上まではきた。あとはしっかりと壁を置いて破壊するだけだ。万が一落とされてもいいように水は敷いてある。大丈夫だ、いける。クリスタルに向かって腕を伸ばし、破壊する。反動で飛ばされてしまったものの事前に敷いてあった水のおかげで一命を取り留めた。
さああとはドラゴンを倒すだけだ。