49.エルフの伝説(エルフ側)キター
俺がエルフ達とのハーレム?生活も悪くないな、とか考えている
向こう側ではマリアさんがエルフの族長達にマンチェスまでの道程を
相談している。
「ノールドを通らず行くルートは有るんですね?」
「この下の谷川を南に下って行けばシャーフ川の船着き場まで行けるけど
途中チョー危険だよ。」
「ていうか、人間じゃ無理だと思う。オーク、ゴブゴブリン、出る出るよ」
「人間はウチらみたいに樹上の道を行けないっしょ?
魔物が出なくても地上の道なんてないよ。川筋は滝もあってムリっすよ。」
エルフ達が親切に言ってくれてるが、聞いているマリアさんの顔は曇っていく。
ジェニ派が勝ったら、ノールドはその影響下、
ハゲ男爵が書いた契約書をつきつけられ、連れて行かれる。
・・・そうなったら亜空間倉庫に逃げるけどね。
エルフの地図によるとノールドはこの森が北の山と近づき、
狭くなった所にある。
地形的に関所のような役割をしているようだ。
要はこの辺りの草原のようにスカスカの抜け放題ではない。
シャーフ川というのは、この森の南側にある川らしい。
この辺り北側が高いらしく、バルツ男爵館付近の川も含め何本もの川が
北から森に入り、南から出ていく、それを集めた川がシャーフ川で
マンチェスまでつながっている。
「西部高原を迂回するルートは?」
エルフ達の話を聞いていたマリアさんが絞り出すように言った。
「夏ならイケるけど、もう雪が降ってる、エンツやトロルが出るよ」
「バカでかくてウチらでも勝てない魔物だよ、ムリムリ」
「魔物に会う前に凍え死ぬと思う、チョー凍みるよ。」
ダメみたいだ。
俺もエルフ達に質問してみた。
「僕らって迷惑じゃないの?しばらくここに居ていい?」
エルフ達は顔を見合わせた後、クスクス笑い出した。
「ごめんなさい、ずうずうしいよね。」
ご馳走してもらったばかりの居候としては小さくならざるを得ない。
今の俺の体もともと小さいけど。
「そんな事気にするなっし、お前らの食い分位チョーヨューよ」
ネッチャが俺の背中をバシバシ叩きながら大笑いしている。
とっても痛いが、他のエルフも笑い出したので俺も愛想笑いで返した。
大学の外人講師達と話した時の事を思い出したじゃないか。
「有難う。でも、ここに他の人が来る事ないの?」
「ないない。買い物はこっちから行くもん。」
「80年前、この森にドワーフが攻めてきてから
どこに住んでるか内緒にしてるよ」
「ダチが大勢攫われたんだ。」
「私の双子の妹も攫われたんだよ。
産まれたばっかりで覚えてないけど。」
ネッチャって80代なのかよ。10代後半くらいにしか見えん。
「それから誰も来てないの?」
エルフ達が首を振る
「70年位前かな、お母さんが病気とかいう農夫が薬草を探して
迷い込んできた事があるよ。」
「私たちを見て大っきくしてたんだよ。」
おい、どこを大きくしたというんだ、R15だぞ、中身はともかく
子供の前だぞ、微妙に古くて危ない気がするしやめてくれ。
「可哀そうだから、薬草あげたのに帰らないんだよ。」
「どうしても、って。人間の男って、・・・だねー。」
マリアさんが睨みつけたので、エルフは話題を変えた。
「病気のお母さんのところに早く帰ってやりな、
って言ったのに何日もいたのよ。」
「その後よ、チョームカツク」
「激おこなんだから」
エルフ達が憤慨している。
「何があったの?」
「その男、病気のお母さんを放置したのは
森で悪いエルフに捕まってエロ・・・悪い事されて帰して
貰えなかったからだ、って言いふらしたんだって。」
「チョー失礼、あんなに良くしてやったのに。」
「アンタやったの?」
「一晩よ5回だけ。」
だから、R15だと。マリアさん怒るからやめろ。
「ウチら知らない間に悪いエルフって伝説になってたんだ。」
「ヒドスギ―」
エルフ達がプリプリしている。
「酷いね、抗議しに行った?」
「次に来た人が教えてくれたの、30年位前だっけな?
当人はもう死んでた。」
「教えてくれた人は悪いエルフに会いたくて来たんだって、
変わってるよね。」
「その人に、人間の伝説って長ーく残るんだって言われたの」
「むかーし、むかーし、って1000年前の話も残っちゃうんでしょ。
人間って執念深ーい、」
80年前を昨日みたいに言うエルフに言われても・・・。
「その人はどの位ここに居たの?」
「半日も居なかったよ、何かすごい雷が落ちた後
気が付いたら居なかった。」
「バッチャが空を飛ぶ薄着の娘に捕まって連れ去られるのを
見たと言ってるんだけど、まさかねー」
「バッチャも1000歳超えたからボケ入ってるよねー。」
ゴン、ゴンと音がしてバッチャが他のエルフを殴っている。
って1000歳超えかよ、エルフってパね~。
それと、俺その人達知ってると思う。
うん、危ないのでその話には触れず、気になっていた事を確認しよう。
「エルフさんが悪いエルフと言われてるのを訂正したいのは解ったけど、
何故、滅ぶみたいな話してるの? みんな元気じゃん。」
・・・・・・エルフ達が静まり帰ってしまった。
それまで黙っていたバッチャが口を開いた。
「お前は子供だから解らないかもしれないが、
男と女がいないと種族は絶えてしまう。
今、モイモイの一族には女しかいない。
人族とエルフでは子供はできんぞ。」
「エルフの男の人はどうしたの?」
「若いのはドワーフに騙されて捕まってしまった」
「何人か残ったのも毎晩勤めさせたら衰弱して・・・。」
横から話に入ってきたエルフがバッチャに殴られて頭を押さえている。
R15だぞ、当然だ。
「それなら他の男の人を呼べば良いんじゃ」
「手遅れじゃ。族長の血が絶えたらモイモイの一族とは名乗れん
族長ももう700歳を超えた行き遅れじゃ先はない。」
族長700歳かよ、下手すりゃ一番若く見えるぞ。
「700歳だともうダメなの?」
「エルフが子供を産めるのは800歳位まで、
もう時間切れじゃ。」
エルフ達が悲しそうにしているが、
ちょっと待て100年もあるじゃないか。
「諦めるのは早い、マンテェスには男のエルフも大勢いるわ」
マリアさんが声をあげた。
「話には聞いているんだけど、エルフの男はえり好みが激しくて~。」
族長が初めて俺たちに向かって話しかけてきた。
「3000年前位から女しか産まれず、男はひ弱くなって
エルフ種の勢力は弱くなってしまった。特に我がモイモイは。」
バッチャが涙を拭いながらフロロ酒を飲んでいる。
良く見るとエルフ達、酒飲みっぱなしだ。
「気の弱い事言ってちゃダメよ、きっかけは自分で作らなきゃ!
一緒にマンチェスに行きましょう!」
マリアさん、族長を焚きつけて同行してもらうつもりだな。
上手くいくと良いんだけど。
ところで納屋の方、ちゃんと見張ってるのかな?




