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46.エルフの伝説、キター

「おかしいな。何故まだ南に行く?」

ジェニ軍から分派された5人は馬を降り、足跡を探っていた。

「そろそろ西へ行かないと森に入っちまう。西部高原に行くんだろ?」

「どう見ても森の方へ向かってやがる。森沿いに行く気かな?」

「魔物だらけの森の傍を幼児を連れて?普通はやらんだろう。」

彼らの見た方向には巨大な森林があった。

「こっちの方はバルツ男爵領、東の方はノールド男爵領、

森の向こうはクロム男爵領、境界は未定らしいぜ。」


「バルツの南の森って、悪いエルフ伝説がある森だよな。」

「なんだそりゃ?」

「お前知らないの?男が入ると悪いエルフに捕まって、大勢の女エルフに

あんな事やこんな事されて、喜んでたら

生気をすっかり搾りとられちゃうっていうの。

結構有名な話だと思ってたんだけど。」

「聞いた事あるな。すごい美人揃いだけど大勢に連続で求められて、

 変な薬も使われて、喜んでる間にカランカランにされちまうって話。」

「エロ話の定番だよな。へえ、ここの事なんだ、実話なのかね?」

「何十年か前に森から出て来た生存者が伝えた、って話だから

誰かが面白可笑しく作った与太話だろうな。」

「モテない奴の、こんな目にあってみたい、って願望としか思えん。」

「大勢相手にするなんて、実際やったら苦痛以外なに物でもないのにな。」

「ロバ耳女にも相手にされない否モテが妄想だな。

バカバカしい。」

彼らは非合法の娼館で死んだ目をして客待ちしているエルフしか知らなかった。

「そういやエルフって高く売れるのか?」

「いけるんじゃないか?

 美しい、老けない、妊娠しない。娼館が喜ぶ要素しかないからな。」

「勝手に森に居るんだから捕まえた奴のもんだろ。売買禁止とかふざけてるよな。」

「最近は売買されてないみたいだ。まあジェニに連れこみゃこっちのモンだろ。」

地図を見ていたリーダーらしき男が声をかけ彼らに乗馬を促した。

「休憩は終わりだ。居れば、の馬鹿話をしてないでガキを追うぞ。」

彼らは前方の森からこちらを見ている者がいる事に気が付いていなかった。


ーーーーーーーーーーーーーー


物珍しそうに”俺”を見物しているエルフ達に

綺麗な水の湧く泉やその下の家畜小屋、

トイレなんかを案内してもらっていると、

少し遠くから鳥の鳴き声が聞こえた。

ピーピュ、クゥ。ピピピ。ツンピー、ピーヒュー。


?何故か意味が解る。鳥、だよな?周りのエルフ達が反応したぞ。

”馬、乗ってる、5、遠い、来ている”


『テンプレ、何故か鳥語がわかるような気がするけどお前の仕業か?』

『今のは鳥ではなくエルフの口笛です。

 言語の一部になっています。』

『バレないように遠くに伝達するって事か。』

『そのようですね。実際あんな感じで鳴く鳥もいるので

知らないと区別できないみたいです。細かい内容は無理みたいですが。』


最低限を伝えられれば十分だろう、考えたもんだ。

というか、エルフ達連絡を聞いた後も平気な顔をしている。

本当に言語になってるのか?


「この先、フロロ、食べたい時食べる良い」

案内と通訳についてくれているらしいネッチャが話しかけてくる。

泉から先には定番のフロロが一面に実っている。

俺が動かないでいると遠慮していると思ったのだろう、

周りのエルフ達が実を採って俺のズタ袋に入れてくれた。


「有難う。こんなに食べきれないよ。」

「遠慮、要らない、でも今食べない方が良い。今晩ご馳走。

沢山食べる、良い」


俺はさっきから感動していた。

エルフ最高じゃん。ご馳走が何だかわからないが無茶苦茶親切じゃん。

泉に湧いた水はエルフ用家畜用の順で樋に流れ、トイレに来ている

何と水洗、この世界に来て初の水洗だった。穴の下を水が流れっぱなしだけど

相変わらず干し草が置いてあるけど、お尻だって洗って欲しいのは無いけど。

水洗だ。水が湧く量が半端ないので結構な水量がある。

すなわち臭わない、掃除もしてある。

転生してから鼻をつまみ、時に涙を流していた

俺が感動しない訳はないのである。


さっきの口笛は気になるけど、周りのエルフさんが気にしてないので

とりあえず知らないフリしよう。


「トイレの下を流れた水はどこに行くの?」

経験上この世界でこんなに上手くいくはずがない。

後で掃除しろと言われたら嫌なので確認しておこう。

「そこの水たまりに行く、底にサイフォン、って解るか?あって

その後外に流れていく。入る危ない、近づくダメ」

トイレの少し先に池があり全ての水は底に流れていくのにその先はない。

なのに溢れてないのは下水のトラップのような構造になっていて、

その先は暗渠なんだな。

「柵の向こう崖、近づくダメ。」

幼児達に良く言い聞かせないといけないなこりゃ。

水量のおかげか池の水はそんなに汚くない。

水面がずっと揺れているのは底から水が流れ出ているせいか。


池の方を見ているとネッチャが俺を引っ張って首を振った。

「行く、ダメ。解った?」

「わかった。皆にも伝えておくよ。色々親切にしてくれて有難う。」

「感謝、必要ない。

 私たち良いエルフ、モイモイ良いエルフ、忘れないで。」


なんかやたら評判を気にしているような気もするけど大丈夫か?

テンプレから念話が入る。

『嘘はついてないようですよ。フロロは飽きる程食べてるみたいです。』

『自分達が食い飽きたから俺たちに食べさせようと?それでも良いや、

食べ物を分けてもらうのに文句を言ったらバチが当たる。』

『ご機嫌ですね。』

『そりゃ、この世界来てから一番待遇も環境も良いもん。』


上機嫌でさっきの広場に帰った俺は色々衝撃を受けた。

”うちの子は、ほんの子供で何にも教えてないの”

”それじゃ仕方ないか、でも何も知らない無垢な子供って”

”萌えるぅ~。色々教えてあげたい”

”おしべとめしべがあって”

”それもまだ教えてません”

”おしべにあたるのがそれで、めしべにあたるのが・・・”

”それは絶対教えないで!具体的に指さすな!てか人の子供に何する気!”


知らんかった。マリアさんエルフ語できるんだ。

内容はロクでもないけど。

俺を見つけたマリアさんが庇うように寄ってきたけど、

エルフ達の反応を見るにマリアさんを揶揄ってただけらしい。


”人間て凄いね 20いくつで子供がいるんだって”

”ウチらは200位にならないと出来ないもんね”

”滅びちゃうはずだよね、200から800位しか子供産めないんだもん”

はかないよね。ウチら。もうすぐ、あと1000年位で滅びちゃうんだよ”

”悲しくなるからそれは言わない約束でしょ”

”そうよ、私たちは最後の日まで、清く、正しい、

良いエルフさんなんだから”


相変わらず言ってる事が解らん。

俺が会話に集中できなかった理由は、歓迎の食事の材料

巨大な肉塊の横にあった植物のせいだった。

『ワサビじゃん。』

どう見ても生わさびに目が釘付けになってしまったのだ。

挿絵(By みてみん)






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― 新着の感想 ―
もろに長命種の時間感覚過ぎて素で主人公もテンプレも感傷の出来やセリフの意味を理解出来てないのオモロ エルフって男性が極端に少ない上に着床しづらいとか繁殖期の間隔が長いとかでしたっけ? フロロの実の弊害…
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